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まちづくりチョビット推進室
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第162回 ・大学生のためのアプリ KYO-DENTってご存知ですか?~開発学生のプロジェクトメンバーに直接聞いちゃおう!

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大: 大久保 忠重 氏(京都市総合企画局総合政策室 大学企画係長)
小: 小尻 真希 氏(京都市総合企画局総合政策室)サポート
園: 園山 倫太朗 氏(京都文教大学 総合社会学部2回生)
松:  松本 彩 氏(佛教大学 社会学部現代社会学科2回生)  
絹: 絹川 雅則(公成建設株式会社)

 

大久保 忠重 氏) (園山 倫太朗 氏)    (松本 彩 氏

 

絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は、当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日のゲストはお三方をお招きしております。まずお一方目は京都市総合企画局総合政策室大学企画係長の大久保忠重さんです。
大: 大久保忠重です。よろしくお願いいたします。
絹: よろしくお願いいたします。それからスタジオの外に、やはり京都市からサポートスタッフとして小尻さんに来ていただいています。今日はお声は出されないかもしれませんが。
それからお若いゲストが2人おられます。園山倫太郎さん、よろしく!
園: よろしくお願います。
絹: 島根出身、京都文教大学2回生。今回のプロジェクトチームのリーダーを去年務めたと。
園: おこがましい限りです(笑)。
絹: それからコロナの影響で、スタジオの中に入れる人数を制限していますので、ゲストですけど、もう1人松本彩さんという学生さんもおられます。おーい!
松: はーい!
絹: あとでまた登場します。というゲスト紹介です。
今日の番組タイトルは「大学生のためのアプリ KYO-DENTってご存知ですか?~開発学生のプロジェクトメンバーに直接聞いちゃおう!」と題してお送りいたします。それではエピソード1に入っちゃいましょう。口火は大久保さんから切っていただきましょう。「そもそもKYO-DENTってなんぞや?」行きましょう!
 

■エピソード1  そもそもKYO-DENTってなんぞや 

●京都ならではの大学生のための学びのアプリ、リリースしました! 
大: KYO-DENT、大学生のためのアプリということで、今年の3月にリリースされたものになるのですが、京都市には38の大学があって、15万人の学生さんが学んでおられます。これはいずれも政令都市ナンバー1の数でして。
絹: 京都市民の数、減り気味ではありますが、昔習ったのは140万人、一時は150万人、すると何人に1人が学生さんになるんですか。
大: 10人に1人ということになります。多いです。東京よりもはるかに多くて、学生さんが活躍しているまちということになります。その学生さんに少しでも充実した学生生活を送っていただきたいと、この4年間で京都でしっかりとした思い出を学んでほしいということで、このアプリを開発させていただきました。この京都、例えば世界遺産で学べる授業であったり、今年からは京都鉄道博物館で学べる授業など色んな授業もありますし、地域の町内会さんとかに学生が出向いて、色々交流を深めてもらったりなど、大学のキャンパス以外にも学びを深めるツールがたくさんあります。ところがそれがなかなか伝わっていない、学生さんが知らないということで、それがきっかけで今回このアプリを開発して配信をさせていただいております。
絹: いい試みですねえ。僕らの学生時代って、自分自身もう60を超えていますので40年近く前ですけど、なかなかそういう授業はなかったですものね。
(※京都市ホームページより【広報資料】「大学のまち京都・学生のまち京都」公式アプリ KYO-DENT(キョーデント)配信について※キャンペーンは終了しております)
 

●大学生の皆さんにアプリのもろもろ、考えてもらいました

大: ありがとうございます。京都ならではの学びというところを、どんどん深めているのが私どもの仕事でして、ただ学生のためのアプリなので、大学生に実際に機能とかデザインも含めて考えていただこうということで、先ほどご紹介した園山さんとか、松本さんを中心にプロジェクトメンバーを立ち上げて、今回KYO-DENTの中身を議論いただいたというのが、開発の経緯になります。
絹: 口火を大久保さんに切っていただいたところで、次なるバトンは倫さんですか?
 

