月別アーカイブ 2022年6月
第178回 ・船岡山公園を中心としたコミュニティを作りたい~フラット・エージェンシー&St Monakaの挑戦(ワルダクミ)
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岡: | 岡山 泰士 氏(株式会社 一級建築士事務所 Studio Monaka 代表) |
今: | 今津 新之助 氏(株式会社 一級建築士事務所 Studio Monaka 取締役/経営企画) |
絹: | 絹川 雅則(公成建設株式会社) |
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(左:今津 氏 右:岡山 氏) |
絹: | 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。 この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソードをお伝えしております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。 さて、今日のゲストはお若い男性お二方をお呼びしております。株式会社一級建築士事務所 Studio Monaka 共同代表 岡山泰士さんです。 |
岡: | はい。よろしくお願いします。 |
絹: | 岡山さんとはひょんなご縁で、前に勤めていらっしゃった設計事務所が設計された保育園を、蜂ヶ岡で施工させていただくというご縁の方なのですが、偶然再会しています。 それからもう一方、同じく株式会社一級建築士事務所 Studio Monaka の取締役でいらっしゃる今津新之助さんです。今津さん、よろしくお願いいたします。 |
今: | よろしくお願いします。 |
絹: | そして今津さんはSWL(SOCIAL WORKERS LAB)という所のディレクターでもあらせられます。さてさて今日はどんな話が展開いたしますか。 あ、今ちょっと悪だくみを思いついた(笑)。岡山さん、タイトル覚えています? |
岡: | 覚えてるっちゃあ、覚えています(笑)。 |
絹: | ゲストづかいの荒い司会です。ゲストにタイトルコールを頼んでしまおうと思いつきました。ではタイトルをお願いします。 |
岡: | 「船岡山公園を中心としたコミュニティを作りたい~フラット・エージェンシー&St Monakaの挑戦(ワルダクミ)」 |
絹: | さあ、リスナーの皆さん、どんな話になりますか。乞うご期待であります。 ゲストづかいが荒いの第二弾です。他己紹介、今日のゲストお二方の人となりをリスナーの皆様に少しだけ開陳していただこうと思います。 Studio Monaka 共同代表の岡山さん、パートナーの今津新之助さんとは、いかなる人物ぞ、短く述べよ。 |
岡: | 簡単に言うと、超絶お節介なお兄さんでございます(笑)。Monakaの組織デザインと言うか、チームのデザインをメインにやってくれている方です。 |
絹: | 取締役/経営企画とあります。ありがとうございます。 そして今津新之助さん、今度は攻守交替であります。共同代表 岡山泰士さんとはどんな方ですか? |
今: | 岡山がよく言われているのは、「よくしゃべる人」なんですけれど、僕は「情に篤い人」だなと思っているんです。あとは人々の動きをつくっていくというか、関わりながら動きをつくっていくということを、本当にスーッと一緒にその人とやってしまうというのがすごいなと思って、いつも見ています。 |
絹: | 先ほどの事前の打ち合わせの中でも、「伴走車(共に走る人)」というキーワードが出ておりましたね。そんな方なんですね。 それではお二方にマイクをお渡しして、船岡山公園を中心としたコミュニティをつくりたいというワルダクミ、エピソード1に入ります。では最初に口火を切っていただくのは、よくしゃべる共同代表 岡山さん、お願いいたします。 |
■エピソード1 船岡山公園の新しい在り方を考える |
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●それは京都市の公募からはじまった | |
岡: | まず我々が何をしようとしているかからお話したいと思います。場所は京都市の船岡山公園という史跡になっているところです。応仁の乱の時に陣が敷かれていた山があるのですが、そこの中にあった公園管理事務所を活用しながら、公園の新しいあり方とか、使われ方とか、そこを中心に新しい関りをつくるということを、京都市の公募提案に提案させてもらって、使わせていただくことになり、今その運営のチャレンジをしている所です。 |
絹: | リスナーの皆さん、イメージしてください。船岡山公園です。ある人に言わせると「すてき!」、また別の人に言わせると「UFOの穴場」、ある人にとっては「懐かしのデートスポット」、そして近隣の人たちにとっては「素敵な遊歩道があったり、ラジオ体操のメッカ」であったりと、色んな場所です。歴史のある場所です。そこの公園管理事務所が長らく空き家になっていたんですね。そこをどういう風に活用しようかというアイデアを募るため、京都市のみどり政策推進の公園の担当部署が公募をかけました。「誰かこれ、料理して!」、「ハイ」と手を挙げたのが、フラット・エージェンシーとStudio Monaka のチームだったというわけです。他にもライバルはいたんですか? |
岡: | 僕らはとりあえず盲目的に手をあげちゃったので(笑)、特にライバルとかそういうことは考えませんでした。たまたまフラット・エージェンシーもSt Monaka も船岡山公園エリア周辺を拠点にして活動していて、ちょうど我々も千本北大路(せんきた)の施設が解体されることもあって、次にどこに行こうかと考えた時に、ちょうどその公募がかかったわけです。 |
●船岡山公園のStudio Monaka の拠点に行ってきました |
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絹: | おおー、これは壮大な偶然かもしれません。あるいは意味のある偶然かもしれません。 番組をつくるにあたり、最低一度でも現場を踏まねばと思いまして、短時間ではありましたが、船岡山公園のSt Monaka さんの拠点を、この間訪問させていただきました。その報告を短くリスナーの皆さんにさせていただきます。 どういうんでしょうか、若き設計者たちのコワーキングスペースというだけではなくて、何か若いエネルギーが渦巻いているように感じました。そして色んな相談事、ワルダクミが持ち込まれやすい場所、そしてもちろん未完成でありますし、広い、まだ使えてない倉庫なんかもあるし、パッとふすまを開けたら猫ちゃん部屋!で、猫が「にゃー」とねんねしている部屋まである。はたまたソーシャルワーカーズラボのインターン生たちも寄って、出たり入ったりするし…。 びっくりしたのは「こんなん初めてです」と今津さんもおっしゃってましたけど、佛教大学の学生たちが「フィールドワークですねん」と、「ここ、何したはるんですか?」と入ってきましたね。本当に生き生きとしたエネルギーが生まれつつある場所、そういう肌感覚がして帰ってまいりました。その場で思わず「ゲストに来ていただけませんか?」と交渉をしてしまいまして、今日に至っております。 さあ、船岡山公園で公園を中心としたコミュニティをつくりたいとのこと。その中で公園管理事務所の広さだとか構造を軽く説明していただけませんか? |
●僕らの拠点はこんなところです |
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岡: | 公園管理事務所自体は6年前に統廃合されて、空き家になった施設でして、だいたい200㎡くらいの鉄筋コンクリート二階建の建物です。ちょっと変わっているのは、斜面地に建っているので、1階と地下一階なのか、1階と2階なのかわからない、ちょっと特殊な構造で、道路面から見ると2階建てに見えたり、1階建てに見えたりという、そんな建物です。その建物の敷地内の奥にもう1つ50㎡くらいの倉庫がありまして、そういった空間をこれからどのように活かしていくのか実験者としてこれから運営をしていこうというものです。 |
絹: | リスナーの皆さん、のべ200㎡、結構広いです。駐車場もありますし、車は4~5台入れられたかな。その奥にシャッターに閉ざされた50㎡の倉庫がある。斜面に建っていると。なんか、いろいろワルダクミできそうな素材や思いません?ここにどれだけの色んな人が集まって来るのか想像したら、楽しくなってきます。 |
■エピソード2 |
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●フラット・エージェンシーという会社 | |
岡: | 今回共同で一緒に出させてもらっているのは、フラット・エージェンシーさんという会社です。京都の北のエリアを特に拠点として展開されている((京都市内全域で展開されているのですが)フラット・エージェンシーさんとどのように繋がって、なぜこんなことになったのかについてお話したいと思います。 |
絹: | フラット・エージェンシーさんをご存知のない方のために、短く捕捉を入れさせていただきます。私、絹川の個人的な見解ですけれども、京都の不動産屋さんの中で私が最も信頼を置くお客様と近い不動産屋さんのお1人であられます。社長は吉田創一さんといわれる方です。そしてもはや不動産屋さんの域を飛び越え始めているフシがあるチームです。 |
岡: | 本当におっしゃる通りで、京都の北区エリアでも、例えば広場みたいな空間を空き地活用して使われていて、本当に色んな取組をたくさんされています。今回我々も一緒にさせていただくわけですが、ソーシャルな動きを北区の中でされている、本当にキープレイヤーと言えます。 |
絹: | ここでまた腰を折ってしまいますが、少し捕捉をいたします。 リスナーの皆さん、新大宮商店街というのをご存知でしょうか。北大路大宮上ルからある商店街ですが、一時期元気のなかった商店街が、最近は妙に元気になっています。是非訪れてみて下さい。それを仕掛けたキーマンの1人が、フラット・エージェンシーさんです。 そして空き広場については、京都市高度技術研究所傘下のソーシャルイノベーション研究所SILKの連中に教えてもらいましたけど、わざわざ空き家を潰して広場にして、儲からないのに(笑)。でも広場でセンターハウスだけ残して、テストキッチンを入れて、キッチンカーなんかが停まれる駐車スペースだとか、イベントができるようにした。こういう勇気のあることをする商店街があるの?という商店街です。 |
●橋渡しはSILK(京都市ソーシャルイノベーション研究所) |
岡: | そうなんです!僕らからすると、すごくソーシャルな領域で活躍されていて、不動産屋さんと言っていいのかわからないくらいの活躍をされている方と、今回船岡山公園というきっかけがあって、ご一緒させてもらうことになりました。 というのもその前段で、SILKさんというソーシャルイノベーション京都というチームには、これから面白くなっていくソーシャルな企業を、京都市内でマッピングするプログラムがあって、ちょっと前に僕らも取り上げてもらいました。それを見てもらっていたと思うんですけど、今回新しい公募があるなかで、「こんな物件がある!」とたぶん彼らの中でもピンときたんでしょうね。フラット・エージェンシーと若手のソーシャルなことをやっている所が繋がって、公園をやったらおもろいんとちゃうかと思ったみたいです。で、「今回、こんな公募が始まったけど、どう?」とお声掛けいただいて…。 |
