公成建設株式会社は、建設業を通じて、豊かな国土づくりに邁進し、広く社会に貢献します。

まちづくりチョビット推進室
TOP > まちづくりチョビット推進室

カテゴリー まちづくりチョビット推進室

第139回 ・15人の子どもスタッフがやらかしてくれました ~子どもによる子どものための映画祭「キンダーフィルムフェストきょうと」

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年7月放送分>

田: 田中 里奈氏(子どもスタッフリーダー)
小: 小嶋 佑昴氏(子どもスタッフ副リーダー)
勢: 田勢 奈央氏(特定非営利活動法人キンダーフィルムフェスト京都 理事)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
chobit guest 田中 児島1
左 絹川  中央 児島氏  右 田中氏
絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最前線のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日のゲストですが、今回は比較的お若いゲスト、中学生がお二人とつきそいのお姉さんをお呼びしております。まずは、田中里奈さん。
田: こんにちは。
絹: こんにちは!田中里奈さん、中三です。出身は京都。
そして二番目は小嶋さん。
小: 小嶋 佑昴(たすく)です。
絹: 小嶋 佑昴さんは中二!
小: はい、中二です。
絹: そして田勢さん!
勢: はい、田勢奈央です。42歳です(笑)。
絹: よろしくお願いします。では今日のタイトルに参ります。「15人の子どもスタッフがやらかしてくれました~子どもによる子どものための映画祭“キンダーフィルムフェスト京都”」と題してお送りいたします。
さあ、そのキンダーフィルムフェストについて、子どもスタッフのリーダー、サブリーダーに読み解いて、解説していただきます。メインゲストの田中里奈さん、ゲスト紹介の話したよね?
田:  はい(笑)。
絹: おっちゃんが手を抜くために、他己紹介しましょか。それでは、小嶋 佑昴・中二とは、いかなる人物か、短く述べよ。
田: 佑昴君は、私よりも1つ下なんですが、仕事とかすごいテキパキしてくれて、私がリーダーとして活動する時にも手伝ってくれたりして、とてもすごいなあと、いつも思っています。
絹: はい、ありがとう。リスナーの皆さん、小嶋 佑昴君、見た目ですけど、仕事できそうな子(笑)。
それでは今度は交代です。小嶋 佑昴さん、リーダーの田中里奈さんとは、いかなる方ですか。
小: さっき褒めてもらったんですが、僕自身、まだ全然未熟で、いつも里奈さんに引っ張ってもらってて、あまりまともに仕事も手伝えてないと思うんですけど、いつもやさしく接していただいて、いつも感謝しています。
絹: はい、そつのない答えをありがとう(笑)。そしたらもう1つ、小嶋 佑昴さんに宿題を出します。今日つきそいのお姉さま、田勢奈央さんとはいかなる方ですか。短く述べよ。
小: 田勢さんは、英語とか、外国語がめっちゃできはって、色んな世界事情とか、世間のこととかいっぱい知ってはって、子どもスタッフのアイデアマン、京都国際子ども映画祭のアイデアマンみたいな感じかなと僕は思います。
絹: はい、ありがとう。おっかさんみたいな存在ですか、お姉さんみたいな存在ですか。両方か…(笑)。
それでは本題に入ってまいりましょう。京都国際子ども映画祭2018年8月2日・木曜日から3日・金曜日、4日・土曜日、5日・日曜日の4日間、この京都三条ラジオカフェの本当のご近所さんで、三条通、京都文化博物館の3階フィルムシアターで予定されています。聞くところによると、非常に古いフェスティバルで24年前から、京都と東京で行われているというふうに教えていただきました。さりながら、まだご存知ない方がいらっしゃるはず。まずは最初に、キンダーフィルムフェスト京都とは、どんなイベントなのですか、どんなフェスティバルなのですかということを、お二人に解説していただきます。

■エピソード1 「京都国際子ども映画祭」って、こんなイベントなんです!
●スタッフも子ども、審査員も子ども
田: キンダーフィルムフェスト京都は、タイトルにありましたが、「子どもによる子どものための映画祭」です。私はリーダー、佑昴君は副リーダーというように、子どもスタッフが企画・運営をしています。また、この期間内に上映される映画のグランプリを決めるのですが、それも有志で集まってくれた子どもが審査員を務めていて、「子ども審査員」と呼んでいます。
絹: 子どもスタッフって、何人いたっけ?
田: 子どもスタッフは15人ほどです。
絹: そのリーダーとサブリーダーが今日のゲストのお二人、里奈さんとたすく君ですね。
田: はい。
絹: そして、子どもスタッフ以外に、映画を審査してくれる審査員もおられるようですが、それは何人でした?
田: 12人です。
絹: さっきの下打ち合わせでは、小4から中3の人たちが集まって、福島県からも1人来てくれはるって?
田: はい。
絹: 結構すごいですね。つづきをどうぞ。
田: この映画祭では様々な国の映画が上映されます。私は昨年から参加させていただいているんですけど、子どもが主役の映画がたくさん上映され、とっても感動するものが多くて、すごく心があたたかくなるようなものばかりです。
絹: それは去年の上映作品の思い出やね?
田: はい。そうです。
filmfest2 filmfest1

●こんな映画に感動しました
絹: ちょっと質問していいかな。
田中里奈さんは去年から、小嶋 佑昴君は一昨年からで、一昨年は審査員をやっていたということですね。去年の作品の中で、あるいはたすくさんが審査員をやった思い出の中で、「この映画、すごくよかった!」と言ってたけど、お二人それぞれ1つずつくらい、思い出を聞かせてほしいな。
小: 僕は去年のグランプリだったんですが、『マウンテンミラクル』という映画です。喘息持ちの女の子が、喘息を治すために施設に入って、そこで出会った男の子と一緒に協力して、高い山を登っていくみたいな話です。
絹: ほう、なんかちょっとウルッと来ます。というのは、僕は今、こんなごっつい身体をしているけど、子どもの時は喘息持ちでね、小児喘息でものすごく苦しんでいた時期があるので。そうか、『マウンテンミラクル(奇跡の山)』…。
じゃあ、里奈さんは?
田: わたしは『いっしょの目線で』という映画にとても感動しました。そのお話は、小人症の男性がいて、もう一人、施設に入っている男の子とがメインで、お話が続いていくんですけど、その男の子は、お母さんはわかっているのですが、お父さんが誰だかわからなくて探していくと、その小人症の男性を探し出したんです。容姿が自分と全然違ったりするので、男の子は最初は「えっ」という驚きがあったのですが、一緒に生活することになって、一緒に過ごしていくなかで、お互いを理解しあうという…。
絹: それは外国の映画やった?
田: はい。

●子どもスタッフは吹き替えもします
絹: それが外国の映画ということは、子どもスタッフが吹き替えたの?
田: それは劇団の方がされました。
絹: リスナーの皆さんに、ご説明の追加をしたいのですが、今回上映される作品は12作品ありまして、その中でプロの劇団の方が吹き替えをされるものと、子どもスタッフさんが吹き替えをされるものとに分かれるそうです。お二人、里奈さんとたすくさんは、今年の映画は本番で見るんですね。
両: はい。
絹: 吹き替えスタッフはワークショップで練習しているから見ているけれど、最後にグランプリ作品を決めたりする投票は、さっき言われた福島県から来られる人を含めた小4から中3の12人の審査員の投票で決まるわけですね。投票前の議論は大変そうやね。
田: はい。

●司会進行も、受付も、小さい子たちのサポートも…
絹: 司会進行から受付から、全部子どもスタッフがやるということですが、里奈さんが2年の経験、佑昴さんが3年の経験があると。それぞれ2年と3年でどんな役割を果たしましたか。
小: 例えば場内整備とか。僕は受付はやってないんですけど、去年はキッズコーナーというのがあったので、それをやったりしました。
絹: もっとずっと小さい子、保育コーナーみたいな感じですか?
小: と言うより、映画関連のおもちゃみたいなものが置いてある机の所で、子どもたちに遊んでもらうという場所です。そこでこどもたちのサポートをしたり、今年はオープニングの司会をさせてもらいます。
絹: え、司会をやるの?大役ですね。ご苦労さん。
里奈さんは、どんな役割を今まで果たしてきましたか。

●オープニングビデオも子どもスタッフが撮影します
田: 去年、私の中で一番思い出に残っているのは、オープニングでの司会で、昨年も今年もなんですが、オープニングビデオを子どもスタッフで作成していて…。
絹: あ、例の東と西からやってくるというやつ。
田: はい。その演出があったので、みんなで打ち合わせをして、オープニングを成功させるというところがとても楽しかったです。
絹: ここでリスナーの皆さんに補足説明をさせていただきます。オープニングビデオ、子どもスタッフたちが、京都の東と西に分かれて、何か運んでいるのかな?
勢: 上映作品のDVDを運んでいるというのが去年の設定だったのですが、今年は今年でまた違う設定になっています。で、最近やっと撮影を終えて、一本のVTRになりました。
絹: それも面白そうやなあ。
田: そうなんです(笑)。
絹: ちょっとどんなオープニングビデオになるか、ヒントだけ。
勢: 佑昴君が監督をしたんだよね。
小: 僕はマナー映像の監督です。
田: 今年はマナー映像も…。
絹: ごめん、その専門用語わかりません。マナー映像?
小: 映画で流れる、「前の椅子を蹴ったらダメ」とか「撮影禁止」とか。
絹: そっちのマナーね。マナー映像の編集?
小: その監督をやらせてもらって、ちょっと笑える要素も取り入れながら、お客様にルールを守って映画を見てもらえるようになるようなムービーをつくれたかなと思ってます。
絹: それはでっかいカメラとかでつくるの?
勢: 一眼レフのカメラです。
絹: ああ、カメラが今は動画も撮れるんだよな。
小: 本当の映画の監督さんが手伝いに来てくださって、その人と一緒に撮りました。

●吹き替えはすごく勉強になりました!
絹: 僕一番興味あるのが、吹き替えの部分なんですよね。お二人とも吹き替えの経験したっけ?
両: はい。
絹: 大変やと思うねん。おっちゃん、やった事ないし。口を合わせないといけないし、声の出し方とか、劇団のプロの人が指導してくださると聞いたから、「やりなおし!」とかって、なかった?「ここ、もう一回やろか」とか。
田: そうですね。何回も練習はするんですけど、すごく丁寧に教えて下さって、すごく勉強になりました。
絹: そのセリフと言うか、台本みたいなものを読むんでしょ?台本を読まなあかんし、画像も見ないとあかんし、あっち見て、こっち見て、あっち見て、こっち見て、でも棒読みになったらあかんし、気持ちを乗せるって、難しくなかったですか。
田: そうですね。
小: 難しかったですね。
絹: 例えば、「すごく楽しい!」という時と「なんか辛いわ」みたいな時と、場面によっていろいろあるでしょ?その時の自分の感情の出し分けと言うか、表現の仕方というのは、自分の肌感覚でどういう風にしてつかまれたんですか。しんどい時とか、どうやってたん?楽しい時はどうしてたん?とか、何かそんなコツとかも習うの?
勢: 里奈ちゃんの役の方が、寂しいとか悲しいというセリフが多かったかな。
田: 自分たちが普段よく見ているような映画とは、またちょっと価値観が違ったりとか、そういう海外のものが多いので、そういうところもちょっと難しいなというのを感じました。

