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第154回 ・地域の居場所をつくる~上高野くらしごと研究所ってご存じですか?
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ら: | らぁーちゃん 氏(上高野くらしごと研究所職員) |
絹: | 絹川 雅則 (公成建設株式会社) |
※本収録は、新型コロナウィルスを考慮しまして、電話収録としています。 |
絹: | 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。 この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソードをお届けしております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。 さて、本日のゲスト、まだ私は2回ほどしかお会いしたことがないのですが、ご紹介いたします。上高野くらしごと研究所のらーちゃんさんです。 |
ら: | はじめまして。上高野くらしごと研究所のらーと申します。 |
絹: | はい。らーちゃんさんとお呼びします。リスナーの皆さん、今日は珍しく電話収録でして、らーちゃんさんの顔が見えないので、アイコンタクトを取れずにやっています。よろしくお願いします。では自己紹介をお願いします。 |
ら: | 私が活動する「上高野くらしごと研究所」という場所は、メンバーとサポーターを合わせて30人ちょっとくらいですが、基本的に田畑や里山など自然とつながる暮らしを大切に、そういうのが好きな人が自然に集まって、一つのコミュニティを運営しています。 |
絹: | すみません、番組タイトルを言うのを忘れてました(笑)。今日のタイトルです。「地域の居場所をつくる~上高野くらしごと研究所ってご存じですか?」と題してお送りいたします。 |
■エピソード1 らーちゃんさんとの出会い |
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●「みんなの食堂」におじゃましました | |
絹: | 私とらーちゃんさんとの出会いを、ちょっとご紹介することで、らーちゃんさんの自己紹介と言うか、くらしごと研究所のなんたるかをお伝えしようと思います。 時は令和2年3月6日のことでありました。フェイスブックにおもしろいイベントが掲載されていまして、確か、野草マダムことホウさんのイベントではなかったですかね。 |
ら: | 「みんなの食堂」ですね。 |
絹: | 実は、このチョビット推進室のヘビーリスナーの方でしたら、覚えていらっしゃるかもしれませんが、私は「地域の居場所」とか、それの絡みで「こども食堂」の特集もつくったことがありまして、こども食堂っぽい匂いがしたので、自分で作った豆カレーを…。 |
ら: | ああ、美味しかったです。 |
絹: | 「はじめまして」と持って行って、それで野草てんぷらとかごちそうになったんでしたっけ。 |
ら: | そうですね。お雛様だったので、ちらし寿司とてんぷらを作っていたように思います。 |
絹: | 確かあの時は、もう新型コロナウイルス騒ぎと言いますか、学校が休校で、子どもたちの居場所がないねという、そんな時でしたね。 |
ら: | そうですね。 |
絹: | それでも「みんなの食堂」を開けていらっしゃるというニュースを聞きつけて、どんなとこやろとおじゃましたのが、3月6日でしたね。その時、どんなことをやっていらっしゃったのか、お話しいただけませんか。 |
●「みんなの食堂」こんな活動です |
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ら: | あの時は、「みんなの食堂」自体は去年の7月から始めて、まだ半年くらいしか経っていない状況だったんです。去年の7月に思い立って始めました。はじめは土曜日だったのですが、平日の夜ご飯にしようという話になって、2時スタートで、学校帰りに来てもらって、一緒にご飯を作って、夜ご飯を一緒に食べるみたいな形にしていました。ところがコロナの影響もあり、学校が休みになったりして、平日子どもたちの行き場がなかったりとか、鍵っ子になって一人でご飯を食べている子どもが多くいるのではないかという心配から、昼間の開催にしようとなったのが3月からなんです。 |
●上高野くらしごと研究所、ゆるいつながりです |
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絹: | そういうところを運営していらっしゃるサポーターも含めて30人のチームが、上高野くらしごと研究所です。そういう理解でいいですか。 |
絹: | リスナーの皆さん、これも覚えておいてくださいね。「野草料理を伝える会・京都」。 |