絹: | ソーシャルイノベーション研究所の引き合わせ。なるほど。それでその面白い企業のマッピングを手伝っていたとおっしゃいましたね。それは例えば千年先も残っていてほしい企業だとか、また別のチームかもしれませんが、ホワイト企業対象選別だとか、そんな風にブラックの反対側の企業さんをマッピングしようということですね。うちはホワイトではなく、だいぶグレーなので(笑)、マッピングしてもらえないと思いますが。ありがとうございます。面白いなあ。 |
岡: | そんな中、これまでもフラットさんとは繋がりはあって、例えばフラットさんがやっている修学館という面白いシェアハウスだったり、なんとなく薄い繋がりはあって、いつかいつかとは思うものの、なかなか出会いがなかったのですが、今回「船岡山公園にこんなんがあるよ」ということで、お引き合わせいただいて、そこですごく話が盛り上がったんです。 |
●建築家は社会の営みをつくるもの |
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岡: | 自分たちもこの段階においては、ソーシャルなことはしていきたいし、建築家としても社会の営みをつくるというのはすごく重要な宿命だと思っていたので、公共の場を運営していったり、可能性を広げて行ったりするのは、僕たちの仕事だと思っているところはあったわけです。 |
絹: | リスナーの皆さん、今、すごく大切な事を岡山代表はさらっと語られました。建築家は社会をつくる営みをつくるものだと。ハードをつくるのみにあらずと。こういう思いで建築設計をしている人というのは大切かもしれません。 社会をつくる営みというのは、説明しにくい、平仮名化しにくいのですが、役に立ちたいと…。今、カタカナ用語でソーシャルという言葉を使われましたが、実はソーシャルという言葉は、我々のように還暦過ぎの人間にはわかりにくい言葉ではあります。これを敢えて無理やり平仮名化しますと、「世のため人のためになりたいという思い」をカタカナ化するとソーシャルという、この翻訳、間違ってます? |
岡: | 間違ってないと思います。僕らが建築家の視点から見ると、建築はただかっこいいものができて、それがあればいいというのではなく、その中にある生活や活動や関係がそこで生き生きと生きることで建築が活かされてると思っていて、それをちゃんとデザインしたいと思っています。もちろん箱だけつくれば、それは生まれるかもしれないけれども、そうではなくて、そういった場を一緒につくっていけるような建築家でありたいし、そういったことを含めた事が建築家の職責であると思っているんです。 |
絹: | 深いなあ。そしてコミュニティデザインという言葉が出ました。取締役である今津新之助さんは、SOCIAL WORKERS LAB のディレクター、あるいは創業者でもあり、専門はコミュニティデザインですか? |
今: | そうですね。人と人との関係づくりとか、そういうことはやってきたのかなとは思います。 |
●皆さんは福祉と言うと、何を想像されますか?―SOCIAL WORKERS LABO の活動のこと |
絹: | 今津さんがSOCIAL WORKERS LAB を率いてらっしゃるという形で、中心メンバーであって、しかもStudio Monaka の取締役でもあると。その辺り、SOCIAL WORKERS LAB とはそもそも何ぞやのところから、少しコメントいただけるとありがたいです。 |
今: | 皆さんは福祉と言うと、もしかすると障がいをお持ちの方やお年寄りの方とか、お子さんに関わることだと思われやすいのではないかと思います。でも福祉はもうちょっと広い概念で捉えられるのかなと思っていまして、僕たちが日々生きるうえでベースとなっている生活そのものが福祉と言ってもいいのではないか。別に福祉と言わなくてもいいんですが…。いわゆる福祉を学んでいる京都の大学生とか、全国の大学生の皆さんだけではなくて、これからまちづくりとか、自分たちの日々の生活をよくしていきたいとみんな思っていると思うんです。SOCIAL WORKERS LAB では、そういう人たちが現場に関わっていくことを通して、福祉という概念を拡張したり、まちづくりに取り組んでいったり、自分自身を形づくっていったりという機会をつくりたいと思いまして、大学生とか若い世代と一緒にやっている活動になります。 |
絹: | 一回ではさらっと翻訳しにくい動きですけれども、今津さんが語られた言葉のなかで、すごく大切な事があります。 まちづくり。これも以前「まちづくりという言葉は嫌いだ」と自分自身で言っていた時期もありまして、でもまちづくりはハードのみにあらず、人と人との関係性を紡ぐものもまちづくりの範囲にあるというふうに、やっと60過ぎてわかってきました。 福祉は誰にとっても自分ごとです。狭い今までの福祉のところから、この若い人たちは福祉という言葉を周辺領域、特にまちづくり領域にお拡げになっているフシがあります。そういう方が設計事務所と、SOCIAL WORKERS LAB 共に率いていらっしゃって、船岡山公園という史跡の公園を中心としたコミュニティをつくるんだと。ということは、今以上にそこに人が集まって来ることを目指していらっしゃる。それが京都市の狙っていることであると。 「公園が公園で遊んでいる(要は誰も遊んでいないこと)」という悪口を言われないように、公園を核にしたコミュニティが生まれ出るとするならば、これから船岡山公園で起こりうる近未来というか、どんなことが起こったら素敵だなと思っていらっしゃいますか。 |
■エピソード3 公園の仕組みづくり これからのこと |
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●公園内にキッチンカーを出したいけれど… | |
岡: | 今まず進めていること、ハード的な事でもソフト的な話で言うと、どうやったら公園を使えるかという仕組みづくりをどんどん進めて行っています。公園を使いたいけれども、どう使ったらいいかわからないという声がたくさんあると思うんです。 例えば「公園の中にキッチンカーを出そうと思ったら、そういった申請がいるの?」という疑問があると思うんですけど、通常やろうと思っても、公園内で営利目的の活動はできないんです。それをしようと思っても、まずできないということに対して、今、社会実験中ということもあり、我々と一緒に組むと公園の中で色々な営利事業ができるというように、要は公園がただ公園という場ではなくて、色んな商いとか、生活の源をつくる場にできるということです。そのための導線づくりみたいなものをしていて、これまでなら二週間くらいかかる申請を、三日程度で出せるような実験的な運用を始めています。 そうすると「明後日の天気が良いから、この辺りにお店を出してみようね」みたいなことを、まずはキッチンカーを皮切りに、次のステップは“小商い”と枠を広げていって、少しずつ公園の中で何かができる状況をつくっていくという仕組みづくりを今始めています。 |
絹: | 面白い!今津さんの口から今のところに補足はありますか? |
●公園を開きたい ― 地域の皆さんと一緒に |
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今: | 岡山はそういう枠組みや面白い企画をどんどんやっていく人なんですけど、僕の方からは今まで4月5月6月と第3日曜日に公園開きのイベントのようなことをさせていただいているんですけど、船岡山公園は楽只学区と紫野学区の本当にすぐそばにある公園なので、そこで暮らしているお父さんお母さんとか、おじいちゃんおばあちゃんとか、色んな方が集まってこられます。 そういう方々は公園をもっと良くしたいとすごく思っていらっしゃって、でもどういう風にして関わったら良いのか、今まで思いはあるけど、実際に自分たちが公園を良くして行けるとはなかなか思えなかったわけです。でも一緒になってやっていこうという方々がたくさんいらして、それがすごくうれしいなと思いますし。僕たちは事務所を貸してもらって、そこの公園を開こうとしているんですけど、地域の皆さんと一緒に頑張っていきたいなと思っています。 |
絹: | 今津新之助さんの口から大切なキーワードが語られました。今、私の耳に残ったのは、公園を開いていきたい。“住み開き”という言葉があります。自分の家を自分の家族だけで住んでいるのではなく、ある時間を限って、玄関先を開けたり、縁側に人を招いたり、はたまた一番簡単なのは玄関の脇にベンチを一個置いて、夏の暑い時に麦茶のポットを置くだけ。それでも“住み開き”になります。要は「来ないで」じゃなくて、「来てもいいよ」と。 そして今津さんのコメントの中でもう1つ大事だったのは、「公園を近所の人たちがもっと良くしたい思いがあって、相談する先やどうしたらいいのかわからなかった」そういう人が寄ってきて知恵を拾うというソフトを、この方たちは丁寧につくりこもうとしていらっしゃるフシがあります。 実は船岡山公園の近所に知り合いがいるんです。“小商い”という岡山さんが語られたキーワードに関してですが、就労支援施設で作るような手芸品とかがあるじゃないですか。「絶対“小商い”の所にそういうのを入れることを考えて」ともう既にリクエストされています。80歳のおばあちゃまがね。 |
岡: | ありがとうございます。 |
絹: | そういうことを相談する先が、チャンネルとして船岡山公園の元の公園管理事務所に、Studio Monaka の拠点として開かれていくということです。何か言い残したことで、一言ずつ言いたいというのはありますか。 |
●船岡山公園、ぜひ見にいらしてください 何か変化が起こっていますよ… |
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岡: | 公園の中に“小商い”の場であったり、倉庫の場所をこれから“小商い”の挑戦場にしたり、建物の中を少しずつコワーキングで使えたり、一般的な人が使えるように準備をしています。これからリースをしていきたいと思っているので、公園にちょこちょこ遊びにきてもらうと、日々変化が起こっていくので、もしよかったら「何をやっているのかな」という感じで船岡山公園に遊びに来てもらったら、とてもうれしいなと思っています。 |
絹: | それを許される場所のような運営をされていくつもりでありますね。 |
今: | 日々、皆さんと一緒に公園を良くしていければなと思っています。今日は絹川さんがすごくわかりやすく僕たちの言葉を開いていただいて(笑)、とても楽しかったです。ありがとうございました。 |
絹: | リスナーの皆さん、いかがでしたか。船岡山公園で若い人たちがフラット・エージェンシーさんと共に、京都市と共に、ワルダクミを仕掛けて行っていらっしゃいます。ぜひぜひお訪ねください。そして第3日曜日、公園開きのイベントが着々と仕掛けられているようです。 この番組は心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクト、そして我らが京都市景観まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。岡山さん、今津さん、ありがとうございました。 |
両: | ありがとうございました。 |
第177回 ・賃貸住宅の行方~空き家研究の専門家 井上えり子教授来たる!