●外国の映画って、感覚が違って、難しいけど面白い!
絹: 国際映画フェスだから、日本の常識では考えられないような作り方の、題材の映画も来るわけですね。
田: そうです。ちょっと難しかったです。
絹: 「あれ、僕たちと違う」みたいなのがあるわけ?
田: はい。
勢: 里奈ちゃんは去年、中国の映画の吹き替えをやって、たすく君はイタリア映画の吹き替えで、たすく君が担当したイタリアの映画は、ものすごくテンポが速い。
児: そうなんです。セリフがパパパパパパッと出てくる。イタリア語なので、なんか余計に早口な感じで。
絹: ほんなら早口言葉の練習なんて、目じゃないよみたいな感じになった。
小: そこまでではないですけど、かなり早かったのと、自分の役作りに結構苦労しました。
絹: だって本来の時分とは違う役の場合の方が、きっと多いよね。その時にポンと超えるというか、自分から自分とは違う役の人格にスイッチするって、すごく興味があるなあ。それができたわけやね。いくばくかは。
小: できたかどうかはわからないですけど。
田: それを見つけ出して、当日で発揮するという感じですね。
絹: そういう役柄の人にスイッチするというか、変化するというか、憑依するというか、その時の経験を少し聞かせてほしいな。終わった後、どう感じた?そういう自分じゃないセリフをしゃべってみたり。

●自分の感情と役柄の感情と…
田: 私は中国の小さい男の子の役をしていて、ちょっと貧困家庭の感じで、寂しい感じを出さないといけないということと、あんまり自分の感情を出さないようにしないと。自分はこうなっていたら悲しいだろうなと思っても、その男の子はその男の子で、その場で考えて自分の行動を起こしているので。その男の子自身、役柄的に無表情な感じだったので、自分の感情が高ぶらないようにという感じで…。
絹: 色々頭の中で考えながら、しゃべるんやねえ。イタリア人になったたすく君はどう?
小: 役がサッカーをしているチャラい男の子で、女の子にナンパするという感じの話だったんですけど…。
絹: 結構、イタリア人て、挨拶代わりにナンパするんやてな。
小: その女の子の役の人がかなりベテランで、アドバイスとかもいっぱいいただいて、それで結構役になりきれたかなと自分では思っているんですけど。
絹: 得難い経験だろうなあ。

■エピソード2 今年の映画、私たちのおススメです
●『わたしたち』という韓国映画に、すごく興味があります
絹: 話は佳境に入ってきましたが、今まではメインに私の興味で聞いてしまっています(笑)。すみません。今回の8月2日から5日までのフェスティバルでの上映作品について、ちょっと教えていただけますでしょうか。この中で特にお二人が気に入っている、あるいは見たいなと期待している作品について、少し語っていただけますか。
田: 私は長編映画で『わたしたち』という韓国映画が上映される予定なんですけど、韓国は最近はKポップとか、色々日本でも流行っていて、私も最近韓国ドラマをよく見る機会があって、韓国の映画やドラマに今、すごく興味があるので、見たいなと思っています。
絹: 先ほどの下打ち合わせでお聞きしたら、いつものグループでお友達だと思っていた子が、次の日に行ったらちょっとよそよそしいという経験するような、小学生の女の子たちの物語だよということを教えてもらいました。少女期に誰でもが覚えがあるようなお話で、僕も見たいなと思いました。
さあ、佑昴君はどこに期待しています?

●『Zoo』が冒険ものっぽくて、ワクワクします
小: 僕は『Zoo』という映画にちょっと興味があるなと思っていて。
絹: 動物園の『Zoo』ですね。アイルランド・イギリス、97分、長編ですね。
小: キンダーフィルムフェストのチラシには、映画の観点、冒険ものとか、動物が登場しますよみたいなマークがついています。僕は基本的に冒険ものが好きなので、長編ではこの『Zoo』が実写ですし、冒険ものっぽいなと思ったので、とても興味があります。
絹: 「戦時中、『象さんだけでも助けたい』と思った子どもたちのストーリー」と書いてありますね。「小学校1年から見て」と書いてある。なかなか面白そうですね。
リスナーの皆さん、イメージ持っていただけましたでしょうか。それからお子さんをお持ちの親御さんに申し上げたいのですが、京都でこんなにすごい子どもの夏休みのイベントがあるって、知りませんでした。それも24年も前から。これはおすすめです。このスタッフとして活躍している子どもたちは、すっごい濃い経験ができると思います。お二人のお顔を見ていても、楽しみです。
ここでちょっと「私はつきそいやから、ふらないで」と言っていたお姉さんにふってしまいます。リスナーの方向けに、少しコメントを頂けますでしょうか。

●子どもたちの成長をすごく実感できるんです
勢: 本当に今、田中里奈ちゃんと児島たすく君がお話していたのを、お聞きいただいてわかると思うのですが、子どもスタッフがとてもしっかりしているんです。
小学校三年生の子が最年少なのですが、その三年生の子も本当にお兄さん、お姉さんに混ざって、ものすごく一生懸命やっていて、やっぱり小さい子たちは、お兄さんお姉さんを見て、来年もっと「ああいうことをやりたい」と、みんな毎年やって、どんどん大人になっていく。スタッフで、中心的な役割を担ってくれている、のぞみという女の子がいて、その子も子どもスタッフを5年くらいやって、今、大学生なんです。そういうふうに私たち大人も、彼らの成長をすごく感じられるので、そういう場が京都にあるということは、私も関わっていてすごくうれしいなと思っています。
また、学校以外の場所でこういうふうに遊べる場所、みんなと触れ合える場所があるというのが、すごく魅力的だなと思いますので、是非皆さん会場に来て、雰囲気を味わって頂けたらと思います。
絹: さっき里奈さんが「イベントに参加する側とスタッフに立つ側とで全然違う!」と言っていました。会場に来ていただいて、「これは何かある!」と思ったら、本当にその場で「私もスタッフになれます?」みたいな質問を、子どもスタッフに投げていただいたら、すごくいいんじゃないかなと思います。
田: はい、是非。

●私たち、僕たち子どもスタッフと一緒に参加してみませんか?
絹: 田中里奈さん、小嶋 佑昴さん、あなたたちの言葉で参加を呼び掛けてみてくれませんか。
小: このキンダーフィルムフェスト京都国際子ども映画祭は、子どもが主人公の映画祭です。子どもさんがいるご家庭には、とてもいい夏休みのイベントとなると思うので、是非参加してみてください。子どもスタッフも募集していますので、よろしくお願いします。
絹: ああ、ちゃんと声出てる。おお、やるなあ。里奈さんはどう?
田: さっきも言いましたが、すっごく心があたたまる作品ばかりなので、是非来ていただいて、海外のものだと価値観も全く違ったりして、普段見る様なものとは違う学びを得たりもできるので、是非来てください。
絹: はい、ありがとう。リスナーの皆さん、この子どもスタッフを支える背後には、NPO法人キンダーフィルムフェスト京都という、しっかりした大人たちが、彼女たち彼たちを見守っておられます。どうぞ8月の2日、3日、4日、5日、京都文化博物館へお運びください。
この番組は心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクト、我らが京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。ありがとうございました。
全員: ありがとうございました。
投稿日:2018/08/13

第138回 ・七条大橋ライトアップ2018を応援して下さい

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年6月放送>

酒: 酒谷 宗男氏(七條大橋をキレイにする会 共同代表)
明: 小林 明音氏(七條大橋をキレイにする会 共同代表)
は: 小林 はな氏
絹: 絹川 雅則(公成建設株式会社)
DSC_0151
左:酒谷 宗男氏 中央:小林 明音氏 右:小林 はな氏
************************************************************************
まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
************************************************************************
絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最新のエピローグをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト紹介です。ゲスト最年少記録が生まれました!なんと小学校4年生の小林はなちゃんをまずご紹介します。はなちゃん、よろしくお願いします。
は: こんにちは。お願いします。
絹: そのお隣はそのお母さん、小林明音さんです。小林さんはご紹介をどんなふうにするのがいいのかな。「七条大橋をキレイにする会」共同代表小林明音さんです。
明: はい、よろしくお願いします。
絹: そしてメインゲスト、もうお一方、私から言うと先輩に当たられる歳回りの方と拝察いたします。同じく「七条大橋をキレイにする会」共同代表、そして京都のまちに関わられる方なら、結構この方のお名前を聞いておられる方多いのではないでしょうか。「朝粥食べて、おシャベリ会」企画・運営者 酒谷宗男さんです。
酒: はい、酒谷です。よろしくお願いします。
絹: 酒谷さんのお名前は、「集酉楽サカタニ」というキーワードや朝粥の会をずっと長いことなさっていることで、どこかでお聞きになっている方、あるは七条大橋のたもとの集酉楽さんの楽々ホールに行かれた方など、ひょっとしたらリスナーの方の中にもおられるかもしれません。今日はゲストの最年少記録更新の小林はなちゃんを迎えて、3人のゲストでお送りいたします。
今日の番組のテーマ・タイトルを申し上げます。「七条大橋ライトアップ2018を応援して下さい」と題してお送りいたします。それではゲストのお三方、よろしくお願いします。
明: よろしくお願いします。
絹: さっき打ち合わせで言うのを忘れましたが、ゲスト紹介をウォーミングアップも兼ねて、「他己紹介」というのをやっています。それでは小林明音さん、酒谷宗男さんとはいかなる人物ぞ、短く述べよ(笑)。
明: 宗男さんに出会ったのは、5~6年前だったと思います。七条大橋をキレイにする会を始めたのは、4年前ですか、宗男さんが「掃除をしよう。まずは掃除からしよう」とおっしゃって、「じゃあ、私もついていきます!」みたいな感じで始めました。その時から本当にまず行動で示すという、まず自らが動いて示すという、その背中を見て、みんながついていくみたいな、行動で示す方です。
絹: 推進エンジン?
明: 推進エンジンだけでもなく、がーッと進まれるわけでもなく、周りを見渡しながら、そうっとそうっと進んでいかれるような…。
絹: ありがとうございます。それでは酒谷宗男さんにお聞きします。いきなり無茶ぶりですみません(笑)。小林はなちゃんとはいかなるお嬢ちゃんですか。
酒: 小林はなちゃんは、いつもお母さんについて、うちの店とか、喫茶ルームにお越しになるのですが、お母さんが七条大橋のミーティングをされている時などは、一生懸命自分の勉強をしたり、趣味のことをとても頑張ってやったりと、非常におりこうさんで、ママを手こずらせないんです。
絹: 舌出してるで(笑)。
酒: それは彼女が気遣い、気配りをしているんです。それはやっぱりすごいなと思いますね。
絹: 小学4年生にして、気配りができると。では最後にはなちゃんに聞きます。小林明音さんて、どんな人?どんなママ?
は: うーん。ふつうの…。
明: ごくごく普通です(笑)。
絹: はなちゃんに助け船を出します。小林明音さん、実はすごい方で、土木系の技術資格を有する人で、富山県庁の技術職としてお勤めになっていた時期があります。そして京都市に来られて、京都市景観まちづくりセンターの職員として数年働いておられました。その時に私と出会いまして、実はこのスタジオにも何度か、コミュニティFMの担当として来てくださったことがあります。ということで、最初のウォーミングアップ、他己紹介でありました。じゃあ、エピソード1に入ります。

■エピソード1  そもそも七条大橋のお掃除が始まったのは、7月7日でありました
●七条大橋100年の渡り初め、盛り上がったけれども…
絹: そもそも七条大橋のお掃除が始まったのは、7月7日だったそうですが、そのあたりから紐解いていただきますか。
酒: 今度の7月7日で4年目に入るんですね。ですから4年前ということになりますか。実はその前に、とりあえずは七条大橋100年の渡り初めをしたけれども、それ自体は盛り上がったんですよ。
明: そうですね。渡り初めをしたのが2013年なので、もう5年前になるでしょうか。
酒: その時は100年目の渡り初めということで、すごく盛り上がったんですよ。門川市長を先頭に、地域住民も一緒にわーっと渡り初めをやって、「七条大橋、やっぱり大事にせなあかんな」と、そういう機運はあったんですけど、ただそういうイベント的なことって、やっぱりぽしゃってしまうわけです。誰かが何かをしんと。
で、私の兄が「100周年で、あんだけ盛り上げてやったのに、草ぼうぼうで、ゴミはあるし、困ったこっちゃなあ」と言ったんです。それを聞いてて、僕は兄よりずいぶん若いので、「お前やれ」ということやなと、プレッシャーを感じてて、「7月7日ころからやろか」と言って…。
絹: それが4年前。

●ゴミと草ぼうぼう、なんとかせんとあかん!
酒: そうです。その時に小林さんが近くにいはって、「私も手伝っていいよ」と言ってくれはったんです。それで流れがパッと変わったんです。2人でとにかく泣きながらやろと(笑)。
一週間口コミだけで、ワーワー言って、「どれだけ集まるかわからへんけど、とにかくやろ」と言って、7月7日にやることになりました。結局12人集まったんです。その12人集まっただけでもね。一週間足らずですよね。それでもう、ちょっと感激して、とにかくやったということで、肩の荷がちょっと下りたわけです。そしたら参加している人が、「ひょっとしたら一回で終わるのとちゃうやろな」と、プレッシャーをかけられてね。で、小林さんが7のつく日に毎月やろうということになって、現在に至るわけです。

●毎月7のつく日に、雨でも台風でも大雪でも
絹: もうそしたら何回くらいになるんですかね。毎月やったはるんですよね。
酒: 次の7月7日で37回目になります。
絹: そやけど、よう続きましたね。その7日というのが、七条大橋の7で、お休みの日ばかりでなく、ウィークデーでも7でやろうと、貫いたわけですね。
酒: そうです。まあ雨が降ろうが、台風が来ようが、雪が降ろうが、やるやらないは現場で考えようと。でも一回も中止になったことがないんです。それがすごいんです。
絹: 雨でも大雪でも。
酒: はい。
絹: 当初から12人という面子は変化していかれましたか?