●横のつながり、縦のつながりを広げたい

園: 倫さんです(笑)。その当事者としての意見を、ちょっと話させていただきます。
このアプリをつくった目的としては、やはり京都って、市民の10分の1学生がいるにも関わらず、横のつながりがまだうまくできていなくて、大学それぞれの孤立した環境にあるなと自分自身感じていました。また、様々な企業さんがおられるにも関わらず、縦のつながりもあまりできていないなと思ったので、このアプリ開発プロジェクトが立ち上がったことで、横のつながりと縦のつながりをより広げていくためのアプリとして、自分は位置付けています。
絹: それで偶然、すごい迷惑なコロナさんが来てしまって、その中でよけい横のつながりがブチブチに分断されているなかで、ひょっとしてこのアプリを開発されたタイミングって、バッチリ違います?切れているつながりをつなぎなおすのに、いい時期につくってくださいましたよね。
大: そうですね。対面での活動が制限されているなかで、こういったアプリを通じて配信できるというのは、強みかなと。こういうコロナ禍の中では、このアプリは非常に使えるのかなと。学生さんが自分で動けないなかなので、そういった中でも色んな取組みがされており、私どももしていますので、それを届けるツールがこの3月にできたというのは、僕らの心強いものになっていますね。
園: 学校に行かないと、本当にこういう情報を得ることができなかったのが今までだったのですが、アプリとして手元で持ち運ぶことができるようになると、そこから情報を得ることができるようになるので、大変今に合ったものかなと思います。
絹: しれっと大久保さん、今ここに座っておられますが、隠れていい仕事をしていらっしゃいますね。
大: 園山君と松本さんのお陰です(笑)。ほんまに。
園: アプリの機能は、大学生が色々と話し合うことができる掲示板の機能があったり、これまでの学習の積み重ねを記録する機能があったり、大学生なので飲食店などのクーポンが使えるものであったり、歴史の長い京都には文化施設が多いので、そういう所にも安く入れるような機能もついています。
 

●このアプリをきっかけにプロジェクトが立ち上がれば…

絹: さっき、このアプリの本質的なこと、横のつながりができるといいよねと、それから地域とのつながりができるといいよねという話を、打ち合わせでしていましたが、資料に「みんなの掲示板」機能と書いてあります。僕がインタビュアーとして興味があるのは、この掲示板機能がうまく使われると、面白いことが起きるのではないかなと、そんな予感がするんですけど。
園: 横のつながりをもっと増やしていきたいという思いがあるので、学生同士が課題とか、「こういうところを、もっとこうしたらいいのでは」といった議論を活発にできたことの延長線上に、もし何かのプロジェクトが立ち上がったりしたら…。
絹: ここに「大学の枠を超えた、学生だけの居場所とかコミュニティをつくるのに、このアプリがきっかけになるのでは」と書いてありますね。今のミレニアム世代よりも更に先のZ世代の連中は僕らと違って、オンラインでこのアプリがきっかけになって、「おーい、こんなプロジェクトやるけど、集まれ」なんてやりかねないね。
大: この京都の学生だけが使えるというところがミソになっていまして、ツイッターなんかは全世界に発信されるんですけど、京都の学生だけがこのアプリの掲示板に投稿できるように制限を設けています。
絹: いいですね。コミュニティサイズと言うか、スモールシティ京都に特化できると言うか。「あ、すれ違ったアイツ、アプリで会ったヤツとちゃうか」みたいなそんなこともあるかもしれませんね。
倫さん、こういうことにプロジェクトリーダーとして携わって、どの辺がワクワクした?
 
  コトカレ ホームページより転載)
 

●最初の0から1をつくるということ

園: やっぱりこうやって学生同士がつながってプロジェクトを立ち上げることができれば、どこまでできるかわからないですけど、もしできたら、すっごい面白い事が起きる。と言うか、そこから大学のプロジェクトとか、サークルに終わらず、その後の人生においても自分がやりたいことをできるように、やりたいことをそのまま延長線上としてできたらいいなという思いがあるので、それを自分たちがつくる、最初の0―1をつくるというのは、すごいうれしかったですね。すごいワクワクしました。
絹: 今、良いことを言いましたね。0―1をつくるって。倫太郎さんは結構欲張りで、大学の枠を超えていくことを良しとするタイプの人のようです。この辺りはなかなか見どころありと、おっちゃんは思います。
さあ、13分になりましたので、一度外におられる彩さんに交代しましょうか。後で「ちょっと喋らせろ」という時はサインをくださいね。バタバタと交代しますからね。
園: 了解です(笑)。
 