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井: | 井上 えり子 氏(京都女子大学 家政学部 生活造形学科 教授 博士(工学)) |
絹: | 絹川 雅則(公成建設株式会社) |
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(井上 えり子 氏) | |
絹: | 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。 この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソードをお伝えしております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。 さて、今日のゲストのご紹介であります。大学の先生です。リスナーの皆さん、「女坂」ってイメージできますか?京都女子大学からお越しいただきました。京女の家政学部生活造形学科教授、工学博士でいらっしゃいます。井上えり子教授です。いらっしゃいませ。 |
井: | こんばんは。井上です。よろしくお願いします。 |
絹: | 先生のプロフィールを頂いておりまして、専門領域は建築計画・住宅計画となっています。都市部の空き家問題や団地における住戸リノベーションの設計手法などにお詳しいとお聞きしました。先日、番組の打ち合わせに久方ぶりに京女に足を踏み入れて、女の子ばかりなので、目がクラクラ致しました(笑)。 私と先生との出会いは、だいぶ前になると思うのですが、東山区において空き家調査を地道に続けていらっしゃる研究者の方がおられ、井上えり子先生とおっしゃるということを友達から聞き及んでおりました。当時は東山区における空き家率は、向こう三軒両隣のうち、必ず一軒以上(22%プラスアルファ)は空き家だという事実を聞いて、愕然とした覚えがあります。そういう調査を、今もなおやっていらっしゃる井上えり子教授です。よろしくお願いいたします。 |
井: | よろしくお願いいたします。 |
絹: | さて、今日の切り口ですが、どのあたりから参りましょうかということで、この番組はヘビーリスナーの方はよくご存じなのですが、人づかいが荒い(笑)。別名ゲストづかいが荒いとも言います。今までゲストにタイトルコールをお願いしたことはなかったのですが、ちょっとお願いできますでしょうか。今日の番組タイトルとテーマを、先生のお口からどうぞ! |
井: | はい(笑)。タイトルは「賃貸住宅の行方~空き家研究の専門家 井上えり子登場!」です(笑)。 |
絹: | 本人に言わせてしまうか(笑)。今日のテーマは「賃貸住宅の行方~空き家研究の専門家 井上えり子教授来たる!」と題してお送りいたします。 さあ、何がこれから語られるのでしょうか。きっと皆さんのご存知のない事実が少しずつ明らかにされると思います。私も興味津々です。 |
■エピソード1 僕が知らないでびっくりしたこと |
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●実は賃貸集合住宅の空き家率が一番高かった… | |
絹: | 賃貸集合住宅における空き家、それから戸建て住宅における空き家、京都市の色んな行政体も「空き家が増えて大変や!どないしょう」とおっしゃっていますが、「実はエアポケットのような所があるのよ」と先ほどおっしゃっていただきました。そのことから口火を切っていただきましょう。 |
絹: | エピソード2は、以前はURで10%くらいの空き室率だったのが、だいぶ空き室が減って来た現象の立役者のお1人が、ここにおられる井上先生かもしれないというお話です。これはなぜなのでしょう。「京女×UR」というプロジェクトを、京女の方々とURが一緒になさっているとお聞きしました。今年で10年ですか? |
井: | 10年目です。 |
絹: | それも実証フィールドと言うか、活動領域は洛西ニュータウンであるとのことです。ちょっとそこへ触れていただけませんか。 |
井: | URの事をご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、昔は住宅公団とか、住都公団とか言っていたところで、今は賃貸しか扱っておりません。賃貸を管理するのが主な仕事で、洛西ニュータウンに4団地持っているのですが、以前は10%程度の空き室率がありました。それを学生が若い人向けに住戸をリノベーションする、設計し直すということで、空き室を減らすという活動です。特にURが持っているような団地は、古い団地にありがちな中層のエレベーターのない(階段室型というのですが)、5階まで階段を歩いて昇っていくという団地なんですね。 |
絹: | そうですねえ。何か昭和の匂いがプンプンする、エレベーターなし、中階段みたいな感じの。 |
●空き室率、3%まで下がりました |
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井: | ですから4階、5階の空き室率が特に高いわけです。高齢者だとなかなか入って下さる方がいらっしゃらないので、若い家族をターゲットにして、若い学生がそこを設計するわけです。そういう若い家族が入りたいと思いそうな間取りを設計して。そこがだんだん空き室率が減ってきていて、たぶん今3%くらいまで下がっているとお聞きしました。 |
絹: | 皆さん、聞かれました?今さらっとすごい数字が語られました。以前、URの洛西ニュータウンの4団地では10%あった空き室率が、京女×URプロジェクトにおいて、学生さんたちが若い人が4階や5階に入りたいと思えるようなリノベーションの設計をして、10年で3%台に下がったと。 |
井: | ただ学生が設計したものはだいたい100戸くらい供給されているのですが、そこだけだとそんなに下がらないのです。若い家族向けに学生が間取りを考えると、広いリビングだったり、1つひとつの空間が割合大きめにゆったりつくるんです。若い家族はそれを見て「あ、素敵!」と思ってくださるのですが、ある程度年代が上の方は、「暖房費が高くなるんじゃないか」などとおっしゃる場合がある。私はそういう方には「そうですよね。URさんのこれまでの間取りは、学生が設計したほど華やかではないけれども、そこは満たしていると言えます。ですからそういう方はそちらに入られたらどうですか?」と言って、URさんのこれまでの間取りも埋まっていくみたいな感じですね。 |
絹: | なんか好循環が生まれていくみたいな。 |
絹: | 実は僕もちょっとそれをつかんでおりまして、京都市の都市計画局の住宅室の連中、最初に僕がキャッチしたのは田中宮市営住宅の事例でした。地元の自治会の会長さん、たぶん僕と同じような60ぐらいのおじいさんが、「龍谷大学が近いし学生さんが来てくれたらいいのにね」とつぶやかれたのを京都市の住宅室の人が丁寧に拾ったわけです。結果、龍大の学長さんと京都市長が握手することになりました。龍大の学生さんに3年間にわたって低家賃で田中宮市営住宅に入ってもらって(たまたまそこの学生たちの多くが公共政策の連中だったこともあり)、「学びはキャンパスの中だけじゃないよ」とばかり、自治会活動に参加してもらったり、例えば小学生の集団登下校の見守りや、夏祭りのお手伝いをしながら地域を学ぶ。彼らは自治会活動にすごく力を発揮して、成功裏に推移しているという3L APARTMENTプロジェクトという事例(第165回放送参照)です。 |
●障がい者グループホーム - 向島ニュータウン 洛西ニュータウン… |
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絹: | 向島ニュータウンで、愛隣館という障がい者福祉法人のグループホームが空き室で運営(第166回放送参照)されたというのが、確か僕が知った第一号事例でした。第二号事例が洛西ニュータウンでも間もなく発進するらしいです。障がい者グループホームで、それもリノベーションです。 京都市やるな!!と実は思っていまして、頑張れと応援しています。ちょっとずつそうやって、京女×URのようなものを市営住宅や府営住宅でも似た軸線上でリノベーションして、空き室率を減らしていこうという人たちは行政の中にもおられるみたいですね。 |
●丁寧につくれば100年もつはずなんです |
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井: | 団地のハードな部分が40~50年くらいでダメになるという思い込みもあったのですが、調べてみるともう少し寿命が延びそうだというふうになってきたんですね。ですのでリノベーションして、もうちょっと長く使おうというような流れにだんだんなってきているかなと思います。 |
絹: | 工学の専門家が言われるのでこれは確かです。私も本職は建設屋ですので、我が家でやった実験住宅(愛称:センテナリオ)は、13家族によるコーポラティブタイプの5階建て住宅です。建設会社であり企画者の私は、100年から120年はもたせてみせますと豪語していますから(笑)。 |
井: | ちゃんと丁寧につくれば、本当にそういうふうにもつんですよね。 |
絹: | RC(鉄筋コンクリート造)のコンクリートの住宅でも理想的に設計・施工を丁寧にすれば、100年120年もつんです。公営住宅は50年しかもたないという思い込みは少し捨ててもいいんじゃない?というトライアルが始まっているんですね。何かちょっとうれしいなあ。 |
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(センテナリオ:絹川の自宅を含む13世帯の実験住宅) | |
■エピソード4 賃貸住宅の行方 |
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●これからは賃貸住宅の時代? |
絹: | さて、先ほども申しましたが、18年前に私は自宅の土地をもとに、実験住宅をつくりました。まだ40代でしたので理想に燃えて、自分で共同住宅をつくるなら向こう三軒両隣の関係性を持ちたい。顔も知らない、あいさつもしないなんてのをつくってたまるもんかと考えたわけです。その理想とするところは、ご近所さん付き合いが自然に生まれて、助け合いが生まれたり、子育て支援が生まれたり、「実家からみかんを送って来たし、お裾分け」みたいなのが当たり前に起こるような、そんな建物群なんですね。 公営住宅、賃貸住宅の行方でそういうふうなものって、流れとしてできませんかというのが、私の問題意識なんですけど、先生はそのあたり、どう思われますか? |
井: | まずそもそもこれだけ空き家問題が深刻化してくると、多くの人が空き家所有者って、結構責任が重くて、「維持管理していかなければいけないんだ」となってくると思うんです。そうなってきた時に、それってちょっと大変だから持たなくていいんじゃないかという選択肢が出てくるだろうと。つまりこれからって、賃貸住宅の時代なのではないかと私は思っているんです。 |