●参加人数が画期的に増加!
酒: それが回を増すごとに、どんどん増えてくると。画期的に増えたのは、2年くらい前ですかね。近所の有名なホテルが20人、掃除しますと。
絹: あの辺の有名なホテルというと、フォーシーズンズができる前の…。
酒: ハイアットリージェンシーです。総支配人はじめ上から下まで来られて、それをホームページにアップされたんです。「近所の七条大橋、社会貢献の一助として、携わっています」と。それをフォーシーズンズが見られて、すぐに電話がかかってきた。面白いでしょ?
絹: これはハイアットさんに負けてられんと。
酒: かってきて、まさかフォーシーズンズからうちに電話があるなんて、夢にも思ってないし、なんのこっちゃと聞いたら、「うちも七条大橋に掃除に行きたい」とおっしゃった。ウェルカムですよ。
絹: そうすると30回を超える頃には、どっと来てた。先ほどの打ち合わせでは三桁を超えたとおっしゃってましたよね。

●30回目の記念イベントには、三桁超え!
酒: そうです。その時、30回目なんですけど、記念なので色んな所に丁寧に声を掛けたわけです。ハイアットさん、フォーシーズンズさん、それからうちの近所には京女さんがある。それから新しくできた京都美術工芸大学。
絹: あ、新谷さんとこや。
酒: そう、そう、新谷さんとこ。ここにもずっと声を掛けて、来ていただけるようになって。そして私が卒園した名門の、近所にある昭和保育園から園児も来ると。30回目のイベントなので、私が懇意にしている京都タワーのたわわちゃんも来てくれました。
絹: キャラクターですね。
酒: そうです。門川市長も来ていただきました。園児はもうたわわちゃん一色。門川さん、何か被らんと誰も来ないという状態になって(笑)。
絹: はなちゃんも行った?
明: はなちゃんはその日は平日なので、小学校に行ってますね(笑)。
絹: 失礼しました(笑)。

●あって当たり前の橋が、お掃除をしてもらって、注目を浴びて
絹: 明音さん、僕も建設屋ですから、橋をキレイにとか、ライトアップとか、こうした土木構造物、普段は注目を浴びる事もない、あって当たり前、通れて当たり前の道だとか橋だとかに、酒谷さんみたいな一般の方、あるいはそこへ12人から始まって116人?
明: そうです。30回目にはそうなりました。
絹: それをお掃除して下さること自体が、実は無茶苦茶うれしいんです。しかも100年超えた橋が長寿命で、まだ現役で頑張っている。そのことを一般市民が知って下さって、しかもライトアップと。この七条大橋のお掃除を続けておられること、人数が増えたということの、ご近所の五つ星や四つ星の有名ホテルが来てくださったことだけではなく、明音さん自身がすごい賞を取ってしまったということが人を増やすことに繋がったという話も聞いたことがあるんですけど。
明: 恥ずかしながら(笑)。
絹: その賞について、ちょっとお話をしてください。

■エピソード2  すごい賞をいただいて、人がどんどん繋がって
●七条大橋のすばらしさを知ってほしい
明: 今、絹川さんがおっしゃっていただいた通りで、私も土木のことを学んできた端くれとして、七条大橋のすばらしさ、100年以上前につくられた鉄筋コンクリートアーチ橋で、土木構造物としても大変貴重で、こんな素晴らしい橋が身近にあるんだよということを、まず地元の方々に知って頂きたかったんです。知って頂いて、誇りに思って頂きたいと。そうすることで七条大橋だけではなくて、他の橋でも、土木は色々なお仕事をしていますから、そういった事に対する理解に繋げていけたらなと個人的には思って…。
絹: うわあ、そんなこと聞いたら、京都の建設屋泣きますよ(笑)。
明: やっぱりご苦労とか、よくわかりますし、小さな事から、私にできる事からということで、七条大橋に参加させてもらってます。

●京都・eco女グランプリで、受賞!
明: 私がどうのと言える立場ではないんですけど、一応共同代表という肩書を頂いてできることは何だろうと思った時に、たまたま「ミスアースジャパン」のプレイベントの開催を知ったんです。「ミスアースジャパン」は、世界4大ミスコンの1つなんです。
絹: そないにたいそなミスコンやったんですか(笑)。
明: 実は(笑)。ファイナルは世界大会があるんです。
その「ミスアースジャパン」の京都大会が先日行われまして、そのプレイベントとして、第一回「京都・ecoグランプリ」という大会をされたんですね。その「ミスアースジャパン」の方は華々しくて、美貌を含め、年齢条件もありますし、私ごときが出られる大会ではないのですが(笑)、「京都・eco女グランプリ」の方は年齢制限も条件もなく、女の人なら出られるということで、私にできるのはこれかもしれないと、出させていただいたんですね。そうしたら、グランプリは立命館大学の学生さんが見事受賞されたんですが、準グランプリということで、「DO YOU KYOTO ?」賞というのを頂きまして、大変栄えある賞を、準グランプリということで、本当にうれしかったんです。
絹: その「DO YOU KYOTO ?」賞をお取りになるに際して、明音さんはプレゼンをされたわけですよね。
明: そうです。プレゼンさせていただきました。
絹: プレゼンの内容は、この七条大橋。
明: もちろんです。七条大橋を背負って行ってまいりました。
絹: それで「なるほど!あんた、準グランプリ!」という感じだったわけですね。

●土木と環境、相対するもの?
明: そうなんです。「eco女」ですから、環境系の方が多いんですね。主催者の方も、来られる方も。で、きっと絹川さんも同じような思いをされるかもしれないですけど、土木と環境って、結構相対すると言うか、何かすると環境に影響を与えるような…。
絹: いやあ、以前はダム反対運動とかありましたもの。
明: 生態系に何か影響を及ぼすとか、そういった話があるなかで…。
絹: 希少種がある場所で、「サッカースタジアムをつくるのは、よく考えないと…。」みたいな(笑)。ちゃんと環境の影響評価をして、場所を選定したり、工期を変えたりとか、国交省を始め、すごく気を遣ってらっしゃいますよね。
明: そうなんですよ。そういう場で土木の事について語らせていただいて、評価をいただけたと、そのことがまず私にとっては、すごく有難かったんです。
絹: 土木技術者の鑑!
明: ありがとうございます。

●賞をいただいた事より、人が繋がっていくことがうれしい…
明: そしたら事務局の方もどう思って頂けたのかわからないですけれども、次の回に予告なくふらっと来ていただけたんです。やっぱりプレゼンが響いたと確信する瞬間だったと思います。賞をいただいた事よりも、人が繋がっていくことが、すごくうれしかったです。
絹: その「ミスアースジャパン」京都事務局の方が来られたんですか。
明: 事務局の方も来られましたし、見事「ミスアースジャパン」京都大会で賞を取られたような方も、美しい女性の方も…。
酒: 京都代表の…。
絹: フェイスブックに載ってた「なんでこんなべっぴんさんが掃除してるんや」というような、あの写真ですか?あ、そうかあ。そういう影響があったんだ。
酒: 実際、私は応援がてら明音さんのプレゼンをきいたんですけど、やっぱり土木構造的なことも含め、掃除のことも含め、熱い思いをきっちり語られたということが、非常に一緒にやっている者としては、聞いてて涙が出るくらいうれしかったんです。やっぱり熱い思いが波紋を呼ぶと言いますか、まさしく言葉と実績でそういう具合に広がったということ、ものすごく喜んでます。

●七条大橋の魅力と歴史
絹: 資料としていただいた趣意書のなかから、少しだけ読ませていただきます。
七条大橋の魅力:七条大橋は鉄筋コンクリート技術が使われ始めた当時の国内最大規模の土木建造物です。その重厚で力強い構造とリズミカルなラインが放つ魅力を味わっていただきたいと思います。
七条大橋の歴史:七条大橋は京都が明治から大正期に近代都市として脱皮した「三大事業」の一環でつくられました。そこには京都の近代化の物語があります。また昭和10年には鴨川大洪水、戦時中には軍部の金属供出命令によって高覧や照明灯が撤去される受難にも遭いました。
こういうプレゼンをされたわけですよね。
酒: そうですね。

●人が繋がる、その輪が広がる
絹: 小林明音さんのそういうご努力、それから地道に7月7日から始まって、今年で活動4周年のお掃除プロジェクト、どんどん人が増えていきます。そしてさっきびっくりしたんですけど、この動き、拡大しているらしいですね。二条だとか、丸太町、鴨川デルタと、仲間が増えているらしいですね。それもちょっとだけお話頂けませんか。
酒: 鴨川デルタで活動している青年が七条大橋に掃除をしにきてくれて、その熱気をそのまま自分の地元のデルタでやりたいということで、頑張っています。まだ6~7回なんですが、これ楽しみなんです。
絹: 僕は一回だけふらっと立ち寄って、後の反省会や意見交換会出させていただいたんですけど、そういう方が確かに来ておられました。そして酒谷さんとこに集まっていらっしゃる、お掃除した後、お茶を飲みながら意見交換会をなさっている、あれが素晴らしいですね。で、集まって来られている人たちは、何か潜在エネルギーをそれぞれ色々お持ちの方がいらっしゃるから、そういう広がりに繋がるのかなと思っておりました。

■エピソード3 そして今年もやります 七条大橋ライトアップ2018
●七条大橋ライトアップ2017はこんな感じでした
絹: さて、去年のライトアップから、今年も2018と、動きが広がっていきます。手元にすごいキレイなプロの写真家がお撮りになった七条大橋のライトアップの写真、それからセピアの写真、フォトコンテスト2017とあります。「フォトコンテストは今年もやらはらへんのですか?」という問い合わせもあったそうですが、イベントをするって、結構大変ですよね。で、「応援して下さい」というタイトルにもなっています。2018はどうなっていくのでしょうか。この辺りについて、お願いいたします。
明: 去年、初めて掃除だけではないイベントをさせてもらいました。ライトアップとフォトコンテストです。初めての事で、私たちもどうなることかとわからないなかで開催させてもらったのですが、結果としてフォトコンテストの方は77名の方に応募いただきましたし…。
sichijoohashi
絹: いい数字ですねえ。それはちょっと調整が入っているんじゃないですか(笑)?