■エピソード2 KYO-DENTのコンセプトとおススメいろいろ

●せっかくの京都。ちょっと覗いてみませんか?
絹: では選手交代で、同じくプロジェクトチームのメンバーであります松本彩さんに声を出していただきます。軽く自己紹介を!
松: はい。佛教大学社会学部現代社会学科2回生の松本彩と言います。よろしくお願いいたします。
絹: 彩さん、エピソード2は何から行きます?やっぱりこの扉ですね。
松: はい。このKYO-DENTのメインとなるポスターの画像を見ていただきたいのですが、是非これを聞いていただいている皆さんも検索して見ていただきたいと思います。
この黄色いポスターの中にスマホが扉になって、「せっかくの京都。ちょっと覗いてみませんか?」という言葉と共にある画像なんですけど、これがすごくこのアプリのコンセプトにぴったりで、やっぱり自分自身もそうだったのですが、大学に入って何をしたらいいんだろうとか、何かきっかけが欲しいとか、そういう人たちって、意外とたくさんいると思うんです。そういう人たちにとってこのアプリがきっかけになれば、たった1つのスマホから大学の色んな選択肢の幅が広がればという気持ちで、このアプリを作ったし、このポスターを作ったんです。
 
絹: リスナーの皆さん、ラジオで画像を想像するのって、無茶言うなという話ですが、イメージしてください。黄色いA4のポスターのところに、KYO-DENT 2020.3.26リリースというタイトルのチラシがあると。背景は黄色い無地なんですけど、その真ん中に扉を開けるところをイメージしてください。扉はスマートフォンなんです。スマートフォンにノブがついていて、それを回してカチャっとやると次なる世界に行くよと。このKYO-DENTは「Kyoto」と「student」を縮めた造語?
松: はいそうです。「Kyoto」「student」を掛けており、京都の学生に使っていただけたらということで、この名前にしました。
絹: 松本彩さんは、アプリのコンセプトと言うか、明示しているものは扉だということに、一番ワクワクされていますね?
 

●大学生になったものの、何をすればいいのか…

松: そうですね。自分自身がこのアプリ開発プロジェクトが扉となったというか、大学生になって、最初何をすればいいのか、何かやってみたいけど、4年間ってあっという間で何をしたらいいんだろうという時に、アプリ開発プロジェクトのポスターを見て、それがきっかけになって、ここに飛び込んでいったんです。その飛び込むきっかけがこのアプリ開発だったので、アプリの中で何かできないかなと思ったのがこういう形でした。それこそアプリの中に色んな学生団体だとか、色んなプロジェクトだったり、色んな京都の学生のための情報が詰まっていて、みんながたくさんある中から選択肢として選べるというのが、このアプリの魅力だと思います。
本当に自分で選択肢を見つけていくって、すごく難しいんですよね。でもたくさんの選択肢が、行政の方たちが私たちに提供してくださるのを一気に見られるというのは、すごくメリットがあるなと私自身思いますし、本当に学生に使ってもらいたいなと思っています。
絹: リスナーの皆さん、お気づきですか?松本彩さん、すっごく力が入っていますよ(笑)。
それでね、利用対象が大学コンソーシアム京都加盟大学に在籍する学生で、しかもこれはニクいなというのは、日本語・英語2か国語対応と、やるじゃないですか。それから構成メンバーは8大学から12名、うち2人が留学生、京都医療科学大学、産業大学、京都大学、文教大学(さっきの倫太郎さんですね)、同志社大学、佛教大学(これが彩さん)、立命館大、龍谷大学ということですね。
ちょっと質問ですけど、プロジェクトチームの活動は12月で終わってますけど、まだまだお2人、このアプリの行く末に関わろうという気持ちはありますか?
松: ありますね。やっと出来上がったところと言うか、ここからまたたくさんの学生の方が使ってくださって、またどんどん改善点が見えてきているところなので、それを自分自身も開発メンバーとして見届けたいところがありますし、最後まで責任をもってやり遂げられたらなと考えています。
 

●安心して使えるアプリです!おススメは…

絹: すばらしい。そしてすごく色んな機能を持っているアプリケーションのようですが、松本彩さんが一番好きな「この機能がお勧め!」みたいなところを紹介していただけませんか。
松: 「京のコト機能」というので、学生向けの情報配信をしている機能があるんですけど、京都市さんだったり、大学コンソーシアム京都さんなど、学生向けのニュースを配信しているんですけど、やっぱり大人の方たちが配信してくださる情報であり、なおかつ行政なので、安心して見られるというところも魅力的で、自分たちで情報を取捨選択していくのって、結構難しいんですけど、安心と言うのは学生にとってすごくいいかなと。
絹: ある程度、総合企画局を中心に、それぞれの部局がスクリーニングして、いい加減な情報は排除して「これいいね」というものが配信されるということですね。
例えばうちの会社、公成建設の「インターンシップでネクスコの高速道路の城陽高架橋の工事を見に行きませんか」とか…。
あるいはバードマンラリーって聞いたことある?鳥人間コンテスト。あれのプラットフォーム、発射台をうちの会社で40年以上つくり続けているんですけど、「その現場、本番前に見ます?」みたいな情報をもし総合企画局に寄せたら、ちょっと見て、「この情報、やめとこか(笑)」なんていうプロセスがあるんやね(笑)。はい、すみません(笑)。どうぞ。
松: このアプリを最初に開発した時に、難しいと感じたのが、行政のアプリだけど学生が魅力的に感じるというのが、意外と結構難しくて、ただそこをいいとこ取りしたんじゃないかなと感じていて、学生が何か情報を求めていて、でも安心した情報を行政だから得られるというところで、これはやっぱり一番使いやすいのではないかなと思っています。
 