絹: | かつては自分で家を持ってこその一人前というような、昭和の時代がありましたが、先ほど先生とお話していたのですが、若い人たちは車すら持たないよねと。シェアリングエコノミーというんですか、お墓だって海に散骨したり、タワーマンションみたいなお墓だってあるよと。 |
●もっと賃貸住宅のバリエーションが増えるべき |
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井: | ただ賃貸住宅に行きたいという人が多くなったとしても、今ある賃貸住宅の形というのは、これまでずっと持ち家政策を国が取って来たので、一時しのぎの住宅と言いますか、とりあえず住んで、最終的には持ち家みたいな感じで提供していることが多かったので…。 |
絹: | 期待される、本来持つべき賃貸住宅の性能、あるいは居心地の良さ、楽しさ、安心感みたいなものが、専門家の目から見てちょっと足りないんじゃないのと。 |
井: | 足りないと思います。ですから、これからもっともっと賃貸住宅のバリエーションが増えていかなければいけないと思っているんです。それは間取りとか広さもそうですけど、もう1つはサービスとして例えばサブスク的な毎月同じ金額を払えば、あちこちに住めますよみたいな。最近そういうサービスが出てきていいるんです。 |
絹: | 多拠点居住ですね。ノマド(旅人)のように、若い人があちらこちらで仕事をしたり、生活をしたりするというパターンですね。 |
●アドレスホッパーと呼ばれる人々 |
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井: | そうです。私はその住宅のサブスクに興味を持っていて、ゼミでこの話を学生にしたら、学生はむしろ実際にそういうライフスタイルの人の方に興味があると言って、去年卒論でそれを調べたんです。 |
絹: | いよいよ来ました!そこを聞きたかったです。 |
井: | アドレスホッパーと最近は呼ばれている人たちなんですけど、その人たちが利用するサービスの中で、アドレスという会社があって、そこの人たちが結構地域とのコミュニケーションと言いますか、地域と繋がりを持ちたいと思っている方たちが多いということがわかりました。どうしてなのかと思ったら、その会社は「家守(やもり)」という制度があって、その家守という管理者みたいな方が利用者と地域をつなぐような役割をするという制度だったんです。ですから多拠点居住と言うと、何か旅人のように来て、無関係に去っていくみたいな、地域に根付かない人というイメージですけど、彼らはそうではないということが調査でわかって、興味を持ったんです。 調査ではすごく彼らが社交的な性格で、地域の人たちともどんどんコミュニケーションを取っていくようなタイプの人たちなので、「元からそういう性格ですか?」という質問をしたら、「実は元はそうではなかった」という人が結構多くて、「じゃあ、どうしてそうなったのか?」と聞くと、「家守の人と接するうちにそうなった」とか、「アドレスを利用している他の利用者と接しているうちにだんだんそうなった」ということだったんです。 |
●コミュニケーション能力は育つもの |
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井: | 私がそれで学んだのは、コミュニケーション能力というのは、生まれながらのものではなく、育つんだと。学べるんだと。それが一番の調査の中での私の学びでした。 |
絹: | このお話を聞いた時に、私はすごく興奮をいたしました。先生の一番初めの仮説は、「ノマド的に多拠点居住をする人は人づきあいが苦手な人じゃないか?」という思い込みがあったけれども、学生の卒論を呼んで、討論をして、全く違うことに気が付いたとおっしゃいました。「家守」、どこかで似たようなシステムがあったような…。そうだ、ユースホステルに何かそういうお節介なおじさんやおばさんがいて、そういうところで若い人が訓練を受けて、進化していくみたいなのにちょっと似ているなと思いましたね。 |
井: | なるほど。私、実はそういう人たちは地域の中にもいると思うんです。今、なんとなく町内会って、行政の下請け機関みたいな感じで、色んな役があって、それをやらなきゃいけないと必死で、それ以外のことができないですけど、その役がもっと減ったら、地域の中のそういう世話好きな人が、若い人を育てたりといった余裕が出てくるんじゃないかと思うんです。 |
絹: | 色んな所にある空き家をお世話する「家守さん」みたいな地域のお節介さんが、スポットライトを浴びて登場して来たら、京都の色んな問題点が解決しちゃうかもしれないですね。 |
井: | 何かそういうことがあるんじゃないかという魅力が、そのアドレスという会社の家守さんたちにはあるなと感じました。 |
絹: | 非常に面白いところに来ました。またこの続きは何度かシリーズ化したいと思います。リスナーの皆さん、空き家、賃貸住宅の行方、空き家の専門家語る!の回でした。京女の井上えり子教授ありがとうございました。また来てくださいね。 |
井: | ありがとうございました。また是非お呼びください。 |
絹: | さよならあ。 |
第176回 ・どうして国政へ?~吉井あきらさんの思いとは…
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吉: | 吉井 あきら 氏(京都府参議院選挙区支部長・京都市会議員) |
絹: | 絹川 雅則(公成建設株式会社) |
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(吉井 あきら 氏) | |
YouTube動画URL:https://youtu.be/nOHYq6uE5lI |
絹: | 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。 この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソードをお話しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。 さて、本日のゲスト紹介です。我がチョビット推進室としては、初めてのジャンルのゲストのご登場です。現、京都市会議員。要は、議員さんですわ。京都市の市会議員で、吉井あきらさんという男前の先生がいはります。何故か「吉井あきらさんにお話を聞いてみよう!」と思い立ちまして。心臓強お、今日は呼んでしまいました。では、吉井あきらさんです。お声をひとつどうぞ。 |
吉: | はい。皆様こんにちは。吉井あきらでございます。今日はちょっと緊張しています。よろしくお願いします。 |
絹: | でも吉井さんは「前にもこのスタジオで別の番組出たことあるよ」と言うてはります(笑) |
吉: | そうですね(笑) |
絹: | よろしくお願いします。 |
吉: | よろしくお願いします。 |
絹: | それでは吉井さんのプロフィール、資料に基づきちょっとだけご紹介いたしますね。お生まれになったのは、昭和42年。僕は昭和33年ですから、ちょっと僕の方が上です。山科区でお生まれになって、山科幼稚園。どこかで聞いたことがある幼稚園です。 |
吉: | あ!ありがとうございます。 |
絹: | え、うちが建てた幼稚園! |
吉: | ええ!そうなんですか(笑) |
絹: | 西念寺さんですよね。白旗先生ですか。そして山科幼稚園から山科小学校へ。安祥寺中学校時代には野球に励み、中学卒業後、父親が働かれるゴルフ練習場にてゴルフに打ち込む。さっきお話してた、洛東産業さんの大野木先輩のところでやってはった。 |
吉: | はい、やってました。大変お世話になりました。今でもお世話になっています。 |
絹: | 高校時代には、日本ジュニアゴルフ選手権に出場された。洛南高校。今、洛南高校ってごっつ難しい高校になったんちゃいましたっけ。 |
吉: | はい、今はね。私の時はそないに……(笑)頑張ってくれてます。 |
絹: | 洛南高校をご卒業後、京都産業大学経営学部に進学。ゴルフ部主将として、プロゴルファーを目指してはった。そりゃあええ体してはりますもん! |
吉: | ありがとうございます。親に感謝です。 |
絹: | ゴルフ練習場で、アシスタントプロ活動。その後、ティーチングプロライセンスを取得。というようなプロフィールです。その後、政治家さんとしての続きを読みますと、平成13年は京都府第二選挙区支部長の山本直彦氏の秘書として、政治の世界にお入りになった。そして、平成17年衆議院の総選挙で山本朋広衆議院議員の当選後、公設第一秘書として活動を続けられ、平成19年統一地方選挙にて、山科区選挙区より京都市の市会議員に当選なさって以来、連続四期当選を続けてらっしゃるという方です。お母様、奥様、ご子息3人の6人家族。趣味はゴルフ。当たり前ですよね。ライセンス持ってはるんだもん。それからサッカーもお好きです。わあ、羨ましいな。身長185センチ、体重85キロ。私95キロです。 |
吉: | 体重は、今はかなり増加しています(笑) |
絹: | 増加していますか(笑)これにて、プロフィールのご紹介を一旦閉じさせていただきます。番組のタイトルとテーマを今日、リスナーのみなさん、どうしようかなあと迷ったんですけど、勇気を振り絞ったタイトルにいたします。聞いてください。番組タイトルを申し上げます。「どうして国政へ?~吉井あきらさんの思いとは…」と題してお送りいたします。ちょっと変えようかな。「どうして国政に行かれるんですか?どういう思いですか?」それだけ聞きたくて、今日お呼びしたようなもんでございます。ということで、まずエピソード1から入らせていただきます。 |
■エピソード1 我が国の歴史と伝統を胸に自分たちの国は自分たちで守る |
絹: | 質問の一発目、第一問でございます。手元資料の中で、あるいはホームページでうたってらっしゃる吉井あきらさんの理念の中に「ああ、いいな」と思うものがあったんです。『我が国の歴史と伝統を胸に自分たちの国は自分たちで守る』というのを、黒々と太字でまず入れてくれてはるんですよ。これわたし、すごく嬉しくって。まず、ここから口火を切っていただけないでしょうか。以前だったらね、選挙の時にこういう国防とかこんなことを言うと、票を減らしたりして。政治家さんは避けて通ってはった話題で、日本のことが大好きな人たちや、日本っていい国やな、という人たちからは、なんやそういう行動パターン取らざるを得ないのはのは分かるけど、ちょっと残念やなって思ってたおじさんおばさんがいたんちゃうかなーって思ってまして。このへん、吉井あきらさんの言葉で語り始めていただけたら嬉しいです。 |