●ただ、ちょっと大変な部分もありまして…
明: いやあ(笑)、入ってないです。で、ライトアップの方も500枚用意したパンフレットがほぼ捌けているという状況で、一定の影響はあったのかなと私たちは思っています。ただ、実施に関しては、たくさんのスタッフの方に、夜、お手伝いに来ていただいたりと、すごく大変だった面もあるので、私も酒谷さんも、これは続けた方がいいんだろうか、どうしようかと悩んでいたところでした。
ところが、意見交換に来られている方が「本当に手伝っていて楽しかったし、今年もやろうよ」と。「せめてライトアップはやろうよ」ということで、今年はライトアップ一本に絞って、是非もう一度あの時の感動を実現したいなと思っています。
絹: ライトアップって、実は照明器具のセッティングとか、めちゃくちゃ大変なはずですよね。
明: そうなんです。素人ができるような代物ではないんですが、やってしまいまして。それに設置に関して資金もやっぱり要るわけで、カンパを今年は早いうちから募りまして。
絹: そのカンパを募るための準備のイベントをやろうと。

●7月7日 応援チャリティーライブやります!
酒: 大橋ライトアップ2018 応援チャリティーライブ」お掃除に来ていただいている方々の中に、ミュージシャンがおいでになるのと…。
絹: 例のフラリーパットさんもそうですね。
酒: フラリーパットさんはスケジュールが合わなくて、今回はできないんですけど、フラリーパットさんがつくってくれた『七条大橋の上には』という曲は、必ずミュージシャンが演奏してくれます。
絹: リスナーの皆さん、フラリーパットというカタカナの、若い二人組のアーティストですけれども、地元京都の方ですか?
酒: はい。東山なんですよね。最初はウクレレとギターのインストユニットだったのが、ここ2年ほどは歌ありの曲も歌うようになって、結構ブレイクしつつあるところです。
絹: 『七条大橋の上には』という曲は、検索していただいたらYouTubeで引っかかると思いますので、もしよろしければお聞きください。

●盛りだくさんなラインナップです。是非いらしてください!
絹: そしてこの応援チャリティーライブの日付等について教えていただけますか。確かやっぱり7のつく日ですよね。
酒: はい。2018年7月7日の土曜日、9時から10時まではいつものように掃除をする。その後やっぱりミーティングをして、その後に応援チャリティーライブをやります。開演が11時50分から15時30分までです。参加ミュージシャンは7ユニットで、それもバラエティに富んだミュージシャンが出てくれます。
絹: フラダンスあり、雅楽あり、篠笛あり、京都美術工芸大学の軽音楽あり、京女も来る。
酒: 「京炎そでふれ」の京小町さんが来てくれます。
絹: そして日舞、これはきっと小林はなちゃんが踊ってるやつやな?
酒: はい。
絹: そしてフォーク&スタンダード ブラブラーナ 佐々木ゆかさんほか。
そしてこちらにお持ちいただいたんですけど、会場では1000円のカンパで京都七条大橋手ぬぐい、それから300円のカンパでフォトコンテストの受賞作品を始めとするはがきセット、または缶バッチ、これは酒谷さんが撮られた写真も入っているとのことですね。「一緒に七条大橋をキレイにしませんか」という缶バッチ、楽しいイベントです。七条大橋の本番のライトアップを応援するという気持ちのあるカンパです。してもいいよという人は、7月7日のできればお掃除から。お掃除しんどいなという人は11時50分から、集酉楽サカタニさんでチャリティーライブです!
この番組は心を建てる公成建設の協力と、京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。酒谷さん、小林明音さん、はなちゃん、ありがとうございました。
全: ありがとうございました。
投稿日:2018/07/03

第137回 ・どっちが本業?~歌手にして僧侶 柱本めぐみさんに聴く

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年5月放送分>

柱: 柱本 めぐみ氏(明覺寺住職・ソプラノ歌手)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
fujitamegumi1

 

************************************************************************
まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
************************************************************************
絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト紹介ですが、ちょっと今回は緊張しております。というのは、小学校、中学校、高校と全部同級生で、しかもクラスの優等生で、私が「こいつには一生、頭上がらへん」というゲストです。偶然、ご縁がありまして、お呼びいたしました。柱本めぐみさんです。
柱: こんにちは。優等生ではなかったと思うんですけど(笑)、はい。
絹: ええ?優等生でなかったら芸大に行ける?
柱: いやあ、まあまあそれなりに(笑)。
絹: 私は勉強では絶対に勝てないというトラウマを抱えながらの番組進行になります。
柱: いやいや(笑)。
絹: それでは柱本さんのプロフィール、今一端をご紹介しましたけれども、僕の方からもう少しご紹介させていただきます。
柱本めぐみさん、京都市生まれ、京都市立芸術大学声楽専攻卒業、そしてソプラノ歌手と書いてあります。歌を歌われる時は、旧姓の藤田めぐみさんに戻られるんですよね。
柱: はい。
絹: だけど、1490年(延徳2年)に創建された明覺寺の第二十代住職、僧籍にあられるんですよね。
柱: はい。お坊さんなんです。
絹: リスナーの皆さんの中で、柱本めぐみさんのお名前に憶えがあるという方は、たぶん京都新聞の「暖流」というコラムではないでしょうか。
柱: もう3年くらいになりますかね。
絹: 月1で書いていらっしゃる?
柱: 今、2ヵ月に1回くらいでしょうか。
絹: そのコラムに寄稿されています。
今日の番組のテーマですけれども「どっちが本業?~歌手にして僧侶 柱本めぐみさんに聴く」と題してお送りいたします。
megumijuushoku

■エピソード1 古刹の二十代目の御住職、なんでなったん?
●お寺の息子と結婚して…
絹: さて、エピソード1。さっきご紹介しましたけれども、ごっつう古いお寺の二十代目の御住職になんでなったん?
柱: 皆さん、人生、何が起こるかわからないというご経験はたくさんお持ちだと思いますが、私も自分がまさかお坊さんになるなんて、全く考えてなかったんですけどね(笑)。
絹: そりゃあ、同級生、誰も思ってないでしょう。
柱: 同級生でも「え!」と思われたと思うんですけど(笑)、たまたま寺の息子が嫁に来てくれというので、歌を歌っているのも知っていましたから、「歌だけ歌ってたらいいから、嫁に来てくれ」というので。私は一人娘なんですけど、親も「お寺に嫁げば、京都から離れへんやろう」という思いとご仏縁を頂くのもいいだろうというので、寺にお嫁に行ったと言いますか、行った先がお寺だったというだけのことだったんですけどね。
絹: 結婚された当初もコンサート活動は続けていらっしゃって、僕、案内をもらってもほとんど行かなかったんですが、御所の近所のアルティに…。
柱: あそこでもリサイタルしたことありますね。
絹: そこに1回だけ、お花だけ届けて、その時にまだお元気だったころの御主人に1回だけお会いした覚えがあります。
柱: あ、お会いになったんですか。知りませんでした。
絹: おぼろげながら覚えています。もうだいぶ前ですけど。
柱: ずいぶん昔ですね。

●仏教って、お寺って、何かなと考え始めて
絹: 考えてみれば、ご主人が元気ならお坊さんにはならないですよね。
柱: でも、お坊さんにはなったんですね。やっぱり「寺の事は何にもせんでええ」と言われても、毎日寺に暮らしていますと、「仏教って、何かな」「寺って、何かな」と思うようになって、ちょっと勉強したいなという気持ちで、得度だけはしまして。
絹: 結婚と同時にですか?
柱: いえいえ、子どもが小学生くらいの時ですね。
絹: でも、悲しい思い出になるのですけど、ご主人が早くに…。四十代でしたっけ。
柱: 五十になったとこでしたね。

●そして寺に誰もいなくなった…
絹: 若いのにお亡くなりになって、それがご縁で歌手にして僧侶という道に行かれたんですね。
柱: そうですね。その前年に義父も亡くなり、住職も亡くなり、「そして寺に誰もいなくなった」みたいな感じで、「寺、どうすんねん」という感じだったんですけど、何の抵抗もなくねえ…。
絹: そのお義父さん、つまり前住職がお亡くなりになって、翌年にご主人が、またお義母さんも…。
柱: そうですね。二年置いて、義母も亡くなって。
絹: もうバタバタと。なんでこんだけ続くねんという…。
柱: そうです。ですから4~5年はもう看病だけの日々でしたから、歌なんかどっかに飛んでいました。
絹: 柱本さんは同窓会の世話も一生懸命してくださる人なんですけど、私もあんまり行かない同窓会にご一緒した時に、すごくやつれていた時期があったなという記憶があるんですよ。
柱: 自分では一生懸命しているつもりでもね。やっぱりそうだったかもしれないですね。
絹: たぶんその時期だったんだろうなと思います。
そして宗教者として、歌手として、活動を続けておられるんですが、明覺寺にたまにおじゃますると、ちょっと何か違うなという感覚を受けるんですけど、すごく変わったことをお寺でされていません?

●お寺で何か楽しいことをしたい、みんなに来てもらいたい
柱: 私は何も知らなくて、寺を継いだんですけど、元々寺の生まれではなかったですから、お寺ということも、仏教もあまり深く勉強したこともなかったんですけど、手探りでやっているうちに、昔は葬式や法事でお坊さんが来る所というイメージだったんですけど、考えてみたら死んでしまったら宗教って、いらないわけですから。
「宗教やお寺というのは生きている人のためにあるんや」と考えた時に、何ができるのかと思ったら、せっかくお寺という空間があるんやから、何か楽しいことをしたい。そしてみんなに来てもらいたい。そんな気持ちがあったんですよね。

●明覺寺の夕方市のこと
絹: 明覺寺さんて、会社のそばなんです。歩いて5分で行けるところに、彼女、いたはるんです(笑)。行った時に覚えているのは、1490年から続いているお寺の御門前で、市が立っているんです。夕方市が。
柱: お野菜市ね。
絹: これ、読みますね。
「明覺寺夕方市 新鮮なお野菜をはじめ、毎回大好評」
毎月第二水曜って、これ、今でもそうですか?
柱: はい。事情で飛ぶ時はあるんですけど、基本的にそれでやっています。
絹: 14時から、5月からは15時から。NPOの「いのちの里・京都村」の方たちが来られると。
柱: 定期的にやる場所を探しておられたので。過疎地のお野菜を集めて売っておられるんです。それを集めてくるので夕方になるんです。
目の見えないところでもそれをすることで、色んな人たちと繋がるという気持ちもありましたし、実際にそうやって夕方市をすると、顔を知っていてもなかなか言葉を交わす機会がなかったご近所の方とも、お話をする機会もできましたし、すごくうれしいなと思っています。
絹: やるなあ。あんまり遅がけに行くと、売り切れていてないんですよ。安心で美味しそうなお野菜を中心に京都府下の産品が並べられていて、買い物に来た人とおしゃべりをしながらね。
女性で猟銃をぶっぱなすハンターがいらして。
柱: 彼女も命について考えるということで、共通点を見出したというか、そんな感じで始めたんですけど、それと過疎地では色んな工夫をして、ジャムを作ってみたり、お菓子を作ってみたり、お味噌とか、そういうものも販売させてもらっています。
絹: リスナーの皆さん、下京区近辺の人は覚えておられたら、結構掘り出し物ですよ。
柱: 6月は休みなんですけど、7月からまたやりますので。
yugataichi

●開かれたお寺を目指して
絹: こういうことに象徴されるように、開かれたお寺を目指しておられるなというのが、すごく私の記憶に残っていまして、これだけじゃないでしょ。
柱: そうですね。落語会もしていますし、この頃は若い人たちも集まって、寺という空間を自由な発想、新しい発想で使ってもらいたいという思いがあるんです。
ですからデスカフェだったり…。
絹: デスカフェって、デスノートのデスですよ。「death」、つまり死のカフェ。
柱: そうです。死について語り合うっていう。入棺体験、棺に入る体験をしてみたりとか。
絹: 若い人は無茶しますねえ(笑)。
柱: 私も入ってみましたけれども、そういう発想を応援したいという気持ちもありますし、そういうことで、やっぱり本堂の前に靴がたくさん脱いであるというのは、私、すごくうれしいんです。まちなかの小さな小さな寺なんですけど、そこから人の声が、笑い声がする、それがすごく大好きなんですよね。
絹: 御本山も龍谷大学も近いし、若いお坊さんがよく集まってきはると。その中には息子さんも当然いはる。
柱: そうですね。息子も皆さんに育てていただきました(笑)。