●お得情報の発信もあります!

絹: もう1つ、好きな機能は何ですか?
松: お得情報を発信している機能がありまして、「お得!機能」というものなのですが。
絹: おお、やっぱり女の人のお得情報って、うちの嫁さんも好きそうやわあ。
松: キャンパス文化パートナーズ制度とか、学割とか、学生の間にせっかくだから京都をたくさん見て知りたいけど、やっぱり学生なのでお金があんまりかかるのも…というのがここで色んなものを使っていただいて、京都を満喫していただけたらというので、ここは推していますね。
絹: ここでもう一度倫ちゃんに入ってもらいましょうか。
大: じゃあ僕が出て、倫ちゃんに代わります。
 
  (キャンペーンは終了しております)
 

■エピソード3 アプリ開発者としてお伝えしたいこと

●KYO-DENTをきっかけに、新たな一歩を踏み出してください!
絹: さあ、それではリスナーの皆さん、エピソード3という形で収束に向かいますが、さっき2人に喋ってもらって、本当に短い時間だったけど、アプリケーションを紹介してもらいましたね。他にもう少し、リスナーの皆さん、あるいは学生さんに伝えたいこと、地域のおっちゃんおばちゃん、じいさんばあさんに伝えたいこと、それぞれ一言ずついただけませんか。
松: やっぱり私自身がそうだったのですが、大学生活何をしたらいいだろうとか、何を始めたらいいだろうと、すごく皆さんこれから不安になるでしょうし、2回生や3回生の方でも、何かやっていれば良かったかなとか、そういうことがたぶん色々あると思うんです。このKYO-DENTがきっかけとなって、何か踏み出してみようと思えたらいいなと、そういうきっかけがたくさん詰まったアプリだと思うので、これを見てきっかけにして、何か大学生活を踏み出していただけたらと思っています。
 
 

●KYO-DENTを通して、地域の方々とつながりたい

園: 今言っていただいた学生目線としては本当にそうで、後悔して欲しくないです。たった4年間なんですよ。人生の中で。だから僕たちは一年生の時からこういうことに関わる事ができたんですが、早めに色々な事が知れるアプリにしていきたいと思うのと、やはり地域の皆さんとも関わっていきたい、縦のつながりも本当に増やしていきたいと思っているので、人口が減っていく、高齢化していく社会の中で、いかに学生が地域の中に入り込んで、色々共助することができたらなと思っています。
絹: 倫太郎さんは良いキーワードをくれました。共助、共に助け合うと書いて共助と読みます。このアプリケーションを学生さんに伝えるだけじゃなくて、私たちのようなおっちゃんおばちゃん、じいさんばあさん、長く地元にいる大人たちがいかにこのアプリにアクセスして、これを扉にして学生さんたちとつながるかというようなことも大切になってくるね。
園: そうですね。本当にそう思います。僕も地域で色々やっているので、このアプリを通して、このアプリは学生のためなんですが、色々なルートを使えば関わる事ができると思っているので、そういうふうに幅を広げていきたいと思っています。
 