吉: | ありがとうございます。『自分たちの国は自分たちで守る』というここの部分、まさにロシアがウクライナに侵攻する前から書いていました。今ね、ロシアがウクライナ侵攻ということで、本当にテレビの映像で多くの方が被害に遭われて、また子どもたちが被害にあってるのを見て、本当に胸が痛むんです。ただ一方で、祖国を守るために戦っている兵士たちもいると。国を守る、祖国を守るということの意味を本当に考えさせられますし、本当に改めて国を守ることっていうのは、今こそ真剣に考えていかなければならないという風に思っています。 |
絹: | リスナーの皆さん、こういう発言をすると議員の方々にとっては、損になってしまうかもしれない。自分の存立基盤を危うくするかもしれないということに対して、こうやって発言してくれる方っていうのは大事に思いませんか?議員先生の中には、自分が当選するためだけに動いてはる方もいるや否や……ですが、吉井あきらさんはそういうタイプじゃなさそうですよ。ということで、口火を切っていただきましたけれど、本当に私は地元の建設屋の親父でございまして、政治には疎いんですけども、安全保障って専門の先生の話を心して聞いていると、実は難しく考えなくてもいいのかもしれないと思うんです。例えば、奥さんやガールフレンドと一緒に歩いていますやろ。「おい姉ちゃん、俺に付き合えや」と変な行儀の悪い連中に絡まれた時に、男やったらどうするんですか?という話でしょ。そのときに、憲法9条が尊いとおっしゃる方々は「憲法9条って唱えればみんな退散される」というようにすごい翻訳かもしれないけれど、実感としては僕はそういうふうに感じてまして。そのへん、どうなんでしょう。学校でも習わへんかったし。 |
吉: | ちょっと話がそれるかもしれないんですけど、例えば、投票率が低いとよく言いますよね。もっともっと選挙管理委員会や区役所が車を回して投票率を上げろ、と。そんなん上がるはずがないですよね。厳しい。選挙があるというのは伝えられますけれど、やっぱそこは私自身、教育でしっかりと子どもたちに、今でも少しは教えてますけど取る時間が少なすぎて、我々の時代でもどれだけ自分自身の1票が大切かというのは教えてもらってなかったという風に思うので、いかに教育が大切かっていうことが今すごく分かりますし。 |
絹: | 学校時代ね、例えば日本史の歴史のことを思い出すとね、縄文・弥生あたりから始まって、近現代史とか勉強する時間がなかったじゃないですか。あれは、教育の中に日本の周りのお国の、行儀のいいところばかりじゃないと思うけど、前の戦争のこと、前の前の戦争のこと、あんまり考えないように考えないように、難しいことは避けてきた教育の歴史やったんちゃうかなあと僕自身がそう思っています。大人になってから勉強して、やっと分かるみたいな。 |
吉: | そうですね。先ほど絹川さんが仰った、誰かと2人で歩いていて、もし絡まれた時に守れないじゃないかと。おっしゃる通り。逆に、夜寝る時、鍵戸締まりしますよね。それは、やはり寝てる間に誰かが入ってこないように。同じことだと思いますし、自分の家族は守っていく。それはもう国としても同じだと思う。だからと言って、日米安全保障の部分がある中で、極端なことは私自身は言うつもりはないんです。けれども、その中で現実問題、コトが起こった時、今の状況で本当に国が守れるのかと。政治はやはり先を見据えてやっていかなあかん部分と、現実を踏まえてやっていかなあかん部分があるので、その部分はしっかりと考えながら進めていかないと、と思いますね。 |
絹: | 触れにくい拉致被害者を取り戻す、ということもちゃんと言っててくれますね。 |
吉: | そうですね。日本国の中で、なんの罪もない方がいきなり拉致をされて、違う国へ連れていかれる。我々自身、やっぱりどこまで行っても他人事のように感じてる部分があるのではないかと。「すぐ取り戻してほしい」っていうのは、自分の子供がそういう状況になれば、そう思われると思うんですよね。じゃあ日本国として何ができるのか。今何をやらなければならないのか。そういったことを考えた時に、今の日本の国防の状況、これでいいのかどうかっていうのありますよね。 |
絹: | かつて自衛隊の方々が、自分が自衛隊員であることを、例えば制服着て外に出かけられないとか、転勤をしても住居が見つけにくいとか。転校を子供さんにさせたくても、なかなか学校が受け入れないとか。偏ったいじめに類するようなことも見聞きしたことがございまして。でも最近、災害が多発するようになって、自衛隊員さんにいかに助けていただいているのかということを、腰まで泥に埋まって救出されている陸自の方の映像とかも届くようになりましたから、評価は変わりつつあるけれども、先ほどのガールフレンドの例え話や自宅に泥棒・強盗が入った時の例え話、我が国の自衛隊員に与えられている枠、足枷、腕枷によりますと、誰かがぶん殴られたり、大怪我をしたり、はたまた殺されたり、命を失ったりして、初めて培った訓練の防衛が使える、道具が使える、武器が使えるという、信じられないようなことをずっと知らされずに、どうやら来ていたように今は感じているんですよね。 |
吉: | 絹川さんの仰る通りで、どこかでお話しさせてもらったことなんですけど、昔ストーカー殺人ってありましたよね。当時は警察も動いてましたけど、基本的な警察の考え方は「民事は不介入」だと仰っていました。でも、ストーカーによって亡くなられたということで、そこで変わったんですよ。仰るように、亡くならないと変わらないという悲しい現実があって。北朝鮮からミサイルが発射されている。これも今、たまたま被害が出ていないだけかもしれない。もし被害が出たときを思うと、如何ともし難いですよね。 |
絹: | あの、いきなり初っ端からしくじったかなという重たいクエスチョンを投げてしまいまして、申し訳ありません。 |
吉: | いえいえ(笑) |
絹: | でもね、我が口からそういう問いが出てきたってことは、本心でずっとそれを思ってて。私のような一般素人でもこういうことを口にすると、周りから石が飛んでくるんじゃないかという、怯えの部分がかつてはあったんです。若い頃、同級生たちと酒を酌み交わしてそういう話をして「なんとかせなあかんちゃうか!」と言ってたけど「おい絹川、外でそんなこと言ったらあかんよ。変人だと思われるぞ。」と。でも、状況変わってると思いませんか?最近は。 |
吉: | 仰る通りですね。 |
絹: | 中国の日本の主要都市へのミサイルのロックオン状態は、常にもうスイッチ押せば自動的に壊滅出来るような戦力・装備をお隣さんの大国はお持ちになっていて、というのとあまりにもアンバランスやなあと思っていて。北朝鮮からのミサイルがボチャンと東側の海に落ちても、知らんうちに慣れてる自分たち… |
吉: | そうですね。島国というのもあるかもしれないですね。 |
絹: | 特に我々のような高齢者は、テレビと新聞がメインの、それらのメディアをオールドメディアと仰る方の言い方を採用しますけど、オールドメディアの方々の発信することがいかに偏っているかということをご存じない方がまだかなりおられる。ひょっとしたら、私もミニメディアのコミュニティFMで発信し続けるのも、そういう思いが背景にあるのかもしれません。こういうところでしたら、実際に吉井さんのように議席を以て活動されている方の生の声を、少なくとも京都市民・舞鶴市民に届けられる。ここでね、刻一刻と変化する国際情報に対応する外交安全保障大事ですよね。再構築をやりたいんやと、国民の声を聞きながら、俺は憲法改正を進めるぞ!って書いてくれてはるんです。これは、一票でしょう!と思う一人です。こういうことを発言すると、抵抗する方がまだまだおいでになられますけど、ぜひ躊躇わずにお進みいただければなと期待いたします。 |
吉: | ありがとうございます。憲法改正もするのかしないのか、ということは最後は国民が決められるということなので、極端なことは言うつもりはないんですけども、私が思うのはいろんな選択肢といいますか、憲法改正も含めて議論をしていくことっていうのが非常に大切であると思います。今回のロシアのウクライナ侵攻っていうのも対岸の火事ではないと思います。 |
絹: | そうですよね。いつも9条、9条、9条って皆さんが騒がれますけど、でも自民党案の憲法改正の草案というか、正確な呼び方は分かりませんけども、そこに自衛の行動は妨げない!ってやつ入れましょ!っていうのがありましたよね。我々は侵略は絶対にしない!と。隣の家まで泥棒に入ったり強盗に入ったりは絶対にしないけど、入ってきたらあるいは入ってくるそぶりを見せたら、防衛行動・自衛っていうのが一家の長の務めやんか!というのを入れましょうか、というのを言ってくれてはりますもんね。 |
■エピソード2 秩序ある資本主義社会の構築とは |
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絹: | それでは、次の「秩序ある資本主義社会の構築」。これは、秘書の山本さんから「触れて」って言われているんです。 |
吉: | (笑)ありがとうございます。 |
絹: | ちょっと触れていただけますか? |
吉: | はい。ここ30年ぐらいでしょうかね。やはり、ずっと見てますと世界の成長率ってだいたい平均GDP2.39倍くらいです。アメリカ2.4倍。中国の14倍っていうのは正しいかどうか分からないですけど、今話題のロシアは4倍、韓国2.5倍。日本を見るとどうなのかというと、日本だけが主要国の中でマイナスという形なんですね。日本だけ見ると、マイナス。どこにどう原因があったのかという。今かなり財政の部分は、国会の中で、自民党の中でも、議論をされておるんですけども、財政規律のそこの部分を先にやっていこうということが念頭にあった上で予算を組んできてたという部分でなかなか難しい。私自身は、これまで民間でできることは民間に。あらゆる部分においてそういう形でやってきましたけれど、需要がないのに供給という民間の方が、そこには行かないですよね。需要があって初めてということなんで。だから海外もそうなんですけど、今厳しい状況であれば、デフレから脱しきれない状況であれば、国がしっかり手当てをしていくと。そこから持って行って、予算は単年度ですけど、長期の計画を立てていく。そこに民間の方が乗っかって計画を立てていくという循環が必要なんじゃないかと思っています。 |
絹: | キーワードは積極的な財政出動。行うべく時にはやる。成長分野に向けた大胆な投資はやろう、という。旧大蔵省か。財政規律原理主義とは私はちゃうで、と言うてはるように私には聞こえました。ということは、西田昌司先生のお仲間ですね? |
吉: | (笑)。MMTですね。現代貨幣理論。あのことがどうのではなくて、25年30年の経過・結果を見て、これまでの進め方は間違っていたと私は思いますし、転換していくべきだと思っています。 |