●住職も歌も、私の生きている基本なんです
絹: いい感じですね。あ、今気が付いたんですが、これ、BGMで流れているの、目の前でしゃべってくれている柱本めぐみさんの声ですよ。ちょっと一回、音量を上げて聞いてみましょう。
同級生の中に、こういうプロの歌手がおられるというのが、驚きではあります。二足の草鞋、どっちが本業、どっちも本業という柱本めぐみさんです。
柱: そうですね。私の中ではどっちが本業と言われても答えはなくて、どっちも仕事ではなくて、生きている基本みたいなところがあるんですね。
元々クラシックをやっていたんですけど、ちょっと話があって、ホテルのディナーショーみたいなのをするようになって。
そこでも人の縁ができて、「ジャズが好き」「シャンソンが好き」「こんな映画音楽が好き」と、皆さんリクエストを下さって、それでこういう歌も歌うようになりました。
それも皆さんに教えていただいたことですし、私、毎日毎日皆さんに色んな気づきを頂いて、生きている感じがするので感謝をしておりますし、やはり人の繋がりって大事やなというのは、毎日色んな所で思わせてもらっています。

■エピソード2 唱歌との再会、そして…
●きっかけは海外コンサートでした
絹: 海外でもコンサートされた経験が何度かあって、そこからチョイスされる歌が変化していったと、さっき教えていただきましたけれども。
柱: やっぱり家族を見送ったなかで、命を考える歌って何かなと考えたことも、1つのきっかけなのですが、クラシックをずっとやっていましたし、現代音楽もやっていまして、その中で海外でコンサートをしていたんです。その後のパーティーでお国自慢が始まって、「めぐみも日本の曲歌ってよ」と言われたら、はてと(笑)。
「私は何を歌ったらいいんやろと思った時に、かろうじて「赤とんぼ」を思い出したんです。そこで「赤とんぼ」をアカペラで歌ったら、すごく静かで、すごく単純で…。その時、会場がシーンとなってしまって、それまでワーッと騒いでいた人が「なんと美しいメロディーなんだ」と、みんなが口を揃えて言ってくれて。
もちろん日本語も通じないですし、初めて聞く曲のはずなんですが、「えっ」と思った時に、「あ、私は日本人やった」と。それと「日本の音楽を大事にせなあかん」と思ったのをきっかけに、唱歌・抒情歌というものを歌い始めたんです。
最初は手探りでしたけど、歌うにつれて、色んな事を考えるようになってきて、色んな唱歌を今、歌わせていただいています。

●唱歌、なんだか懐かしい感じがしませんか?
柱: ちょっとここで、唱歌を一曲聞いて頂きたいなと思います。

卯の花のにおう垣根に
ほととぎす 早も来鳴きて
忍び音もらす 夏は来ぬ
さみだれの そそぐ山田に
早乙女が 裳裾ぬらして
玉苗植うる 夏は来ぬ

絹: すごい。同級生が歌っているって、信じられない…。
柱: こんな曲があったんやって、思わはったでしょ?懐かしい感じがしません?
絹: 「夏は来ぬ」って、プロが歌うと、こんななるの?
柱: 色んな歌い方があると思うんですけど、これは景色を歌っていますけど、日本の四季ですね。
絹: 効果音の鈴ですか?たまらないですね。
柱: これをみんなでバンドのメンバーと一緒につくり上げたんです。
絹: やっぱりプロなんですねえ。いいなあ。僕の死んだ弟もミュージシャンをやっていたので、音楽ができる人はすごいなあと本当に思う。
柱: こうやって、仲間で1つのものを作り上げる喜びというのも感じさせてもらっていますし、こういうのをできたらおじいちゃん、おばあちゃんがお孫さんと一緒に聴いて下さったり、仕事で疲れた時に、ふっと寝る前にでも聴いて、リラックスしてもらったらいいかなというイメージで作らせてもらったんですけど。

●父の日コンサートの始まり
絹: 唱歌に目覚められたという動きが、おそらくは次なる父の日のチャリティーコンサートに繋がっていくのだろうと拝察しますが、父の日のチャリティーコンサートって、そもそもどうやって始まったんですか。
柱: ずっとディナーショーをしていまして、ジャズやらラテンやらを歌っていたのですが、そのホテルが建て替えになるのを機会に、元々はホールでコンサートをしていましたから、ちょっとそこへ戻ってみようかという気持ちで始めました。
そのホールというのが抽選で日が決まるんですけど、それに当たったのが父の日だったんです(笑)。実はその会館が出来た時に、うちの父が関わっていたというのがありまして…。
絹: 父上は京都府の職員であられて…。
柱: そうなんです。そのホールで父の事を覚えていてくださった方もいらして、ちょうど父の三十三回忌であったこともあり、色んな事が重なって、「これは父の日コンサートにしよう!」と思い立ちました。
絹: 世の中には不思議な偶然がありますねえ。

●チャリティーコンサートにしたい…
柱: せっかくなので広告掲載をしていただこうかなという動きの中で、寄付しようかなという…。
絹: その寄付先がライトハウス?
柱: ライトハウスというところでお手伝いをさせていただくなかで、皆さんがすごくイキイキ生きておられるお姿を見て、お歌もお好きだと聞いたので、ちょっとそこにも寄付させていただこうと。コンサートにも招待させていただいて、コラムも書いているので、京都新聞を通じて、福祉施設に寄付させていただこうという活動も始めたんです。
絹: 今年は6月の16日の土曜日に、その亡くなられた父上がご縁のあった京都府立文化芸術会館、御所の東側ですよね。
柱: 府立病院の向いですね。
絹: これは小さい時から、よく出てたって?
柱: そうですね。小さい時はピアノの発表会もここでやったりしましたし、手ごろなホールって、京都にそんなにないので、本当に足しげくコンサートに行ったホールですね。
絹: 私も落語を聞きに行ったり…。
柱: 落語もやっていますよね。お芝居もやっていますし。

●父の日コンサートのご案内
絹: 6月の16日、午後3時開演。前売りが5,000円、当日が5,500円ですけれども、そういうチャリティーの要素を強くお持ちになっているコンサートです。もちろんボーカルは柱本めぐみ、歌手の時は藤田めぐみに戻られて、このメンバーさんをご紹介願えますか。
柱: はい。ピアノは作曲家でもある釋恵一さん。これも不思議でずっと離れ離れで活動していたんですけど、ディナーショーをやっていた時に、隣の部屋でしゃっくんがピアノを弾いていて、「うわ、何年ぶりやろ」と言ったのが初めで、「ほんなら一緒にしよか」となりました。もうウン十年も離れてたのに。
絹: ピアノって、めぐみさん、自分で弾けるやん。
柱: 弾きますけど、こういうバンドで歌う時は、自分で思いっきり歌うにはまた違うので…。
他のメンバーはその時によって違うんですけど、パーカッションのあゆちゃんとか、ヴァイオリンのYu-Maくんとか、常に一緒にやってくれて、先ほどのCDも一緒につくり上げた仲間です。
諏訪ミュージカルスクール生の子どもたちが一緒に歌ってくれて、今年はサウンドオブミュージックをしますけど、去年はそれこそ浴衣を着て唱歌を歌ってもらったんです。子どもたち「この曲、全然知らん」とか言いながら、それでも一生懸命やってくれて、そういう舞台もありますし、皆さんご存知のラテンとかジャズとか、欲張りのコンサートになっています。
絹: 6月の土曜日の昼下がり、ご家族で、もしよろしければいらっしゃってはいかがでしょうか。そして視覚障碍者の方々には親子ペアで5組をご招待されていると。そしてその収益を寄付されているという企画です。
歌手にして僧侶、僧侶にして歌手。
柱: どっちもです。
hujitamegumi

●人の輪をつくりたい
絹: どっちも本業。今日は柱本めぐみさんをゲストにお招きして、このチョビット推進室で音楽をかけることって、めったにない事なんですけど…。
注目している同級生のお一人であります。また、地域に開かれたお寺を運営されていることに、すごく感銘を受けておりまして、ちょっと刺激的なフレーズですけど、さっき番組の打ち合わせをしていて、「観光寺院行っても、手を合わせへんやん?」という話(笑)、これは石が飛んでくるかもしれませんが。でも、お寺で手を合わせる、先ほど言われたように、お寺の玄関先に多くの脱がれた靴が集まる。人が集まる、「一堂に会する」は本来仏教用語だったと教えていただきましたけれども、「一堂に会する」ために歌というツールも十分にお使いになっているわけですね。
柱: だから私にとっては、人の輪ができる、今日一日を楽しく過ごすのが、音楽であろうと、仏教であろうと、食事であろうと、私ができることで人の輪ができればいいなという思いでやっています。

●日曜学校も始めました
柱: 今、日曜学校も始めましてね。月に1回なんですけど。最終日曜日の1回だけなんですけど。
絹: 僕ら、日曜学校というとキリスト教の教会イメージがあったけど、ちゃんと明覺寺さんでやったはるんや(笑)。
柱: それも玄関に子どもの靴が脱いであって、子どもの声がすると、また一層うれしいんですよ。走り回る子どもを抑えんならん時もありますけど(笑)。
絹: 原則、毎月最終日曜日。9時半から11時頃。なんと1年間で1,000円。ほぼボランティアで…。
柱: そうなんです。お念珠とお経本をプレゼントします。それ込みで(笑)。
絹: リスナーの皆さん、いかがでしたか。下京区の古いお寺、明覺寺をあずかられるご住職、柱本めぐみさん、歌手になられる時は藤田めぐみさん。もしご興味のある方は、YouTube始め、色んなもので検索して、個性・肉声に迫っていただければと思います。うーん、おもろい人が下京区にはおる。。。
柱: ありがとうございます。御興味のある方、ファックスとかメールとかでご連絡いただければと思います。音楽の方も、お寺の方も、ファックスが 075-371-7996 で、メールは meg.fjt.office@gmail.com です。
絹: リスナーの皆さん、いかがでしたか。少し毛色の変わったゲストでしたが、京都ではこういうタレントを有した人が、そこかしこで一隅を照らす活動をされています。気が付かれた時は、サポートよろしくお願いします。
柱: よろしくお願いします。
絹: それじゃあ、めぐみさん。ありがとうございました。
柱: ありがとうございました。
※関連リンク
藤田めぐみ様オフィシャルサイトhttp://meg.main.jp/
藤田めぐみ様オフィシャルブログhttp://blog.meg.main.jp/
投稿日:2018/05/21

第136回 ・「京都国際子ども映画祭」ってご存知ですか? ~キンダーフィルムフェスト 子どもによる子供のための国際映画祭

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年4月放送分>

植: 植田 真由氏(特定非営利活動法人キンダーフィルムフェスト京都 理事長)
田: 田勢 奈央氏(特定非営利活動法人キンダーフィルムフェスト京都 理事)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
DSC_0122
左:植田 真由氏 右:田勢 奈央氏

 

************************************************************************
まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
************************************************************************
絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最前線のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト、お二方、今日は女性比率が高いです。女性お二人にお越しいただいております。まずお一人目。NPO法人キンダーフィルムフェスト京都の理事長でいらっしゃいます植田真由さんです。
植: 植田真由です。よろしくお願いします。
絹: ようこそ!
そして同じくNPO法人キンダーフィルムフェスト京都の理事でもあられます田勢奈央さん。
田: はい、田勢です。よろしくお願いします。
絹: 田勢さんは、古くはないけど、私はよく知っているというか。
リスナーの皆さん、Impact Hub京都って、聞いた事ないですか?すっごく面白い場所が京都にもあって、府庁の近所なんですけどね。Impact Hubって、世界に何十か所かあるんですよね。
田: そうですね。90か所ちょっとでしょうか、世界の色んな都市にインパクトハブという団体がありまして、コワーキングのネットワークを広げていこうというコミュニティなんです。
絹: そこのスタッフをされていた時期に知り合いました。「Dojo for Change」って、なんかすごい名前でしょ?楽しい場所なんです。また、気にかけていただけたらと思います。