ら: | フェイスブックのページとかもあるので、検索してもらったら、そこに色んなイベント情報とかも載っているんですけど。 |
絹: | まあ、熱いマダムですよ。 |
ら: | もう本当に元気な、はい(笑)。 |
絹: | もうええ御年だと思うんですけど、肌など艶々されていて、子どもたちとお母さんたちと皆さんで野草を摘みに行くんです。そして「これは○○」とか教えてもらって、この間は土筆もありましたね。 |
ら: | 今なら土筆、ヨモギ、ハコベ、カラスノエンドウとか、その辺がどこにでも生えていて、すぐにパッと食べられる野草ですね。 |
絹: | この間はおひたしでしたっけ、てんぷらでしたっけ。 |
ら: | 基本的に野草はあくが強いので、揚げて食べる形か、しっかりあく抜きして、水でさらして、おひたしにするという料理法が多いですね。 |
絹: | 小さい子が「僕もてんぷら揚げる!」と言って、かき揚げみたいなのを手でくっちゃくっちゃやって、お母さんが「これ、熱いよ!はねるよ!」とか言いながら、親子でてんぷらを揚げてられたんです。まことに微笑ましい姿で、素晴らしい空間やなと思ったのが、2回目におじゃました4月6日のことでした。あの時はおうどんをやっておられましたね。 |
ら: | あの時もてんぷらを揚げていたんですけど、ヨモギうどんと言って、生地にヨモギを練りこんでうどんを作ろうと言って、そのうどんと野草のかき揚げを揚げていましたね。 |
絹: | うまかったですよ。皆さん。 |
ら: | ありがとうございます(笑)。 |
絹: | 「おっちゃん、食べる?」とか言って、幼子から手渡しされた野草てんぷらの美味しいこと!リスナーの皆さんの中に少しは映像が結べたでしょうか。 |
■エピソード3 地域の居場所をつくるということ |
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●くらしごと五右衛門 そもそもの始まり | |
絹: | タイトルに戻りますと、「地域の居場所をつくる」というタイトルを頂きました。そもそもこの上高野くらしごと研究所、2014年に地域の居場所をつくろうと思われたあたりを少しひも解いていただけますでしょうか。 |
ら: | はじめは東京から来られたギタリストの方(今もメンバーなんですけど)が、2年くらい住んでおられたんですが、屋敷として広すぎて住むには使いにくいということに途中でわかったわけです。一方で、同じ大家さんのアパートが五右衛門の目の前にあるんですが、そこが畑付きのアパートという形で、そこに住んでいた住人たちが、もともと自然が好きで住んでいる方々が多いわけです。そこで「古民家残したいよね」とか、「畑とか田んぼとかやりながら、おくどさんがあるスペースをうまく使えないかな」みたいな話が起こったわけです。 「くらしごと」という名前自体も、「くらし」と「しごと」を繋げて何かをしていこうと。だから初めは「地域の居場所をつくろう」と始めたわけではなくて、どちらかというと自分たちの暮らしと仕事というものを考えて、自然とともに繋がっていく暮らしみたいなものをやり始めたのが始まりなんです。 |
●五右衛門マルシェをまず始めました |
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ら: | 実は私は最初の立ち上げメンバーではなくて、そこから1年くらい経ってから関わりだして、その中で私がやれることと言えば、マルシェにご飯を作って出店したり、音楽関係のつながりがすごく多かったので、そういうイベント的なことをこの場でやりたいなと。上高野自体は結構広い地域なのですが、私たちがいる五右衛門の近くにはお店が一軒もないような地域なんです。花園橋とか国道沿いまで出ないとコンビニもないような地域なので、地域の人がお茶を飲みに来れたり、ちょっと買い物ができたり、誰かと会って話をする場もつくれたらいいなと、私がそれをはじめに思いまして、マルシェを一回やってみるのでということで…。 |
絹: | それが「五右衛門マルシェ」? |
絹: | シンガーソングライターの阿部ひろ江さんとは、まちの縁側のハルハウスという千本北大路のところで出会いましたし、インパクトハブだとかホームズビーで活動している浅田雅人さんもそこに出入りしていたらしいし。 |
ら: | そうです。メンバーです。活動を一緒にしています。 |
絹: | それから熊倉さんという元慶応?今は退官されたのかな。大学教授の先生もその近所に越してこられてとか、不思議やなあと思ったら、やっぱり不思議です。 らーちゃんさんが立ち上げメンバーではないけれど、マルシェやったらできそうやと2015年から始められたと。近所の人は驚かれたけれども、「よかったわあ」みたいな形で、「寄る所なかったし、お店も少なかったし、また来るわあ」みたいになったんですか。 |
ら: | 私が始めた頃は色んな所でマルシェが開かれるようになった時だったんですが、おくどさんがあったり、古民家でしている所はあまりなくて…。 |