絹: | 財務省の方々がレトリックでお使いになる国民一人当たりの借金がいくらいくら、という恐ろしく間違ったレトリックを西田先生も噛みついてはりますが。省益あって国益なしということの典型例かもしれませんね、思っているのは私だけ?って。すごく大切なことなんですけれども、吉井あきら先生が仰ったように25年30年の実績を見ると、他国、中国は別にしてGDPを見ると、なんでこんなに差が出るの?舵取り間違ったに決まってるやんっていう簡単な言葉で誤解を恐れずにひらがなで言ってしまうと、そう言ってしまってもいいのかしら。 |
吉: | 仰る通りですね。私自身は国力が弱っているということで、国防という部分にまで全て響いてきますし、ここの部分はね、なんとしても転換していかないと日本が今のままでは沈没してしまうと思います。 |
絹: | そうですよね。そういう風になったときにお喜びになったり、ニコッと笑われるのは、ご近所のあまりお行儀がよろしくないご近所さんだったりするのかな。だから日本が弱くなる方向に一生懸命働いている人たちがいてはるとしたら、そういう人に代わって吉井先生みたいな人が中央に行っていただいたらって。「どうして国政?」ってこっちから聞いてるのに、先生の思いを勝手に言ってしまってはいけませんでしたね。 |
吉: | ありがとうございます。 |
絹: | ああ、あともう1分半… |
吉: | おお、一瞬で時間が経ちました… |
絹: | ごめんなさい、進行が下手くそで… |
吉: | 違います!私が喋り過ぎちゃって。 |
絹: | いいえ、とんでもないです。最後に!柔らかい話を一発。お休みの日、なかなか取れへんと思いますけど、何をしてはりますの? |
吉: | 最近は全然休みがないんですけど、コロナになって、夜もほとんど会合がなくなって、食事を家で食べることになって。ほとんど外でご飯だったんですけど、家で食事をすることがあって。 |
絹: | ひょっとして料理? |
吉: | そうですね、家内にはちょっと負担かかってたかもわからないけど食事をする。一方で、少ない休みの中で、これもコロナでということなんですけど、家内とウォーキングに行きました! |
絹: | 羨ましい!リスナーの皆さん、吉井あきらさんのひととなりをお伝え出来たでしょうか?この番組は心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクト、そして京都市景観まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。吉井さん、またきてくださいね! |
吉: | またよろしくお願いします!ありがとうございます! |
絹: | 時間切れです!さようなら! |
第175回 ・子ども食堂からグループホームへ~まだまだ模索中 子ども食堂・どんげねの挑戦
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盛: | 盛武 政裕 氏(天ぷらや 笑人 Wa-Road 笑主) |
さ: | 盛武 さゆり 氏(天ぷらや 笑人 Wa-Road 女将・夫人) |
絹: | 絹川 雅則(公成建設株式会社) |
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(右:盛武 政裕 氏 左:さゆり夫人) |
絹: | 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。 この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。 さて、本日のゲスト、ご夫婦をお迎えしております。皆さんは山科の土地勘はありますか?京都市山科区の日ノ岡の交差点の近所に天ぷら屋さんがあります。その名も「笑う人」と書いて「わろうど」。「てんぷら屋笑人(Wa-Road)」。普通は店主と言うのですが、ここでは「笑主」と書いてあります。盛武政裕さんです。よろしくお願いいたします。 |
盛: | 僕からなんですね(笑)。どうも、初めまして。初めてのラジオの収録ということで、珍しく緊張しておりますけれども。よろしくお願いいたします。 |
絹: | 次はその奥さま、盛武さゆりさんです。同じく「てんぷら屋笑人(Wa-Road)」。ホームページを見たら、口だけ番長(笑)&女将と書いてあります。 |
盛: | 結構激しめですけどね(笑)。 |
絹: | さゆりさん、よろしくお願いいたします。 |
さ: | はい、よろしくお願いいたします。口だけなんですけど、他にも色々就労支援の事業所「すぴん」もやっております。今日はお願いいたします。 |
絹: | 口だけ違うやないかい!と、言いたくなりますね(笑)。 ということで、リスナーの皆さん、京都にはこういう凄いことをしているご夫婦がおられますよというのが、今日の番組の趣旨です。おいおいと紐解いてまいります。 今日の番組タイトルをまず、申し上げておきましょう。「子ども食堂からグループホームへ~まだまだ模索中 子ども食堂・どんげねの挑戦」と題してお送りいたします。皆さま、どんなお話が飛び出しますかご期待下さい。 ゲスト紹介、もうちょっと深めたいので、笑主の盛武政裕さんに質問です。パートナーであらせられる盛武さゆりさんとは如何なる方ですか、短く述べよ。 |
盛: | 簡潔に言うと、生命力と生活力に溢れた人。まあ無駄のない、すごい生き方をされる方でね。知っている人はその通り!と思うと思います。まあ、グイグイいかはります。 |
絹: | では奥さまの盛武さゆりさん、御主人、笑主の盛武政裕さんとはいかなる人物ぞ、短く述べてください。 |
さ: | 気性が激しいんですけど、とってもわかりやすく心根は熱き男やと思っています。また歌が好きなもので、ライブとかも精力的にやっていて、趣味にも生きていますという感じです。 |
絹: | はい、ありがとうございます。確か九州男児です。「どんげね」という子ども食堂の愛称は、九州のどの地方の言葉でしたか。 |
盛: | 僕は生まれが宮崎なんです。宮崎でも北と南と西と東では結構方言がバラバラなんですけど、僕の生まれ育った宮崎市では「どんげね」というのは、こちらでは「どない?」という声掛けの時に、「元気か?」とか「ご飯食べてるか?」とか、そういう優しい声掛けなんですね。 |
絹: | 「調子どう?」みたいな。 |
盛: | そうそう。だから例えば親戚の家に行って、「どんげね?」と言うと、「うん、がんばっちょるよ」とか、身体の調子から色んな事から気遣う言葉なんです。すごい優しい言葉です。 |
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(「天ぷらや 笑人 Wa-Road」HPより) | |
■エピソード1 てんぷら屋笑人が、なぜ子ども食堂を始めたのか |
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●ハンデのある人にも気軽に入っていただきたい | |
絹: | さあ、本題に入りましょう。そもそもなぜ日ノ岡で、てんぷら屋さん、笑人さんが子ども食堂を始められたのですかというあたりから紐解いて行きましょう。 |
さ: | 実は自身の子どもに障害がありまして、外食する場所にもすごく気を遣う時期がありました。そこで自分の店にそういう障害のある方でも気軽に入っていただきたいという思いを持っていたところ、山科青少年活動センターさんが「子ども食堂を始めませんか?」という講演会をされました。それに参加したのがきっかけで、子ども食堂という形で色んな方に来ていただけるのではないかと始めました。 |
●“やませい”の大場さんとの出会いから |
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絹: | 実は山科青少年活動センター(愛称:やませい)の大場孝弘さん(第126回・131回放送出演)は、この番組のゲストに2回もお迎えした方なんです。あの人に出会ってしまったんですね? |
さ: | 出会ってしまったんです。「盛武さん、これはやらねば!」みたいになって。 |
絹: | 当時のことを思い起こしますと、大場さんは山科に子ども食堂のネットワークを築きたいとの思いを持っていらっしゃった。「一人で何もかもやろうと思ったら大変だけど、月に一回くらいなら私とこでもやれるという人が、山科じゅうで1ダース集まったら、両手集まったらすごいことが起きる」と言っておられて、その一角として引きずり込まれたのが盛武さんなんですね? |
さ: | はい(笑)。飲食店がやる強みがやっぱりあるかなというのがありました。皆さんまず場所がネックになってくるのですが、うちは飲食店なので、衛生面から設備的な面から整っているので、非常にやりやすかった、始めやすいかなとは思いました。 |
絹: | この間、ズームの会議で大人カフェという所で、盛武さんが登壇されて、「笑人カフェどんげね」について、喋っておられたのですが、そこでのメモをちょっと読みますね。 笑人どんげね、これは宮崎弁です。 子ども食堂は毎月第二土曜日、12時から14時 子どもさんは200円 友達が友達を呼んでくるという形になっています。 どんげねさんの特徴は(お嬢様が障がいをお持ちですので)、ハンデのある人たちも気兼ねなく来てほしいと、ハンデのある人の予約限定で行っています。 それが特徴なんですね。唯一無二なんですね。他の所はそんなのはなかなかないですよね。 ということで始まりました。いつ頃からでしたっけ? |
さ: | 2016年の11月からです。 |
絹: | 2016年と言うと、もう長いですね。6年目ですか。よう続かはりましたねえ。 |
盛: | 止めずにきたから続いているという感じで。 |
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(笑人カフェどんげね?~子ども食堂~の様子 「天ぷらや 笑人 Wa-Road」Facebookより) | |
■エピソード2 就労支援施設「すぴん」のこと |
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●ハンデのある子の就労って、どうなるんだろう… | |
絹: | ホームページを見せていただきますと、てんぷら屋さんをなさって、子ども食堂をなさって、その他に奥さまが平仮名で「すぴん」という就労継続支援B型事業所という所の代表も務めていらっしゃいます。その就労継続支援B型は昔で言う作業所と、子ども食堂ではどちらが先ですか? |
さ: | 子ども食堂が先です。で、やはり子ども食堂、18歳までは守られていますが、18歳以降、就労ってどうなるんだろうと考えたわけです。自身の子どもの事を考えた時にやはり障がいのある方の就労先はすごく限られているし、かといって自分がわかっているわけではないので、「よし、自分でやってみよう」と決意しました。子ども食堂がベースになり、「すぴん」が開所できたということです。 |
●施設外就労先「笑人」 - 飲食だからって特別なことはないんです |