■エピソード1 そもそも「京都国際子ども映画祭」って、なんやねん
●京都子ども映画祭のはじまり
絹: さて、本日の番組タイトルですが、「京都国際子ども映画祭って、ご存知ですか?~子どもによる子どものための国際映画祭」と題してお送りいたします。この京都国際子ども映画祭、この夏の8月の2日から5日、ラジオカフェのお近くの京都文化博物館で(地元の者は「文博」と呼んでいますが)開催されます。そしてご縁がありますね。偶然、わが社があの工事に参画しておりました!
両: あ、そうなんですか(笑)。
絹: 現場へ何人か行っておりましたし、改修工事にも参加しております。いい場所ですね。
さあ、この京都国際子ども映画祭について、メインゲストの植田真由さんと田勢奈央さんとともに、じっくり読み解いてまいります。
京都国際子ども映画祭、ご存知ない方も多いかと思いますので、植田さん、ざっとその来し方と言いますか、古いそうですね、実は。
植: 京都国際子ども映画祭は、毎年1回開催と考えて20年以上、今年で24年目になります。
絹: すみません!知らんかったあ!
植: 知られてないんです。これだけ長い事やっているのに。
絹: すごい良い事やってらっしゃるんですよね。
植: 1994年から始まったんですが、キンダーフィルムフェストという名前から、ちょっとピンと来られる方もいらっしゃるかもしれません。元々はドイツでやっているベルリン国際映画祭という大きな映画祭があるのですが、そこの子ども部門でキンダーフィルムフェストという、子ども向けに作品を上映しているセクションがあって、そこに行った映画人が日本でもこういうふうに子どもに向けた映画祭をやりたいということで、最初東京で始まって、その次に京都でやったのが、今まで続いているということです。
aaa  aa

●今さらですが、ゲストの紹介です
絹: 東京で始まって、京都で…。すみません、1つ僕、何か忘れているような気がします。えっと、ゲスト紹介をちゃんとやるのを忘れていました(笑)。こんな感じでゆるゆるどころか、低空飛行でやっている番組ですが(笑)。
ちょっと戻して頂いて、理事長の植田真由さん、先ほどの下打ち合わせで、専攻が映画でずっとご研究されていて、博士課程まで行っちゃったと。無茶苦茶映画の世界にどっぷりという感じの方ですが、リスナーの方にその人となりの一端をお伝えするのに、いつもの手抜きの他己紹介というやつを、田勢さんにお願いします。田勢さん、植田真由理事長とは、いかなる方ですか。
田: 植田さんは、ラジオだと声しか伝わらないので、あれですけど、見た目はすごく若い、もちろん年齢も若いのですが(笑)、2歳9か月の男の子を育てているママさん理事長なんです。
元々は映画を専門にしていることもあって、このNPOで、映画祭のための映画を選ぶ仕事をずっと担当されていて、そこからどんどん上がって行って、今、理事長を務めているという方です。
絹: おお、ご苦労様です。いやあ、映画関係者とお知り合いになるのは初めてです。
それじゃ交代で、今度は植田さん、田勢奈央さんとはどういう方ですか、短く述べよ。
植: 田勢さんは去年から映画祭に関わっていただいたんですけど、ものすごくパワフルな方なので、このパワフルさとエネルギーで、去年の映画祭は田勢さんがいなかったらできなかっただろうなというくらい貢献していただきました。私にとってもキンダーにとっても心の支えと言うか、全てにおいて支えになってもらっているような、頼りになる存在です。
絹: ありがとうございます。こそっと田勢さんのエピソードを追加しますと、テレビ人で以前TBSにおられて、番組制作にもということで、そういう世界にお詳しい方で、僕はインパクトハブで田勢さんに英語を習いました(笑)。
田: そういえばそんなこともありましたね(笑)。
植: 英語も堪能でいらっしゃるので…。

●子どもが中心の映画祭-見ることはもちろん、審査もします
絹: すっごくわかりやすい英語を使われます。
さて、元に戻りまして、このキンダーフィルムフェストについて、もう少し続きをお願いします。
ベルリン国際から始まって、東京、京都で日本版が始まった。内容はどんなことをやるんですか。
植: 本当に子どもが中心になっていて、子ども向けの作品を上映するのはもちろんなんですが、子ども審査員が上映される作品を全部見て、審査をしてグランプリを決めます。
絹: 何本くらい参加されるんですか?
植: 長編3本、短編7~8本をそれぞれ2回ずつ見ます。
絹: それって、見る方もすごい体力要りますよね。
植: すっごいハードスケジュールですね。

●今年は京都文化博物館でやります!
絹: 今年の会場は文博とのことですが、確か文博って、映画の資料が古い日本映画からずっとアーカイブがあるところと違いましたか。
植: はい、そうです。ポスターから雑誌からフィルムまで。
絹: だから映画資料を見るブースだとか、しつらえとか、ちょっと大きめのつくりのシアターとか…。いい場所を選ばれましたね。
植: 本当にお世話になっております。
絹: 24年前からでしょ?
植: 会場は結構色んな所を転々としていまして、文博さんでやらせていただいているのは、ここ7~8年なのですが。
絹: でも文博さんとしても、ようこんな企画をもってきてくれはったと喜んでおられるのではないですか。
植: そうですね。最初の頃は本当に「うちにこんなに子どもが来てくれるなんて…」と館長さんが喜んでおられたという話は聞きました。

●子どもたちが議論しながらグランプリを決めます
絹: 長編3本と短編7~8本を2回ずつ見て、審査員さんも子どもがいるんでしょ?
植: そうです。
絹: 結構な時間と体力を使うから、一日何時間くらい見るんですか。
植: 1日3本ですね。
5時間くらいシアターに座っていることになります。
絹: だから8月の夏休みなんですね。でも夏休みの自由研究としては、最高じゃないですか。
植: そうですね。去年は東京からおばさんが京都に住んでいるというので、夏休みを利用して、京都にわざわざ来て、映画祭に泊まりながら参加してくださったお子さんもいたりして…。
でも子どもたちはどの映画がいいかという議論を通じて、ほとんど初対面の子たちなのですが、どんどん仲良くなっていくんですね。それが大人としても、見ていてうれしいなと思いました。
絹: その長編3本と短編7~8本を見て、「私はこれを推します」みたいなのを、みんなで…。
田: そうです。「これのこういう所が良かった」というのをみんなで言い合って、みんな意見は違うのですが、多数決はせずに話し合いでグランプリを決めるわけです。
絹: その時に植田さんや田勢さんはその議論に加わって、ファシリテーションと言うか、議長と言うか、何かするんですか?
田: できるだけ口は出さないようにしています。「時間ないよ」とか、そういうことは言いますけど。

●子どもたちは感想文も書いて、公開します
植: あとみんな最後に感想文を書くんですね。感想文をグランプリ作品発表の時に、全員お客様の前でそれを読み上げるんです。自分たちが感動した映画について書く子もいれば、映画祭を通じて、どういう事を学んだかということを書いてくれる子どもたちもいて…。
田: 結構、常連さんはその作文を楽しみに見に来るみたいな方もいらっしゃって、子どもたちの成長っぷりがすごくよくわかるので。
絹: その2日から5日までの、映画祭の水面下の作業と言うか、ワークショップが大変で、一般に公開されて「グランプリ作品はこれだ」と、上映されますよね。子どもたちの感想文の発表もある。それは一般人に公開されるのですか。
植: もちろんです。
絹: それはいつですか?
植: 作文を読むのは4日で、グランプリ作品の上映は5日です。
絹: リスナーの皆さん、8月の4日5日は空けといていただけませんか。これは面白いですよ。子どもたちがどんな感想を持って、どんな作品を選んだか。ちょっと自分の手帳に書いておきます(笑)。
植: やはり大人が見る視点と子どもが見る視点が、微妙に違っていて、私も同じ映画を何回も見ているんですけど、子どもたちの感想を聞いて、「あ、そういう見方があったんだ!」というふうに気づかされることもあったりして、それは本当にこの子ども映画祭でないと味わえないことだなと思いますね。
絹: 今、僕の手帳を開けて、8月の4日5日に「キンダーフィルムフェストat文博」と入れておきました(笑)。
両: ありがとうございます!!
絹: いやあ、本当に外せない仕事さえなければ、絶対に行きたい!面白そう!
さて、リスナーの皆さん、だいたいどんなことが行われてきたか、概要をつかんでいただけましたしょうか。

■エピソード2 「京都国際子ども映画祭」、もっとズームしてみると…
●吹き替えワークショップって、どんなことするの?
絹: さらに、エピソード2でその内側をもうちょっとインタビューしようと試みますが、先ほどワークショップのことを少しだけ教えていただきましたが、子どもたちが吹き替えをやると。それもその場で。
植: はい、生でやります。
絹: 活動の弁士さんみたいな感じで合ってます?あんなイメージですか?
植: そうです。
絹: ちょっとその吹き替えワークショップについて、もう少し教えていただけますか。
田: うちで上映する映画は、海外から直接持ってくることが多いので、字幕も吹き替えもついていない作品を上映するんですね。でも、それだとちょっと子ども向けの映画祭としてはわからない。、じゃあどうやったらみんなにわかってもらえるのかということで、生吹き替えというのがつくようになったんです。子どもスタッフと去年から大人の方にも開いて、全6回の映画吹き替えワークショップというものを開講しております。
そこで劇団のプロの方から、最初は発声練習や、身体の動かし方といった基礎的な事から、後半は吹き替えをする映画を見ながら、アテレコをしていくみたいなワークショップです。
絹: と言いますと、8月の2日から5日までの4日間の中でその吹き替えワークショップも、同時進行なのですか?また別ですか?
田: ワークショップ自体は、映画祭が始まるまでに完了するようにして、そこで学んだ方たちが、映画祭当日に短編の生吹き替えをするという、本番が映画祭という感じですね。
絹: もし子育て最中の親御さんがいらっしゃったら、これは子どもさんの訓練プログラムとしては、夏休みに最高の部類じゃないでしょうか。吹き替え、声の出し方、ボイストレーニング、植田真由理事長が選んでこられた良質な映画を繰り返し見て、その場で吹き替え、自分の声であてるわけです。

●吹き替えワークショップを通じて、子どもたちが学ぶもの
田: 去年はチェコの映画や韓国の映画、中国の映画など、特に子どもだと、映画館ではなかなか見ない国の映画を、子どもたちが何回も何回も見て、やはり国が違っても笑うところは同じだったり、悲しいと思ったところは同じだったり、そういうことを子どもたちも映画を通して学びます。
私が去年初めて参加して感動したのは、吹き替えワークショップに参加されている方、去年は小学校3年生から70代の女性までいらっしゃったんですね。親子でも家族でもなく、全然年代も違う人たちが、すごくお互い励まし合って練習していて、やっぱり本番になると、皆さん素人の方たちなので、すごく緊張されるんです。でも、それを乗り越えていく様というのが、すごい見てて感動します。
やはり何回も何回も練習してきているのもありますし、映画祭の場でお金を払って来ていただいているので、それ相応のクオリティのものを出さなければいけないので、私たちも結構厳しくやっていきますし、劇団の指導してくれる先生も、そこはちゃんとクオリティを保つために色々教えて下さっています。
絹: プロの劇団の方が指導してくださるんですか。「やり直し!」とかって、やるんですか。
田: 結構、何回も何回も練習しますね。
植: 「もうちょっと今の所、やってみよか」みたいな感じで。
絹: その吹き替えワークショップは5月27日スタートで、これの期間と言いますか…。
田: 日程はホームページとフェイスブックの方に上げています。
絹: 興味のある方はぜひアクセスしてみてください。検索ワードは「キンダーフィルムフェスト京都」。さっきフェイスブックページだけちょっと眺めてきましたが、本当にいい表情をした子どもたちと、大人たちの画像が踊っております。いいですねえ。これは面白い。