●KYO-DENTと思い描く未来

絹: もしすごくこのアプリが有名になって、色んな事が起こるとして、近く起こりうる未来みたいなことを短く「きっとこんなことが起こるぜ」みたいなことあるかな?
園: 今さっき、僕が0-1という話をしたんですけど、本当にまだ1なんですね。リミッターはないと思っているので、100がゴールとは限らないんですけど、どんどんみんながつくりあげていく過程で色々なプロジェクトが起こって、そういうのが社会課題となっていることであれば、色んな大学の学生と関わる事ができるので、プロジェクトが起業に代わって、起業から事業としてうまくランニングしていくことができるようなことが生まれていくのではないかなと思っています。
絹: いいですねえ。それじゃあ、最後私がまとめを引き取るとして、今、勝手な思い付きですけど、河原町御池にQUESTIONビルという新しいビルがあります。あそこにStudents Labというプラットフォームみたいな学生のたまり場もできています。
園: 行きました!
絹: QUESTIONビルとこのアプリが連携する未来が、なんとなく妄想として私の頭に沸いております。それからコミュニティステップスというでっかい階段教室みたいな面白いセミナールームがありますが、あそこで夜な夜なアプリを介して、リアルとオンラインで学生と地域の人たちがミーティングしているという未来もなんとなく妄想されてきます。
リスナーの皆さん、いきなりよくわからない話をしてしまいましたが、学生たちにきっかけを渡して、京都市の総合企画局 大学政策担当の皆さんは面白い仕事をしています。このスマートフォンが扉になっているという絵に象徴されるように、学生たちはひきこもるのではなく、京都のまちに一歩二歩と踏み込む思いを持っておられます。その受け皿として京都市民はいかに受けるか。これは京都の先人たちがずっとしてきたことです。若い人たちを大事にすることで、新しいものを歴史の上に積み重ねる。それが我がまち京都のはずです。是非KYO-DENT、アプリケーションをダウンロードのうえ、ご協力を賜りたいと思います。
この番組は心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクト、そして我らが京都市景観まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。倫さん、彩さん、そして大久保さん、小尻さん、ありがとうございました。
全: ありがとうございました。
(KYO-DENTアプリケーションのダウンロードは上記よりお願い致します!)
投稿日:2021/01/21

第161回 ・さとのやま保育園ってご存知ですか?~ヤキニク屋が作った保育園って何?

ラジオを開く

遠: 遠藤 久子 氏(さとのやまほいくえん 園長)
絹: 絹川 雅則(公成建設株式会社)
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      (遠藤 久子 氏

 

絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は、当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日のゲストはお一方、妙齢のご婦人をお呼びしております。京都北山、焼肉の南山さんからお越しいただきました「さとのやま保育園」園長先生、通称えんちゃん、遠藤久子さんです。よろしくお願いします。
遠: よろしくお願います。
絹: 遠藤さんには「さとのやま保育園の今」ということを、後々ひも解いて頂きます。
今日の番組のタイトルですが「さとのやま保育園ってご存知ですか?~ヤキニク屋が作った保育園って何?」と題してお送りいたします。
遠藤さんにお話しいただく前に、ちょっと私、露払いをいたします。「さとのやま保育園」、実は2年前に取材に行ったんです。企業主導型保育園に挑戦されて、当時の社長さんが楠本貞愛(くすもと ていあい)さん、たぶん年回りは私くらいか、少し上くらいで、すごく感じのいい方で、企業が主導する保育園をやりたいということに惹かれて取材をして、2年経ってしまいました。その後どうなっているのか、2年ぶりに最近おじゃましまして、遠藤さんとも再会しまして、「なんで楠本貞愛会長じゃなくて、私なんですか?」と聞かれましたけど(笑)。
ではマイクをえんちゃんこと、遠藤さんにお渡しして、エピソード1に移りたいと思います。ご存じの方はご存知、でもまだご存じでない方のために、「ノートルダム小学校の北側に、保育園ってあったん?」という話をお送りします。
 

■エピソード1  そもそも「さとのやま保育園」てなに?

●さとのやま保育園は焼肉屋がつくった保育園です
遠: はじめまして、「さとのやま保育園」園長のえんちゃんです(笑)。「さとのやま保育園」はたぶん日本で1つかなと思うんですが、焼肉屋がつくった保育園です。たぶん色んな企業さんが保育園をつくっているとは思いますが、きっと焼肉屋はうち一軒かなというところですね。
絹: その確率、めちゃめちゃ高いと思います。なんで2年前、楠本貞愛社長はそう思われたんでしょうねえ。
遠: その当時、焼肉南山の職員が結構結婚が多くて、子どもを出産して、当時の社長である貞愛社長が従業員の子どもを子守しながら、従業員に働いてもらっていたという時期が結構あったようで、たまたま従業員の焼肉パーティーを3階のテラスでやった時に、子どもたちが走り回っていて、その姿を見て、「もう絶対にここは子どもが走る姿が一番似合う」と社長が思ったようで。
絹: 手元資料で、京都移住計画の人たちが作ってくれた「食を通じた社会づくり」という記事を読んでいるんですけど、南山さんのレストランの日本家屋の移築したやつ、茅葺の屋根のいい感じのレストランの隣にビルがあるんですよね。4階建てのビルの、「さとのやま保育園」はその3階にある?
遠: 3階と4階です。
絹: だから北山通に面して、ビルの3階と4階に保育園があるんですよ。
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京都移住計画ホームページ「食を通じた社会づくり(前編)」より転載)
遠: その子どもたちの姿を見た時にそう思って、保育園を設計してくださった方が新潟にいるのですが、その方が代表と出会った時に、貞愛代表が思う保育園のコンセプトとすごく近い保育園が鹿児島にあるよということを聞いて…。
 