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絹: | それでまたホームページを斜め読みの浅い知識ですけど、「すぴん」さんの所に施設外就労先が「笑人」であると書いてある。ということは、御主人と一緒になさっているてんぷら屋さんで、就労支援施設に勤めていらっしゃる障がいのある人が実際に働いておられるということですね。 |
盛: | そうです。はい。 |
絹: | 食べ物屋さんでどういう形で働かれるのかなと、たぶんリスナーの方もはてなマークが出てくると思うのですが、そこのところを説明していただけますか。 |
盛: | 時間的には午前9時半くらいかな。もう1人スタッフが手伝ってくれているんですが、多い時は3人くらい、利用者さんが来られます。飲食だからと言って特別なことはなく、まず基本的に一番大事なのが掃除ですね。トイレからオモテもしなければならないし、割合バリエーションがあるんですね。 |
絹: | 門掃きしたはる写真、載ってました! |
盛: | そうですね。厨房の中はタタキですし、床はフローリングですし、トイレがあったり、たまには裏の庭の掃除もあるんですけど、掃除だけでも結構楽しめます。それから片付け、洗い物、下ごしらえですね。野菜を洗って皮をむく、切る、あとは盛り付けとか。また弁当の配達が週に何度かあるんですけど、一緒に…。 |
●達成感を味わってほしい… |
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絹: | そうなんですよ。盛武さんとこのお弁当が結構人気で、配達も受けておられるんですね。 |
さ: | そうですねえ。増えましたね。 |
絹: | 今、両手くらいあるんですか。 |
さ: | はい、あると思います。 |
●実は公成建設、子ども食堂にちょっとかすっています |
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絹: | 山科子ども食堂ネットワーク(愛称:ちゃぶ台ネットワーク)、あるんです。そしてうちもちょっとだけかすっていまして、建設会社ですから独身寮が山科にあるんです。そこの寮監さんで服部さんという方が自分でも子ども食堂っぽいことをやりたいと言って、盛武さんたちと交流があるそうです。 |
さ: | はい、最初はボランティアでご一緒させていただき、自分でもやりはじめられて、すごいなと思っておりました。 |
絹: | 寮監さんは普段料理をされますから。若い社員さんに弁当をつくったり、夕食を出したりと、メニューを作るのはお手の物らしく(笑)。 |
さ: | お上手だと思います。 |
絹: | 山科って、非常に面白い土地柄でそういう助け合いの風土と言いますか、「家庭菜園で野菜を作ったけど余ったから使って」とか、フードロスに取り組んでいらっしゃる方が協力に来られたりするんですって? |
さ: | フードバンクさんからのご提供だったり、社協さん(社会福祉協議会)からのご提供で、「フードロス、今関心を集めているんですけど、賞味期限間際のものを有効活用してください」と子ども食堂に助成してくださっています。 |
盛: | ご近所さんもいただいたお菓子とかを、ちょこちょこと頂いております。 |
絹: | リスナーの皆さん、いい話でしょ?きっと知らなかった人もおられると思うんです。ですから一見てんぷら屋さんだけど、色んな事をしておられると。日ノ岡の交差点、左に入ったところを、ちょっと見に行かれたらいかがですか。 |
さ: | なんてことはないので、入ってください。 |
■エピソード3 障がい者のグループホームを立ち上げました |
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●障がいのある方が地域で一人暮らしをしていくために | |
絹: | それがまた、今度は新しい事を始められたという噂をききまして、盛武さんにラジオのゲストに来て、その話を来ていただけませんかとお願いしたのは、グループホームまではじめてしまおうという…そのグループホームとはどういうことか、説明をお願いしたいんですが。 |
さ: | 障がい者のグループホームを立ち上げました。3月1日に開所したのですが、やはり障害のある方が親元を離れ、一人暮らしをするのは、いろいろな壁がある。そのサポートを手厚くして、一人暮らしを手助けするというホームになっております。私どもがやっているのはマンション型と言って、マンションを何部屋かご提供するという形を取らせて頂いていますが、一軒家タイプのものをやっていらっしゃる所は多いです。 |
絹: | 世の中にはそういうグループホームがもう既に何軒もあるわけですか。 |
さ: | そうです。もう満床状態が続いていて…。 |
●家主さん・地主さんのご理解があってこそ |
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絹: | ところがですよ、例えば地主なり家主の立場に立ちましょうか。仮に私がお金持ちで借家を持っておりましたと。あるいは賃貸マンションを経営しておりましたと。「障がい者のグループホームをやりたいので、貸してください」と来られると、「んんん、ちょっと…」と躊躇うかもしれません。今回、成功裏に3月から発進されたということは、「いいですよ、借りてください」とおっしゃった家主さんは確実にいらっしゃったということですね。 |
さ: | はい、いらっしゃいましたね。 |
絹: | その方もすごい方ですよね。 |
さ: | そうですね。何回か見に来られて「いいですよ」と言っていただけましたね。 |
絹: | そこではやっぱり色々悩みだとか、交渉だとか、もっと言えばドッタンバッタンあったんですか? |
さ: | ありましたね。今も続いているんですけど。 |
絹: | あれ、聞いてよかったかしら(笑)。 |
さ: | いやあ、ちょっとね、がんばります(笑)。 |
絹: | 僕は本当に奇特な家主さんがいてくださって、本当に良かったなと思います。世の中捨てたもんやないなと思いますね。 |
盛: | 本当にそうなんです。ありがたいんです。今、2人入居が決まりまして、あとは順々に体験していただいて入居にいくという手順なんですけど。 |
絹: | 世の中にはSDGsだとか、多様性だとか、かっこいい言葉が流れてますけど、そうやって賃貸型マンションで障がい者のグループホームをやるって、そっちの方がストンと腹落ちしますよね。現実にそういうことなんやと。たぶんご近所の方や大家さんは不安に思われたかもしれないけれども、盛武さんたちのなさっている事をご覧になって、きっと「ここやったら」と思われたに違いないというのは、なんとなくわかります。 |
●公営住宅の空き室でグループホームを |
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絹: | 本当にその辺がすごい事に手を出されたなという感覚がしたもので、是非ここに来ていただいてお話を聞きたかったんです。私の知人の中にも障がいをお持ちの御子息がいらして、山田木工所という会社を経営されている山田さんが同じ思いをお持ちになっているというのをかつて知ったことがあります。障がい者のグループホームを色んな所で自前で建てたくて検討したけれども、なかなかうまいこと行かないと。今、山田さんが京都市の都市計画局の住宅室の公営住宅管理の人たちに交渉しているのは「市営住宅空いているでしょ、そこを貸して」と。そこで障がい者のグループホームをやりたいということを申し入れておられます。たしかさゆりさんはどこかで山田さんのことをご存じで、意識していらっしゃったということを、前おっしゃってましたよね。 |
さ: | そうです。ココネット会議というのがあって、就労支援のための会議なんですけど、そこでハンデのある方の就労受け入れ先として山田木工所さんが紹介されていて、私は一方的に存じ上げているだけなんですけど、素晴らしい取組をされているなと注目をさせていただいてました。 |
絹: | 色んな方々が色んな思いで活動されていて、その後姿を横目で見て、「この人すごいな」と思っている人は、例えば盛武さんのようにおられます。山田さんの活動も京都市の人たちが向島ニュータウンの中で空いている部屋を、愛隣館という障がい者のための社会福祉法人のグループホームに使ってもらって立ち上げたという事例が最近成立しました。これもまちづくりチョビット推進室の最近のゲストにお呼びしたのですが、京都市もただ何も仕事をしてないわけじゃなくて、公営住宅市営住宅の目的外使用という法律の壁があるらしいです。行政の方は今までと違う事をするとすごく抵抗があるみたいで、でも意味のあることだからと挑戦した行政マンたちが実際におりましてね、まずは社会福祉法人に対して空き室を使ってもらいましたと。「民間の山田木工所のような所にも開放したらどうやねん」と僕はそばでつぶやきますでしょ(笑)。すると「いきなり絹川さん、そこまで行けますかいな。そっちへ向けてちょっとずつステップアップしていきます」と今、頑張っておられます。 |
●もっと、もっと、ネットワークを広げたい |
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絹: | 洛西ニュータウンの中にも京都府さんと京都市さんがコラボして空き室に障がい者グループホームの第二弾を計画されているという噂は聞きます。 ですから福祉法人の方は福祉法人で、全く民間からこうやって盛武さんのように一般のマンションを借りて動かしていかれる、そういう方が緩やかなコラボをして、「自分はこんなことをやったらうまくいったよ」「こんなこと困っているから助けて」という助け合いが起こって、行政と民間の交流が生まれるといいですね。 |
さ: | はい。ネットワークいただきたいと思います。 |
絹: | この間笑人にふらっといらっしゃったという徳永室長のこと、ちょっと教えていただけませんか。どんな人でした? |
さ: | すごく柔らかくて感じのいい人でしたね。 |
絹: | 僕はあまり保健福祉局のことは知らないのですが、障がい者保健福祉推進室の徳永さんという方がふらっと笑人さんに訪ねて見にこられたと。ということは注目されているんですね。 |
さ: | いやあ、たまたまじゃなかったですかねえ。 |
絹: | 民間で頑張っている人、行政でサポートしようとしている人は探せばいます。そういう人たちを結びつけることができたら素敵だなと皆さん思いませんか?京都の中には黙ってこういうことをされている方がまだまだおられます。是非山科をお通りの際は、日ノ岡の交差点、てんぷら屋さん、どんなんかなと覗いてみていただけたらと思います。 |
両: | よろしくお願いいたします。 |