絹: | それはレアでしょう。 |
ら: | 近所の人も「前は通っていたけど、この中がどんなになっているか知らなかった」みたいな感じの方も多かったので、毎回300枚から最後は600枚、700枚とかチラシを刷ってポスティングを毎回やって、近所の方が来てもらえるように地道な活動をしていると、「チラシが入っていたので来ました」みたいな感じで、地元の人が楽しんできてもらえるような場になっていました。 |
●里山整備活動のこと |
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絹: | その地元の方の中に、若いお母さんとか、男性とか、里山整備活動とかもやっておられるでしょう?徒歩10分の所にある里山の竹林整備までやっているって。はじめはそんな人、たぶんいらっしゃらなかったのではないかと想像するのですがどうですか。 |
ら: | 竹林と里山はまた違うんですけど、徒歩10分圏内にありまして、同じ大家さんの場所で「好きにやってちょうだい」みたいな感じで(笑)。 |
絹: | すごい太っ腹の大家さん。 |
ら: | そうなんです。元は里山整備の方が先に始まった感じですね。 |
絹: | 里山整備、うまいこといっています? |
ら: | 肉体労働で、続いてやっていける男性の方が減ってきている状況のなか、コロナ騒ぎのせいもあったのか、「自然に帰る活動をしたい」みたいな連絡が入ってくるようになり、今年は里山の活動が活発になるのではないかと思っています。 |
絹: | 僕などは企業のインターンシップとか新任研修なんかに、そんなのを取り入れられたらいいのになあと見ていたことがあるんです。チームビルディングにいい感じですものね。この間「くらしごと」さんでチェーンソーをガードするズボン、かっこいいやつをはいたお兄さんに会いました。「それ、ひょっとしてチェーンソーが当たっても大丈夫なやつですか?」と言ったら「そうですう」と。やっぱりあの人がやっておられるんでしょうね。たぶん。 |
ら: | たけちゃんかなあ。今、メインで動いてくれている里山担当の人がいて、その人と今週末も椎茸の菌うちとかしたり、今山菜がよく出てくる時なので、「コシアブラ」をみんなで採ったり、そういう楽しみも含めながら、里山を続けていくという形で、今頑張っています。 |
絹: | リスナーの皆さん、お聞きになっていかがですか。里山整備活動の中には蜂蜜作りまで入っているんですよね。ここ、もしご存じなかった方は、「上高野くらしごと研究所」あるいは「くらしごと五右衛門」でしたっけ。 |
ら: | 「くらしごと五右衛門」で検索してもらったら、フェイスブックのページとかも出てきます。 |
●「上高野くらしごと研究所」「くらしごと五右衛」、ぜひお留め置きください |
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絹: | ここはいいですよ。面白い。色んな可能性を秘めている場所ですし、もともとらーちゃんさんがこれを始められたのも、「昔の水くみ場みたいな形で井戸端会議できる場がこの世の中から消えてしまっている」みたいな思いがあったそうですね。 |
ら: | そうですね。 |
絹: | 実際にそういうことがここでは復活しているフシがありますし、僕はらーちゃんさんがお留守だった時も含めると3回おじゃましたのですが、すごく気持ちのいい空間です。 |
ら: | ありがとうございます。 |
絹: | 僕は「くらしごと研究所」の初心者ですけれども、ご紹介させていただきました。らーちゃんさん、今日は本当にありがとうございました。またおじゃましますね。 |
ら: | こちらこそ、ありがとうございます。また是非来てください。 |
絹: | リスナーの皆さん、いかがでしたか。ぜひ、お耳の端に「上高野くらしごと研究所」「くらしごと五右衛門」お留め置きください。 この番組は心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクト、そして景観まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。ありがとうございました。 |
ら: | ありがとうございました。 |
投稿日:2020/05/18
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第153回 ・我らが西部土木事務所のかくれた仕事~宕陰(とういん)自治連合会さんとの連携プレー
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黒: | 左・黒井 賢司 氏(京都市建設局 西部土木事務所 所長) |
藤: | 右・藤井 那保子 氏(京都市建設局 西部土木事務所 次長) |
石: | 中・石塚 強 氏(京都市建設局 西部土木事務所 技術調整係長) |
絹: | 絹川 雅則 (公成建設株式会社) |