●繋がる、広がる、吹き替えワークショップの輪
絹: さらにもう少し聞いてみたいのですが、吹き替えワークショップの中身、劇団の方が指導されている様子をもう少しお話いただけませんか。一番最初にやるのは、どんなことですか。あるいはどんな方が申し込んで来られたのですか。先ほど京都市さんを通じて、小学校にチラシをまくとおっしゃっていましたよね。
植: 小学校とかにまくのと、あとは口コミかフェイスブックを見て申し込んで来られる方が多くて、今年に関しては去年やった人がリピートされる方も結構いますし、あと小学校三年生の子が本番をやるのを、友達が見に来ていて、それを見て自分もやりたいと今年申し込んでくれる子が2~3人いますね。
田: みんなお母さんに連れられて映画祭に見に来たわけですが、吹き替えに関しても、子どもスタッフに関しても、子ども審査員に関しても、どの子もみんな楽しそうなので、たぶん子供の眼からそれを見て、「なんかあのお姉さんいいなあ」とか「あのお兄さん、楽しそうだな」と憧れて、入りに来てくれる人も結構いて、私たちが宣伝する力よりも何よりも、子どもたちの生き生きした顔が、お客様と翌年の参加者と言うか、子どもたちを呼んできてくれているんだなと思いますね。

●NPO自体が世代交代して、ドキドキワクワク、皆で作り上げている最中です
絹: 今、お話になっている田勢さんの表情を見ていて、田勢さんだったら、ドキュメンタリーとか作る能力があるから、ひょっとしたらキンダーフィルムフェストのドキュメンタリーをどこかで作ってやろうと構想しているんじゃないかと思っているんですが(笑)。
田: それ、すごいしたいんですけど、私がそれをしちゃうと、ちょっと回らなくなるところもあって(笑)。
絹: さっき植田真由理事長が、「田勢さんの加入ですごく助かった」とおっしゃっていましたね。いろいろ回してくださったと。
植: そうなんです。私、理事長になったのが、去年度が初の年度だったので、初めてで「どうしよう、何にもわからない」という状態だったんです。ずっと映画祭にはかかわっていたのですが、トップとして回すのが、去年が初めてだったので、パニック状態だったのを、田勢さんがすごくフォローしてくださって、そのお陰で…。
田: 去年から色々体制が変わって、新しいメンバーが出てきて、結構世代交代したんです。なのでみんなにとって去年は元からのスタートだったので、今も手探りで、本当に毎日のように色んな話をしながら作り上げているんですけど、今年も海外からゲストをお呼びするんですね。

●あの俳優さん、監督さんが来てる!!
田: 去年は、映画に出ていた俳優さんをドイツからお呼びしました。それから日本の上映した映画の監督さんや子役さんにも来ていただきました。
絹: なんかすごい大規模ですね!
田: 結構盛沢山なんです。
植: 子どもたちにしたら、映画に出ている人が来てる、監督さんが来てるというので、そういう方に直接会うことは、普通に過ごしているとないことなので、すごく貴重な時間なのだろうなと思います。
絹: いやあ、世の中知らないことがいっぱいあります。

●映画をつくる気持ちも体験してもらいたい…
田: だから映画を見るという機会だけではなくて、つくる側の気持ちも体験してもらいたいと思っています。
そこで映画の子どもスタッフたちが、上映前にちょっとした本当に短い動画をみんなで作るんです。それは毎年ちょっとずつテーマが違っていたりするんですけど、去年は映画が始まる前のプレビューとして、映画のDVDが文博に届く前の色んなシーンを、京都中を走り回って、嵐山に行ったり、二条城の前を走ったり…。
植: 京都の名所をそれぞれ撮影して、西からバージョンと東からバージョンでこう…。
絹: ひょっとしてそういうのって、YouTubeで検索したら見られます?
植: ホームページにあるんです。
絹: これちょっと見ましょう。リスナーの皆さんもご覧になったら、イメージしやすくなりますよ。
田: 子どもたちもやっぱり作る楽しさ、私も元々ずっと映像を作っている人間なので、作る楽しさも味わってほしいし、見る楽しさも味わってほしいという、その両方をなるべくできるようにしたいなと思っています。

●我々、建設業界にも映画振興に力を入れていらっしゃる会社があります
絹: いやあ、ご縁ですね。こういう生の情報を直接お持ちいただけるなんて。
さっきもちょっとお話しましたけれども、我々の建設業界の中でも舞鶴の志摩機械さんという建設機材をあちこちにご用意されたりする会社がありまして、とても映画に造詣が深いんです※。舞鶴でクローズされる映画館を私財で買い取られて、映画振興に力を入れていらっしゃったり、この京都三条ラジオカフェのように舞鶴にもコミュニティFM局がありまして、そちらのサポートをされたりしています。この間、エクスカーションに行かれた…。
※シマフィルム(株)リンクhttp://shimafilms.com/
植: 映画遠足ですね。
絹: 出町から行かれたんですよね。その出町座にも志摩機械さんが関わっていらっしゃるんです。

●映画遠足で出町座さんに行ってきました
絹: その映画遠足のこと、ちょっとだけ教えていただけませんか?
植: せっかく映画にまつわる団体に子どもたちに参加してもらっているので、もっと映画のことを知ってもらいたい、映画をみんなで楽しみたいと思って、企画したのが映画遠足です。
去年オープンしたミニシアターの出町座さんという所にみんなで行ってきました。やっぱりシネコンしか行った事のない子たちなので、初のミニシアターに行って…。
絹: リスナーの皆さん、出町の枡形商店街と言って、良い感じの商店街が残っているんですよ。その空き店舗を改修されてミニシアターですね。
植: 書店とカフェも併設されているミニシアターです。
絹: 書店もいい感じの書店で、カフェもいいし、中へ持ち込めそうですね。
植: そうです。買ったものをシアター内に持ち込めます。
絹: 2階と地下と2つスクリーンがありましたっけ。
植: そうです。
絹: 京都は映画の発祥の地でもあります。ですから立誠小学校でそういう映画に関わることを丁寧にされていた方もおられますし、その流れが出町座に来ているということをお聞きしたことがあります。
さあ、皆さんどうでした?今日のお話。もうただただ面白かったです。
子どもたちに映画に触れてもらって、しかも吹き替えワークショップ、それからみんなで審査員もやっちゃおうぜと。それに大人たちがサポートして、24年前のベルリン国際映画祭の流れをくむ京都国際子ども映画祭です。これを機会に、もしお耳にかけられた方はホームページ、フェイスブックページをご覧いただくとともに、小さいお子さんとか高校生でも、大人でも、このワークショップに参加してみてはいかがでしょうか。まさにこれは京都らしいプログラムだと思いますし、夏休みに最高のイベントになると思います。
この番組は心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクト、そして京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。田勢さん、植田理事長、ありがとうございました。
両: ありがとうございました。
投稿日:2018/05/11

第135回 ・水面下で進む3D情報活用 ~ガンダムパイロットへ続く道

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年3月放送分>

上: 上田 浩司氏(株式会社大塚商会 関西CADプロモーション課)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
************************************************************************
まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
************************************************************************
絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最前線のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト、男性お一方をお招きしております。株式会社大塚商会の上田浩司さん。
上: 上田です。今日はお招きいただきまして、どうもありがとうございます。
絹: はい、よろしくお願いいたします。
皆さん、大塚商会って、どこかで聞いた名前でしょう?学生の頃、コンピューター関係の会社だと理解しておりましたが、上田さん、それでいいのですか?
上: はい、そうです。コンピュータ全般を取り扱っている会社で、オフィスの中にあるコンピューター関係、IT関係を全て取り組んでいる会社になります。
絹: さあ、なぜ当チョビット推進室に、大塚商会の上田浩司さんをお呼びすることになったのかは、後々、紐解いていこうと思いますが、今日のタイトル、番組のテーマをまず申し上げなければなりません。「水面下で進む3D情報活用 ~ガンダムパイロットへ続く道」と題してお送りします。上田さん、よろしくお願いします。
上: はい。よろしくお願いします。

■エピソード1 そもそもBIMとかCIMって、何なの?
●IT活用のあれこれ、教えて上田さん
絹: リスナーの皆さんに、私と上田さんの出会いというのを、ちょっとだけ開陳させていただきます。
実はうちの会社に来てくださって…。
すみません、BIMとかCIMとか、ちょっと専門用語がいくつか出ます。実は私、建設業をやっているのですが、新しい動きというか、進化した動きがいっぱい出ているらしいというのも勉強しなければならないのですが、ようわからんと。「わかっている人、レクチャーして」と来ていただいたわけですが、1時間くらいですごい濃い講義をしていただいた時の講師役の方が上田さんだったんです。
上田さん、BIM、CIM、建設の世界だけではないかもしれません。一般の方にバクっとした解説で、「皆さんにこんな風に関わるかもしれへんで」というのを含めて、ちょっとお話していただけませんでしょうか。
上: はい。まず大きく言いますと、今まで二次元で設計してきたものは、皆さん家を買われる時など、設計図面を見られることがあるかと思いますが、それって、紙に描かれた線で表現された図面だと思います。それが今、BIMとかCIMというキーワードで、3次元データとして立体的に設計されたものに変わっています。これが大きくBIMとCIMというふうに言われています。
絹: 上田さん、僕は細かい事が気になる質で、それであまり勉強ができなくなったんですが(笑)、BIMとかCIMって、そもそも何か略しているんですよね。
上: はい。BIMは「Building Information Modeling」の略で…。
絹: 「建物の情報をモデリングする」。わかったようなわからんような言葉ですね(笑)。でもちょっとわかりやすくなりました。

●バーチャルリアリティーがまさしくBIMです
上: 今のところは、建設業の専門家の方たちに寄った、解説になるのですが、もうちょっと皆さんにわかりやすくというところで言いますと、今、VRという技術が結構…。
絹: バーチャルリアリティー、仮想現実ですね。
上: そうです。VRはよくテレビでご覧になっている方もおられるかと思います。
絹: テレビのコマーシャルで、よくゴーグルのごっついようなのをはめて、会議室とか、打ち合わせルームにいるのに、超高層ビルの梁の上を「うわー、落ちそう」とか言って、手をぐるぐる振り回しているのがありますよね。あれですか?
上: はい。あれですね、まさしく。例えば今から家を建てようという人が、今までは二次元で図面でわかりにくかったお部屋の空間なんかが、三次元でわかるとか、あと空港など、ちょっと複雑な施設なんかも、三次元だとよりわかりやすくなると。これが一般的な皆さんにとっての三次元技術とか、BIMの1つかなと思います。
絹: ユニバーサルスタジオジャパン、あれはアトラクションと言うか、楽しみのためにですけど、映画の中の世界がぐっと迫ってきたりとか、あれもバーチャルリアリティーなのでしょうか?
 上: どうでしょう。ちょっと違うと思いますね。
バーチャルリアリティーの場合は、本当にビルの中に立っているのと同じくらい、360度ぐるっと、コンピューターの設計の三次元のCADの中に立っているような感覚になりますので。
絹: そしたら例えば、今度、学校を建てますと。新しい校舎の家庭科教室に入ったとします。ぐるっと右を見たり、左を見たりすると、黒板の字とか、調理台とか、上を見ると天井がどんなのかというのが、仮想現実の中で見えてしまう。それがBIMの1つの部分ですか?
上: そうですね。皆さんが一番接しやすい、近いところのBIMですね。