●お手本は、鹿児島の「ひより保育園」です

絹: 白水さんの保育園、なんていう保育園でしたっけ。
遠: ひより保育園」です。鹿児島にある。
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(鹿児島県霧島市にある「ひより保育園」ロゴ ホームページより転載)
絹: フットワークが軽い社長さんやから、飛んで行かはったらしいですね。
遠: そうです(笑)。それを聞いてすぐに鹿児島の「ひより保育園」さんに見学に行かせてもらって、子どもたちが楽しく料理していたり、楽しく作ったものをみんなで食べていたりということに、代表がものすごく心を打たれて、「私、この保育園やる!」となって、やると決めてから半年間、ずっと走り回っていました。
絹: めちゃめちゃ早いんですよ。鹿児島のその「ひより保育園」を見てそこから半年でつくってしまうんですものね。当時、その話を聞いて、私、口あんぐりしていました。それから視察に行かれた「ひより保育園」の子どもたちの表情がまた…。小さな子どもたちが料理のボウルでまぜまぜしていたり、お味噌を仕込むのを子どもたちが保育士さんたちと一緒にやっていて、にっこにこしている写真がいっぱい載ってるんです。それを当時の社長は見て、「これだ!」と思われたんでしょうねえ。
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「ひより保育園」ホームページより転載)
遠: そうですねえ、もう「これだ!」という思い、1つですよね。
絹: それで2年前に京都北山南山の隣のビルにつくってしまわれましたと。あっという間に。当時その副園長格で白水さんという若い男性が鹿児島の「ひより保育園」から時々出張してきていましたよね。彼の話をインタビューしたのを覚えているんですけど、彼も保育の専門家ではなかったんですよね、確か。それで今日のゲストで来てくださっている、えんちゃんこと、遠藤久子さんも保育士資格を持ってなくて園長になっちゃったんですよね。
 

●実は私、保育士の資格持っていません

遠: そうです。そうです。私は元々北海道出身なんですけど、北海道に住んでいた時に1年間だけ保育園で働いていたことがあったんですけど、ちょっと違う経緯があって、保育業界から離れたんですけども…。
絹: 手元資料によると、北海道旭川市に住んでおられた頃、保育園で働いていたことはあるけれども、そのあとはサーフィン大好き、横乗り系プロショップのオープニングスタッフとか、スポーツ系のところに行っちゃうですよね。で、店長さんとして15年くらい働かれて、結婚をして京都に来られて、それでまたスポーツショップに入られて、すごい売上を上げた経験もあるんでしょ?
遠: そうなんです。へへへ。
絹: だから腕があるんですよ。
遠: 好きなんです。
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絹: それでまた、今度は全く違う「さとのやま保育園の園長をやってよ」と当時の楠本貞愛社長に口説かれて、「いや」と言わずに「やるわ」と言ったのはなぜですか?
遠: 「ひより保育園」の白水園長が「僕も保育資格ないよ」と言うのを聞いて、「ええー」と。保育の世界ではこういうことがあるんだという保育のベテランさんが何年もかけて取得して園長さんになるんだなというイメージがあったので…。
絹: ですからえんちゃんこと、遠藤久子さん自身が型破りのレアケースですよね。さとのやま保育園自身が、焼肉屋さんがおつくりになった企業主導型保育園としてはほんとにレアケース、今日は非常に特異点のゲストがここに来られています。
 

●おかげさまで園児の数はどんどん増えています

絹: 企業主導型保育園のサポーター営業まで、業務は多岐に渡りますと。親子入園面談からスタッフの採用までって、全部これ、遠藤さんが関わっていらっしゃいますよね。
遠:  はい。全てが初のお仕事で。
絹: よう2年間できましたね。
遠: そうですね。もう走り続けています。
絹: 漏れ聞きますと、初年度よりも今3年目ですけど、子どもさんの数、増えているというじゃないですか。
遠: 11人スタートで、今34名になりました。
絹: リスナーの皆さん、ここのところ聞き逃さずにちょっと耳をそばだてていただきたいのですが、それって、周りの地域の人たちが「ええー、焼肉屋さんがそんなんをつくって、保育園できるの?」という評価ではなくて、「ここ、ええわ、おもろいわ」と言うてるのの裏返しでしょ?園長先生に聞きたいのは、親御さんたちのつぶやきをいくつかお耳に届いているじゃないですか。そんなのを1つ2つ紹介していただけませんか。
 