絹: | 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。 この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソード、特に隠れたエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。 さて、本日のゲスト紹介に参ります。われらが京都市建設局から気鋭どころが、お三方お越しになっております。皆さんご存じの通り、私の本職は建設屋でございます。ラジオをやっているのは、仮の姿。ということで、今日は京都市建設局、西部土木事務所より、まずは黒井賢司所長、土木所長のほかに監察主任というサブタイトルもついていますが(笑)、監察というのは「お前、仕事ちゃんとせえよ」という監察ですか? |
黒: | 一応、所長の役割として、その監察という役割も担っております。 |
絹: | そして監察される側(笑)ですが、同じく西部土木事務所の技術調整係長であらせられる石塚強さん。 |
石: | はい、石塚です。よろしくお願いいたします。 |
絹: | 監察されています(笑)? |
石: | はい、日々、所長から厳しく監察されております(笑)。 |
絹: | そして紅一点というか、最も男前と言ってもいいかもしれません。当チョビット推進室のヘビーリスナーの方でしたらご存じかもしれませんが、今回4回目のゲスト登場です。われらが藤井那保子さん、次長をされています。 |
藤: | はい。藤井と申します。ご無沙汰しております。よろしくお願いします。 |
絹: | ご無沙汰しております。建設局がらみでスマートフォンや携帯のアプリを、建設局さんは京都市の高度技術研究所と一緒につくられたことがありましたよね。あれは何と言いましたっけ? |
藤: | 「みっけ隊アプリ」ですね。 |
絹: | 一般の市民が例えば「道路に穴が開いているけど、大丈夫かな」とか、「電柱についている電灯が切れている」とか「フェンスが痛んでる」とか、「マンホールが傾いている」とか「溝蓋ずれているよ」というのを、写真でパチッと撮って、アプリケーションをダウンロードして、勝手に土木事務所に送ってくださるという、優れたシステムがあったんですよね。今も生きてますよね。 |
藤: | 今、私は土木事務所の方にきて、作った側から利用する側に来ているわけですが、やっぱりヘビーユーザーの方がおられます。「区画線が消えています」という投稿をかなりたくさん送ってこられて、それを石塚係長と一緒に、予算の制約のあるなか、どこから直していこうかみたいなことを話し合っています。「使ってくださっている方は、使ってくださっているんだなあ」と喜んでいます。 |
絹: | この番組リスナーの中にも「みっけ隊アプリ」をダウンロードして、市民の足元を支えるインフラについて興味を持ってくださったり、「サッカーのサポーターばかりがサポーターじゃないぞ」とばかり「京都市のインフラのサポーターだって、ここにあり!」みたいな人たちが、先ほどのヘビーユーザーの方のように、いらっしゃったり…。 |
藤: | そうですね。ありがたいことだと思います。 |
絹: | 実はあの番組を作ったとき、すごくうれしくて、建設屋の目から見ても、土木ファンというか、インフラファンが増えるのはありがたいなと思った、かつての記憶です。 さあ、今日の番組タイトル、テーマです。「我らが西部土木事務所のかくれた仕事~宕陰(とういん)自治連合会さんとの連携プレー」と題してお送りします。 |
■エピソード1 山間部の道路を考える |
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●右京区は実は非常に広いんです | |
絹: | それではエピソード1「山間部の道路を考える」から入らせていただきます。すごく素敵なエピソードが拾えましたので、建設局西部土木のお三方のお口を通じて、教えていただこうと思います。 |
石: | 西部土木事務所は色んなことをしているのですが、日常は道路や水路などの維持管理をさせていただいています。管内で言いますと、中京区、右京区の両区を管轄しているのですが…。 |
絹: | 右京区はやたら広くないですか? |
石: | 右京区は広いですねえ。街中もありますし、高雄や中川、一方では亀岡の手前の宕陰までが右京区ですので、その全域をカバーしております。 |
絹: | 宕陰地区と言いましたら、どんな字を書きましたでしょうか。愛宕さんの「宕」でしたっけ。宕陰地区というのは、ひょっとすると亀岡周りで行った方が早いケースすらあると。京都市内の西部土木や右京区役所から車で行くと、結構遠いですよね。 |
石: | 40~50分くらいはかかりますね。 |
絹: | 皆さん、「右京はすごく広いですね」と言ったのは、そういう時間感覚です(笑)。京北町がごく最近、右京区に編入されましたよね。 |