絹: | 是非応援を、サポートをお願いいたします。 この番組は心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクト、そして京都市景観まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。リスナーの皆さん、てんぷら屋さん、笑人、どんげね。覚えてくださいね!ありがとうございました。 |
両: | ありがとうございました。 |
第174回 ・鹿谷ワンダービレッジって何?~亀岡を有機農業の町にするムーブメント
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玉: | 玉山 久高 氏(株式会社玉山工業 代表取締役) |
る: | 玉山 るりこ 氏(夫人) |
絹: | 絹川 雅則(公成建設株式会社) |
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(左:玉山 久高 氏 右:るりこ夫人) |
絹: | 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。 この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。 さて、本日のゲストのご紹介です。思いっきりご近所さんなんです(笑)。この方をゲストにお呼びするというのは、最初予想もしておりませんでした。偶然、次のゲストの方が私の自宅の真ん前に引っ越してこられたと(笑)。こんな事件もそうないと思いますが…。 ご紹介申し上げます。株式会社玉山工業代表取締役玉山久高さんです。玉山さん、よろしくお願いします。 |
玉: | はい、よろしくお願いします。 |
絹: | そしてその奥さまのるりこさん。玉山るりこさん、よろしくお願いします。 |
る: | はい、よろしくお願いいたします。 |
絹: | 番組の中ではお二方のなれそめはなんてことは、聞かないようにします(笑)。リスナーの皆さん、このお二方、とんでもないことをしているんです。おいおいお話をしてまいります。では玉山さんご夫妻と決めました番組タイトルを申し上げます。「鹿谷ワンダービレッジって何?亀岡を有機農業の町にするムーブメント」と題してお送りいたします。 玉山ご夫妻とはまだ本当にお付き合いが浅いんです。この間ゲストの出演交渉に会社に行って、少しお話をさせていただきました。まあ、なんというか面白い方みたいです。玉山久高社長は、武闘派でもあらせられて、芦原空手ってマニアの人ならご存知かもしれませんが、フルコンタクトの空手を若い時にやっておられて、奥さんに「怪我が続くし、そろそろやめたら?」って、今おとなしくされていると(笑)。 |
る: | そうです(笑)。 |
絹: | ご本業はものづくりと申しますか、プロの職人さんたちをネットワークして、京都の中小企業の先駆けと言いますか、新たな生産ネットワークに挑戦されているというところと、「セブンシー」というチームも率いていらっしゃいます。が、今日は全然それとは違うんです。 この番組のヘビーリスナーの方々でしたら、進行役の絹川君が手を抜いて、自己紹介の代わりに他己紹介をやるということをご存知だと思います。今日はまずウォーミングアップの代わりに玉山久高さん、質問です。奥さまのるりこさんとはいかなる人物ぞ、短く述べよ。 |
玉: | 体温も高いんですけど、心も温かく、温かみのある女性だと思います。 |
絹: | 合格!では奥さまのるりこさん、パートナーの玉山久高さんはいかなる人物ですか。短くお述べくださいませ。 |
る: | 夫であり、兄であり、友人であり、とても信念が強くて、懐が深くて、思いやりがあって…、ほめ過ぎやね(笑)。帰りにご飯を奢ってもらいます(笑)。 |
絹: | はい(笑)、今日のゲストはこういう方々です。 |
■エピソード1 鹿谷ワンダービレッジって、そもそもなに? |
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●25,000㎡の原っぱ? | |
絹: | 皆さん、鹿谷ワンダービレッジって、ご存知でしょうか。私は人に誘われてまいりました。僕は亀岡にあまり土地勘がないのですが、直近のインターチェンジどこでしたっけ? |
玉: | 一番近いのが大井インターですかね。 |
絹: | 車で行きました。京都市内から縦貫道を使いますから、僕の家は上京区で、そこからだと40~45分で着きます。そういう距離になんと25,000㎡の広大な原っぱと言いますか、耕作放棄地があります。私の知人が「絹川君、悪い事言わんから一回覗いてみいひん?」と言われて、仕事をさぼって覗きに行きました。ところが耕作放棄地と言うから、ボロボロの所かと思ったら、スタッフの方々が湿地帯を畑などに戻されて、日本の原風景みたいな形になって、「誰が来てもええよ」という原っぱがドーンとあるんです。それが「鹿の谷」と書いて鹿谷ワンダービレッジという愛称で、サポート会員は今、180人とおっしゃいましたよね。 そんな広い所、畑にもなるし、遊び場にもなるし、温室もあるし、拠点のハウスもありました。ここでちょっとだけホームページの一部を読みます。 |
●鹿谷ワンダービレッジのホームページから |
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(鹿谷ワンダービレッジHPより) | |
●オーナーはうちのお向かいさんだった! |
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絹: | これは将来計画も現在できているのも含まれているようですが、こういう所の存在を知って、絹川君はショックを受けました。無茶苦茶居心地ええやんかと。このオーナーどんな人?って、スタッフの人たちに聞いたら、「偶然、絹川さんのご自宅のお向かいに越してきましたよ、オーナー」と(笑)。こんな偶然あるかいなということで、ご無理を言って、ゲストに来ていただきました。ではここでマイクをゲストのお二方にお渡しして、僕の言葉では伝わりきらない、ワンダービレッジ、なんでこんなんしはったん?というところから、口火を切っていただけますか? |
玉: | 元々の発想は学校なのですが、農業を亀岡だけでなく、日本全体で健全な形で引き継いで行こうと思うと、どうしても村づくりをしていく必要がありまして…。農地もあって、山もあって、そこが循環しているなかで、村づくりをしていかないと、農業だけを考えてもなかなか難しい。また、農業をコアに生活をしていただける人を育てていくというのが、社会的な課題でもありますので、学校をやっていても、亀岡で目指したいのは本当のプロの中規模以上のプロの農家さんを、有機農業者を育てられるような学校を目指して構想中です。 |
●25,000㎡の土地、お貸し頂いている部分が多いんです |
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絹: | 広大な25,000㎡という耕作放棄地をポンとお買い求めになって…。 |
玉: | そこはちょっと微妙で(笑)、何分の1かは私の所有になっているんですが、あとは村の方々に無償でお貸し頂いてます。 |
絹: | そういうことなんですか!要は耕作放棄地として置いておかなければならなくなってしまっていたのを、玉山さんご夫妻が来られたことによって、放っておかなくても済むと。世話してくれたら助かるんやけど、借りてくれる?無償でと。 |
る: | 放っておけば土地は荒れますし、草もぼうぼうに生えてきて、ひどい所は葦みたいな、もうどうしようもない状態になっていくのですが、スタッフの皆さんに(本当にご苦労なのですが)、いつも暑い中も草刈りをしていただいて、丁寧に管理してもらっているおかげで、あんな風に蘇ったという。貸していただいている方もそれを見て、喜んでいただいていますし、それは良かったなと思っています。 |
●亀岡市役所としても有難い話で |
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絹: | すごいことを、今、奥さまはさらっと言われましたけど、実は亀岡市の市長さん、桂川さんという顔の濃い市長さんがいらっしゃるんですけど(笑)、亀岡市役所にとってもなにかすごいうれしいらしいですね。あんな事をしてくれる人が来たと。耕作放棄地が知らんうちに蘇っているやんかと。そこで「子どもたち来てもいいよ」とか、「一緒に遊び場つくろう」とか、「ええー、この人何者?」と思っているに違いないけど、でもうれしいというところでしょうね。地元の役所の人にしたら。 そういう遊び場だけでなくて、農業学校をつくっていきたいと。プロの中規模農家養成というのは、有機農業専業で食べていける人たちを養成するためにということですよね。リスナーの皆さん、めちゃくちゃ奇特だと思いません? |
●専業農家を育成する意味でも、食生活の啓発の意味でも |
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絹: | 玉山さんに教えていただいたんですけど、今も農家さんはおられるけれども、兼業農家さんがほとんどだと。専業で食っていける、年収で1000万円くらいあって、家族で食っていけるというような人はなかなかいらっしゃらないと。えらい難しいテーマに挑戦しておられますね。 |
●古い家をシェアハウスに そして温室も |
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絹: | それで宿舎と言いますか、古いお家も借りて、シェアハウス的に運用をしようという実験的な事もされていたと聞きますし、温室も立派な温室を持っていらっしゃるとか。 |
玉: | それはnicoさんと一緒につくったんです。 |
絹: | リスナーの皆さん、本当に奇特なご夫妻がここにおられます。でもこんな方々が自分たちの周りにおられるということが1つの救いだと思いますし、是非お気づきになられた方は、亀岡の鹿谷ワンダービレッジ、検索するだけではなくて、覗いてみられてはいかがでしょうか。 この頃、若い方の中には、農を求めて、農への回帰を果たそうとする人たちが増えてきています。また、そういう方だけではなくて、実際の兼業農家の跡継ぎさんの中でも悩んでいらっしゃる方、「農業をやりたいけれども、やればやるほど赤字になる。でも先祖伝来の田畑をなんとか守りたい」という方々に1つの回答を提出できないかと模索していらっしゃるのが、このご夫妻だと感じております。是非鹿谷ワンダービレッジ、そしてオーナーである玉山久高・るりこご夫妻、ご記憶の片隅に入れていただければと思います。 この番組は心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクト、そして京都市景観まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。玉山久高さん、るりこさん、ありがとうございました。 |
両: | ありがとうございました。 |