■エピソード2 さとのやま保育園の今 ~ ちょっと変わった保育園です

●0歳から食材に触れています
遠: やっぱり食をすごく大切にしているんですけど、「お家ではあんまり上手に食べさせてあげられないけど、さとのやまの食材を使った給食食べていたら安心」みたいな声だったり…。
絹: ということは、本当に食材なんかも安心・安全であったり、美味しかったり、ひょっとしたら一緒に作ったりするのかしら。
遠: そうです。0歳から食材に触れて、3歳くらいになるともう包丁を持って、0歳から5歳までみんなそうですけど、みんな自分たちが食べる給食のお手伝いを活動に取り入れながら…。
絹: 今、さらっとすごいことをおっしゃいましたよ。3歳児が包丁を持ってと。おままごと用のプラスチックの包丁では、どうもなさそうですね。
遠: 本物のよく切れる包丁ですね。
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さとのやま保育園 Facebookより転載)
絹: それ、親御さんによっては「なに危ない事させてるのよ!」と言うような人も…。
遠: いますね。
絹: でもそういう人もいるけど、全体的には「ええやんか」という声が多いわけでしょ。
遠: そうです。多いですね。逆にお家だとお母さんはハラハラして、一緒に包丁を持って食材を切るなんて、「やめて!」となってしまう。お家ではなかなかできない事を、保育園の仲間と楽しくやる活動を通して、楽しんで調理していますね。
 

●旬のものを食べて元気になる

絹: 今、こういうエピソードを聞かせていただきますと、「さとのやま保育園」は焼肉屋さんがおつくりになった保育園だけあって、「食べて元気になる」ということにすごくこだわっていらっしゃる節がありますね。
遠: そうです。春夏秋冬、季節を通して旬のものを体に取り入れるということをすごく大切にしているんです。旬なものというのは栄養がいっぱいなので。そういうところで免疫力や抵抗力もものすごく高くなるので、去年はインフルエンザになった子が一人もいなかったんです。そういうのもすごくうれしいなって。本当に食べたもので体がつくられているんだなと思います。
絹: 旬なものを食べると抵抗力がついていいと読んだり聞いたりしますけど、実際にそれを平場でやり遂げているというか、インフルエンザが去年は1人もでなかったと、これもさらっとえらいことを言うてはるなと(笑)。
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京都移住計画「食を通じた社会づくり」記事より転載)
 

●今日やることは園児が話し合って決めます

絹: それで手元資料にまた目を落としますと、“初めに九州の鹿児島のひより保育園に行った時に、驚いた”とあります。当時の楠本貞愛社長も、もちろんえんちゃんこと、遠藤先生も「ひより保育園」に行っているでしょ?
遠: はい。何度か研修に行っています。
絹: 一番驚いたこととして…。仮に保育園や幼稚園をイメージします。先生が前に立って、「今日は〇〇のお遊戯します。はい、みんな並んで」というイメージを持ってしまうけど、一番驚くのは“今日何するか、保育士の先生が決めない”と、書いてあるんです。朝の会で子どもたちが話し合って決めていると。「今日は何する?」「〇〇やりたいな」と自分たちの考えを子どもが発言する姿を見られて、ショックを受けて帰ってこられた。
遠: そうなんです。びっくりしました。
絹: ということは、京都の「さとのやま保育園」でもそれは踏襲されているんですか。
遠: そうです。本当に私たちが大切にしているのは、子どものペースを大切にするということです。それを全員でやっているんですけど、大人が先に「〇〇するからね」とか、モノを用意して「これをやります」と、そういうのが決まってしまっているのは、どうしても大人主導じゃないですか。
絹: 教育学の専門家が今の話をお聞ききになったら「おおっ」というふうになるんじゃないでしょうか。実は最新なんです。僕は大学の一般教養くらいしかないですけど、今、日本でなされているような、カリキュラムを組んできちんとお行儀よく座ってというのではなく、モンテッソーリ教育だとか、フリースクールだとか、カリキュラムを作らない、子どもたち、生徒たち、学生たちが学びたいことを自分で学ぶ、それを教師が手助けするというものです。初めはカリキュラムがないからヨタヨタしているけれども、卒業する頃にはものすごいスピードで進んで、カリキュラムのある普通の学校よりも生徒たちの学習レベルが高くなるという学校が、世の中には、特に海外に多いらしいですね。それの保育園版じゃないですか。まさに。
遠: はい。がんばっています。
絹: ですから本当にすごい実験を2年間続けてやっていらっしゃるところが、目の前に、北山通にあります。遠藤さん、もう少し日々さとのやまで起こっているエピソードをご紹介いただけませんか。
 