●台風や大雨、被害が多いのは山間部の道路です |
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石: | 中京区と右京区を管理しているわけですが、その中でも山間部と言われる地域、先ほどお話にありましたような宕陰地区、水尾地区、高雄、中川あたりまでやっています。特に山間部については、そこに対するアプローチと言いますか、やはり道路が市内のようには整っている状況ではなくて、その中でもこの西部土木事務所としては、街中と同レベルの公共土木施設の維持管理をやっていきたいと思っているところでございます。 |
絹: | ところがお財布は限られていると。いつも行政の方が悩まれるのはそこですね。 |
石: | そうですねえ。 |
絹: | 162号線と日吉美山線というのが大事なパイプというか、道であるわけですけれども、リスナーの皆さんは162号線と言ったらイメージできますでしょうか。あるいは日吉美山線と言ったら、景色が出てきますか?車で走っていてどういう景色が162号線、日吉美山線、見えてきますか? |
石: | 162号線であれば高雄地域とか集落がありまして、日吉美山線であれば水尾地域や宕陰地域など集落があるのですが、その集落との間が山間地域ということで、細い道で、風などがあると山から結構倒木が多いというところで、他にアクセスする道路がないので、そこが止まってしまうと、そこの集落が孤立状態になってしまうというところが最大の課題というところがあります。 |
絹: | 最近は台風や大雨があって、倒木被害がたくさんあったのもこのルート沿いでしたか。 |
石: | そうです。162号と日吉美山線というのはやはり多いです。 |
●緊急出動の難しさ |
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絹: | 実は私の本職であります建設の仕事の中で、「単契」というチームがあって、緊急出動して倒木処理などをしてくれる人たちがいるんですけれども、そういう中でも西部土木の皆様との連携プレーが日々起こっているわけですね。 |
石: | そうです。我々も西部土木の事務所の職員で対応できる倒木の処理、木を伐採したり、落ちている木を処理するということはできるのですが、やはり木の高さが高いところだったりすると、特別の高所作業車などを業者さんにお願いして、緊急的に出動していただくことは多々あります。 |
絹: | 自分自身は職人さんとしてやったことはないのですが、緊張感はありますね。「内部応力」というのでしょうか、チェーンソーで切ったとたんにボーンと跳ねてくる映像を見たり、京都府の演習林で前の小石原副知事さんと一緒に間伐経験をしたことがあったのですが、「切りようを間違えると怪我をするから、細い木でも気を付けないとあかんで!」とものすごく言われました。そんな記憶が蘇ってまいります。 |
■エピソード2 大雪について |
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●平成29年1月の大雪と女子駅伝 | |
絹: | さて、平成29年の大雪について、那保子さん、お話しいただけますか? |
藤: | 実は今日、寄せてもらっている三人は、平成29年1月当時、大雪の時は西部土木事務所にいない状況ではあるので(笑)、いろいろ聞いたり、いろんな資料を見たりというところなのですが、ちょうど全国女子駅伝が開催するかどうかというのが、危ぶまれたタイミングでした。 |
絹: | その当時のことはご心配なく。わがチョビット推進室はアーカイブの中に、女子駅伝の舞台裏を表現した番組がありまして、その当時は黒井所長の御前任の長尾課長が所長をされていて、長尾さんもここに出演されました。 |
藤: | 平成28年度になるんですね。その時に大雪があって、大変だったみたいですね。私らはテレビで、「ああ、やってるな。スタートしたな」というふうに見てたんですけど(笑)。 |
絹: | その時大変な目にあった、うちの中堅の名越マネージャーと、長尾さんにここでしゃべっていただきました。うちの土木部の元締めの籔田は駅伝の時、選手が走るのよりも、成績よりも選手の足元の道路ばっかり、テレビでジーっと見てたという…。やっぱり普通の車が通る除雪ではなくて、駅伝の選手がこけない、けがをさせない除雪を、みんなでやらなあかんということで…。 でも駅伝の区間だけを除雪したらいいのではなくて、西部土木が見ておられる区間は、他にいっぱいあったということですよね。 |
●大雪と山間地域の孤立 |
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藤: | そうなんです。どうしても駅伝がクローズアップされますけど、実は隠れた所で、山間地域、162号線や日吉美山線が雪で全く動けない状態になったというのが、その平成29年1月の大雪ですね。 |