●CIMはさらに広範囲で複雑な構造までモデリングできます
絹: リスナーの皆さん、ちょっと想像つきましたね。それでは、CIMは?
上: これも三次元の技術なのですが、皆さんにより身近なところで話をしますと、例えば震災が色々ありましたけれども、そういう所の復興後のまちの風景、まちづくりがどんなふうになるのかというのを、三次元でよりわかりやすく設計して、近隣住民のお年寄りとか、子どもさんたちにわかりやすく設計の意図を伝える。これなんかも身近なCIM、三次元技術と言われています。
絹: すみません、また細かいことにこだわる悪い癖が出るのですが、CIMは何の略でしたか。
上: 「Construction Information Modeling」です。
絹: 以前なら、模型で、発泡スチロールのブロックみたいなのを、キュッキュッとカッターで切ったり、ケント紙を折り曲げたり、着色したりして、設計した図面のものを立体的につくるという、気の遠くなるような作業をしている学生さんがいましたが、それをコンピューターとか情報処理の技術でやっちゃうと。
上: そうです。おそらく今の学生さんたちも最初は昔の手法で模型を作っていると思うのですが、最近はもうコンピューターで、三次元で設計する学生さんも結構増えてきていると思います。

●BIMやCIMの活用が進むと、私たちの生活はどう変わるの?
絹: そういうBIMだとかCIMだとかという三次元技術によるデータの活用が進むと、一般の皆さんにはどんな影響が出てくるんでしょうか。何かいいことがあるんですか?
上: まず、一般の方で言うと、先ほどのように、完成前に完成後のものがよりわかりやすくなるというのが1つですし、あと、実際の建物、構造物を設計する人たち、ものをつくる人たちとリンクするのですが、三次元技術を使うことによって、手戻りがない、間違いのない施工が可能になるので、より生産性も上がります。ですから利用される方にとっては、三次元技術を使ってつくられたものの方が、より品質の良いものを利用できる、より品質の良い家に住めるとか、満足のいくものが受けられるというメリットがあると思います。
絹: 皆さん、ここ、すごく大事なポイントです。どこかで試験に出ますよと言われそうな(笑)ポイントです。でも、大事だけど、一般の方にはわかりにくい部分が含まれています。そこで少し平仮名化を試みますと、例えば品質の良い建物だとか、品質の良いインフラ、橋だとか道路だとか、高速道路だとか、地下鉄だとか、あるいは水道だとかガスだとか、色んなものがありますが、構造物をつくろう、建物をつくろうとすると設計図面がありますよね。そういうもののソフトウェアなんかを大塚商会さん、上田さんたちは得意とされて、そのサポートをしてこられたのですが、かつて僕らの学生時代は、設計図面って、紙でしたよね。手書きの図面で、ドラフターとかいう便利な道具で手で描いたり、もっと前はT定規という懐かしい大きな定規で図面をひいたり、設計士さん、専門家が図面をつくるのですが、その図面というのが、完璧なものであることは、まずありえないんですよね。
上: そうですねえ。
絹: その通りつくったつもりでも、現場で職人さんたちがつくると、「あれ?なんかおかしい!」てなことがよく発生するのが、今までの常でした。で、上田さんが「手戻り」とおっしゃったのは、その「あれ?」に対応することなんです。
ちょっとわかっていただきにくいかもしれませんが(笑)、我々、建設業の施工に携わる者たちは、図面に従って施工図を起こして、現実をつくりだす。設計された意図に沿って、材料を用いて造っていくのですが、材料というのは三次元です。図面は二次元です。本当の専門家でないと、二次元のデータから三次元の空間感覚を理解できる人というのは、大変少ないはずです。ですからそこには間違いが、実はエンドユーザーの御存じないところで、多々起こるものです。その手戻りを少しでも少なくして、品質の高い、ちゃんとしたものをつくろうというのが、施工屋さんや職人さんたちの世界です。上田さんはそのことを今、言おうとしてくださったんです。
上: はい、ありがとうございます(笑)。
絹: ちょっとそこの専門的なところも入ってますから、難しいですよね。
BIMだとか、CIMだとか、二次元データを三次元化するということで、我々の生活が見えないところで変わっていきそうな気がしますね。
上: そうですね、はい。

■エピソード2 AR、AIでどうなる?
●実践ソリューションフェア、開催しています
絹: 次は、ARやAIがどうなっていくのかについて、上田さんに教えていただこうと思うのですが、BIM、CIMでスタートしたエピソードですが、さらに横文字で、カタカナなのかローマ字なのかが出てまいりますけれど、ARとAIで我々の生活は変わっていくだろうということについて、ご説明お願いします。
上: ARとAIに関しては、私たちよりも建設業界の方が、変わっていくことが先かなと思っています。
絹: 上田さんは大塚商会の方ですから、大阪ででっかい5,000人規模の「実践ソリューションフェア」という、フェスティバルのような勉強会を開催されて、それのディレクションもやられたんですね。
上: 毎年大きな会場をお借りして、ITの最新のソリューションとか、お客様に一番今、知って頂きたい事というのを、セミナーや展示でご紹介するイベントをやっています。
絹: 皆さんにイメージをしていただくために、たとえ話をしますと、「実践ソリューションフェア」とはなんぞやというのを紐解きたいと思います。
例えば大学のシラバスとか、「この枠にはこの先生がこんな講義をしてくれるけど、来ない?」とか、色々皆さんの興味があるような、最新の情報処理技術とか、先ほどの三次元技術だとか、VR技術だとか、本当の最新鋭のことを理解しようという専門家たちが大集結して、「そこに登録しない?」とお誘いをかけたら、なんと5,000人だったと。で、講義を受けるだけじゃなかったんですよね。
上: 展示コーナーという、色々最新のものを実際に体感できるところも、私たちはやっていまして、私はそこの建設業、製造業などの設計者のための展示コーナーを担当しています。今回はその中でARとか、AIとか…。

●ARって、いったい何?
絹: ARって、なんでしたっけ?
上: ARは拡張現実ですね。
絹: バーチャルリアリティーとちょっと似てますね。
上: そうですね。よく似ていますが、バーチャルリアリティーの場合は、本当に三次元でつくられた中に自分が入ってしまう。それに対して拡張現実は、建設業で言うと、今工事が進んでいる現場に立って、これから工事が進んで施工されるであろう、色んな設備などを一緒に合成して体感できるという技術なんですが、ゴーグルをつけていただいて、建設業のお客様にそういうものを色々体感していただいています。
絹: ゴーグルをつけて、すごくきれいな画像と動画と音声で、映画を、動画を楽しむという趣味は以前からありますけれども、それがAR・拡張現実として実際の建設現場に応用されているんですね。
上: 今、実証実験として、これからそれをもっと生産性を上げる技術として、定着していこうという段階に来ていますね。

●AIがドローンに紐づいたら…
絹: そしてARとかAI、人工知能をイメージしていただくために、最近人気のドローンについて、お話いただけますか。
上: 大塚商会もこの2月の実践ソリューションフェアから、ドローンを販売、サポートするようになったのですが、例えばドローンの活用の1つとして、今、インフラ、例えば橋脚とか、トンネルとか、そういったものの点検をやらなければいけないという状況に業界的にもなっているのですけれども。
絹: 例えば古いトンネルを走っていましたと。車で走っていたら、ゴンと音がして、天井がへこんだと。上からコンクリートの欠片が落ちてきたなんてことがあったら、大事故になるかもしれませんよね。そういうものを事前に防ぐために、点検をすると。
上: そうですね。まずは点検、調査しなければなりません。
絹: それにドローン。僕ら子どもの頃はラジコンヘリコプターって、高くて手が出なかったんですが、それのプロペラが4つ以上ついているようなやつが、結構手ごろになってきたんですよね。
上: そうです。価格もそうですが、性能が上がってきて、色んな事が現実的にできるようになったんです。今のAIと紐づけていくと、撮った写真データを元に、AI・人工知能で解析して、今どのくらい橋脚が傷んでいるとか、ダムがどのくらい傷んでいるかがわかりますから、人間の手間を省くという意味で、そういった技術が使われようとしています。
絹: 皆さん、イメージしてくださいね。
例えば加茂大橋、御薗橋、京都市の川にかかっている橋を、もし点検しようと思ったら、今までは足場を組んで、人間がそばへ行って写真を撮ったり、打音検査と申しまして、ハンマーでコンコンと叩いて、どこかにひびが入ってないか、浮いてないかという事を調べる必要がありました。
マンションに住んでいる人でしたら、大規模改修の時に、マンションの外壁の外に、大きな足場がたって、人が上って…。こんなの見た事ないですか?
学校の授業で先生が使う差し棒の先に、パチンコ玉の親分みたいなのがついていて、それをタイル面に転がして音を聞いて、職人さんが浮きがないか、はがれそうになってないか、危なくないかチェックする方法があります。そういうベタな職人芸の検査の代わりに、ロボットチックな性能の良いドローンが、画像や赤外線画像などを使うわけですけれども、カメラもセンサーもいいのができているんですよね。

●インフラメンテナンスの近未来
上: はい。今、建設業界は、私たち色々お客様の話を聞いていますが、3K業界と言われているなかで、人手不足も出てきていると聞きます。そういった意味でこのAI、職人さんでなければできなかったものが、コンピューターでお手伝いできるという時代になってきているのかなと思います。
絹: 建設産業だけではなく、旅館、サービス業、あるいは介護と、あらゆる産業で若年労働者が不足します。我々の業界も皆様の便利な都市生活の足元を支える黒子のような仕事ですけど、このインフラ、道路だとか橋だとか、地下鉄だとか、電気、ガス、水道などを、メンテナンスして、健康に保つためには結構大変なんですよね。それをそういう機械が、ドローンが助けてくれるという世界に入りつつある。そうすると近未来、何が起こるでしょうか。
上: どうなるでしょうか(笑)。
絹: 建設業のエンジニアさんは、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、ロボットのオペレーターみたいな、そういう操縦技術の才能や能力が要求されるようになるかもしれません。

●水中の3Dスキャナという技術
絹: 今もう既に、水中掘削のバックホウだとか、あるいはドローンは空を飛ぶのでなく、水上を走ったり、先ほどは水中の三次元スキャナというのを教えていただきましたよね。その話も少ししていただけませんか。
上: 建設業界は危険も伴う業界ですから、水中にある構造物、例えばダムの水中の構造物とか、橋脚も海の中まで入っています。それを点検するには、人間が潜って点検していましたが、それが今は船の下に、水中の3Dスキャナという、レーザーで今の状態をコンピューターの中に再現する技術が進んでいまして…。
絹: 漁業関係者が、魚群探知機で魚影を探すことの進化版が、ダムの中、水中の橋脚、基礎に応用されているんですね。
上: そうなんです。魚群よりもっとはっきりと、人間が見たように再現する、検査できるということも、今どんどん進んでいると言われています。

●建設屋がガンダムパイロットになる未来
絹: 上田さんからARやAIを用いた、あるいは三次元データ解析を使った色んな進化版、ドローンの活躍の場所など、色々教えていただきました。これが皆さんの生活にどう直結するか、実はもう、水面下で着々と進んでおります。
天ケ瀬ダムの水の中で、遠隔操縦のロボット掘削機が既に動いている。これはあまり多くの方がご存知ないかもしれませんが、建設産業では既にそういうものが現実化しつつあるんです。言い過ぎかもしれませんが、建設業に従事する人って、近い将来、ガンダムパイロットに似たような仕事になるかもしれない(笑)。あるいはいろんなドローンで遠隔で危ない所に行かなくても、大切なチェックができるという時代が来るかもしれませんね。
上: そうですね。ガンダムパイロットもちゃんと動かせないと大事故になりますから、ちゃんとこういった技術が使えるように、私たちはお手伝いしてIT化をしていきたいなと思っています。
絹: 大塚商会さんの営業トーク入りました(笑)。
上: すみません(笑)。
絹: でもね、建設産業って、本当にすそ野が広いんですよ。大塚商会さんみたいに、我々技術屋にコンピューター系の三次元技術のソフトウェア、アプリケーションの講義をしてくださる。そういう人たちの助けを借りて、現場は徐々に進化していきます。
ということで、皆さま、本日の放送はいかがでしたでしょうか。着々と二次元、三次元の解析技術は水面下で進んでおります。ぜひ、BIM、CIMという言葉、皆様の頭の中に、ちょっと入れていただいたらと思います。さ、おしまいです。
この番組は心を建てる公成建設の協力と京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。上田さん、ありがとうございました。
上: ありがとうございました。
投稿日:2018/03/19
PAGE TOP