●大人が働いている姿を見せる

遠: 焼き肉屋のつくった保育園というところで、一番素敵なことは、保育園があるビルの地下1階には「ギューテロワール」という肉職人を育てる施設があって、実際に普段焼肉で出すお肉を、毎日切っている場所でもあるんですけど。
絹: はい、私も行きました。普通、南山さんは、一頭の牛をご自身の所で精肉と言いますか、切り分けて、それは普通は舞台裏でやられることだけど、ちゃんとガラスの見える所で、子どもたちがそれを見て、「あ、牛が、こういう風にお肉になるんだ」と見える空間があるんですよね。
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(「ギューテロワール」の様子。京都北山 南山 ホームページより転載)
遠: そうですね。そこがすごく大切なんですけど働く大人を子どもたちが近くで見れるという、そんな環境がすごく素敵だなと。私も保育園やってみて思うんですけど、普段お父さんお母さんの働いている姿って、なかなか子どもたちは見られないと思うんです。自営業なら見えるかもしれないんですけど。そういうなかで色んな大人が真剣にお仕事をしているところを見られるというのが、もっともっと大人になった時に、選択肢として出てくるとうれしいなって。
絹: 楠本貞愛会長(当時の社長)の思いとして、バックステージもスポットライトを当てて、子どもたちに見せちゃおうと。あんたたちが食べているのは、こういう作業で生まれてきているんだよと。で、子どもたちの目があったら、職人さんたちも「どや!」みたいな気持ちになるじゃないですか。
遠: なりますね(笑)。
絹: 僕はお話を聞いていて憧れてしまいました。やっぱり我々の建設現場でもなかなかわが子たち、小さい子たちにその姿を見てもらうことは難しい。でもなんとか見てほしいという思いは一緒ですものね。
 

●「さとのやま食堂」開催しています!

絹: 今、「ギューテロワール」という南山さんの本社ビルの地下にある所をご紹介いただきましたけれども、ここでのイベント、直近で行われることについて、少し園長先生にお話しいただけませんか。
遠: 毎月第二第四土曜日の11時半から1時までなんですけど、普段私たち大人も子どもも、美味しくいただいている給食を、地域の皆様にも食べていただきたいなと思って、「さとのやま食堂」を開催しているんです。その時には食育チームが作ったお惣菜も並べて、是非お家でも食べていただきたいなというのと…。
絹: 「そこへ行きたい!」「さとのやま食堂へ行きたい!」と言ったら、どうしたら行けますか?
遠: お電話でご予約になるのですが075-711-7511までお電話ください。
絹: 今、こういうご時世ですから、完全予約制です。
遠:  そうなんです。ちょっと席数を減らさせていただいています。
絹: 事程左様に、さとのやま保育園さんは地域に開かれているようです。地域の方たちに「来てね」と。それから12月26日から30日は南山歳末感謝祭でしたっけ。これは地域のお店がマルシェを開かれる?
 ヒトヨシストア
(詳しくはヒトヨシストアインスタグラムへ)
遠: 7店舗のお店が集まって商品が並びますので。またお肉もお安く買える期間になっています。
絹: 第二第四土曜日は特価の日。地下の「ヒトヨシストア」に行かれると、なかなかいいかもしれません。実は取材のために南山さんに1~2度ご飯を食べに行きました。やっぱりこういう子どもたちを育てる保育園のスタッフがそばにおられるというレストラン、なんかちょっと違うなという雰囲気がありました。落ち着いているというのか、本当に色んなものを大切にされているなということがレストランの、あるいはシェフの、あるいはフロアスタッフの行動からも、それから茅葺のあのしっとりした佇まいからも伝わってくる気がいたします。
リスナーの皆さん、是非、「焼肉屋さんがつくった保育園って、どんなんだろう」とご興味のある方はお調べいただき、そして「さとのやま食堂」、これは一見ではなく、一食の価値はありそうです。ぜひ予約のお電話をして、買い物にもいいかもしれません。ということで、終わりの時間になってしまいました。今日は楽しかったです。ありがとうございました。
遠: ありがとうございます。
絹: この番組は心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクト、そして我らが京都市景観まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。えんちゃんこと、遠藤久子さん、ありがとうございました。
遠: ありがとうございました。さようなら。
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投稿日:2021/01/14
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