絹: | 今日のキーワードに繋がるお話です。除雪作業に手が追い付かない、162号が優先やと。宕陰地域の孤立が起こったということですが、孤立についてのコメントをいただけるとわかるやすいかなと思うんですけど。 |
藤: | 宕陰はどちらかというと、国道477号という亀岡側に近いので、まだ孤立の時間が短かったんですが、実は水尾地域ですね。 |
絹: | ああ、柚子の水尾。 |
藤: | 柚子の水尾が、最後まで孤立していて、大変だったようです。 |
絹: | 京都市の中心市街地にお住まいになっていらっしゃる方はなかなかイメージしにくいと思うんです。でも同じ右京区で雪のために孤立してしまうエリアが実際に厳然としてあったというのを、同じ京都市民としてイメージしていただけたら助かります。 |
絹: | どうやら地元の人は地元の人で手をこまねいていたわけではなくて、西部土木さんが行政のお仕事として除雪をしてくださるのに、「協力しようか」という人たちがいるらしいと。そういう存在に気付かれたわけですよね。 |
石: | 雪がそれだけ降ると、道路の状況とか突起物などが除雪の作業車に引っかかっていることも多々ありまして、そういう道路状況を熟知されている方や…。 |
絹: | やはり地元の方が一番ご存じですからね。 |
石: | また、除雪が必要な時というのは、休日も関係ないですし、特に早朝から作業に入らないといけないということもございまして、道路状況を熟知しておられることや常時着手していただけるということで、地元の自治会さんと協力させていただいて、除雪の作業の委託をさせていただいているというのが現状です。 |
●通常の除雪のプロセスは… |
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絹: | 今ご説明いただいたのは、到達点の部分なのですが、それに至るまでの第一段階として、実は「たんけい(単契)」という仕組みで、地元の建設業者であるわが社が出動いたします。そういう時は西部土木さんから待機命令がまず出て、「天気予報では降りそうだから段取りして」と。そこで雪をどける能力を持った重機をそこへまず運んでいく必要があります。それからオペレーター、運転手さんを段取りする必要があります。今までは西部土木さんの指示で、地元の建設業者がそういう重機回送とオペレーターの手配をして運んでやっておりました。ただ、雪が降って運んでいくのも、実は大変な苦労をいたします。 |
藤: | まず運べない。持っていけないという…。 |
●潜在能力の発見―こんな人がいる! |
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絹: | 地元の道路状況を熟知しておられた人たちって、どんな方なんですか? |
藤: | もともと地元の方で、農業ももちろんやられておられる方なのですが、雪がよく降る地域なので、自分の家の前だけをちょこっととか、よくやられていたわけです。 |
藤: | 籔田さんを通じて(笑)。 |
絹: | いやいや、でも「そんなもんあかん。全然ない」と言われたら終わりじゃないですか。今、日本全国、非常事態宣言中だと思いますが、インフラを整備して、一般の市民の足元を、便利な生活ができるように苦労しておられるなかで、これが起こるというのはすごいことだと。だから今日お三方に来ていただいたわけです(笑)。この出来事、どう思われます? |
黒: | 先ほど絹川さんがおっしゃったとおり、地元の方と契約するというのは、なかなか役所的にはハードルの高いことやったと思います。普通なら建設業者さんと契約するところなんですが、やはりこれから先は、今までのやり方とか、そういうものに囚われず、色んな広い目で見るとすごい結果が出てくるのかなというのが、正直な感想でございます。 |
石: | 先ほども申し上げましたように、地元の道路というのは、地元の方が一番熟知されているということもございますので、今後も我々行政だけではなくて、地元の住民の方も一緒に維持管理していくような仕組みづくりが必要かなと感じております。 |
絹: | 市民の在り方として、共に働く、協働という言い方がありますが、進化した市民と行政のタイアップの仕方の一つ、大変すごい例かなと。所長がおっしゃるように、これにとどまらず、色んな分野で行政と市民の助け合いが起こるといいですね。 リスナーの皆さん、今日のお話、本当に一端でしたけれども、お聞きになっていかがでしたでしょうか。人知れず皆さんの足元を支えるために働いていらっしゃる行政の方々の動きにも、時々注目していただけたらと思います。 この番組は心を建てる公成建設の協力と京都市景観まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。ありがとうございました。 |
投稿日:2020/05/18
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