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第126回 ・子ども食堂はマジックワード~出会いを生み出す子ども食堂

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まちづくり“チョビット”推進室<平成29年1月放送分>

杉: 大場 孝弘氏(公益財団法人 京都市ユースサービス協会
京都市山科青少年活動センター 所長)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)

 

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大場氏
京都市山科青少年活動センターホームページ http://ys-kyoto.org/yamashina/
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲストです。お一方、大変熱い方で、先日、人を介してお会いした時に、意気投合してしまった方です。公益財団法人京都市ユースサービス協会 京都市山科青少年活動センター(愛称:やませい)の所長をなさっています大場孝弘さんです。よろしくお願いします。
大: よろしくお願いします。
絹: そして本日のテーマ、タイトルですが、「子ども食堂はマジックワード~出会いを生み出す子ども食堂(やませいの挑戦あるいは悪だくみ)」(笑)と題して、本日の番組を進めさせていただきます。

■第一章 子ども食堂とは
●山科青少年活動センターって、何をするところ?
絹: 大場さん、子ども食堂、タイトルにもございましたが、マジックワードだそうですね。
大: たぶん今年に入ってから、『子ども食堂』という言葉を聞かれる機会が、すごく増えていると思うんです。それだけではなくて、「『子ども食堂』のことを考えましょう」というお声を掛けると、毎月毎月色んな方からお問い合わせを受けます。私どもで宣伝をしたりするんですが、これだけ色んな方から次から次へと多種多様な方がお見えになるというのは、ちょっと珍しい事だなと思っています。そういう意味でも突然のブームのように、今『子ども食堂』が注目されていると感じています。
絹: そもそも『子ども食堂』とは、というところに入る前に『山科青少年活動センター』って、「オレ行ったことねえよ」という人に、短くどんなことをなさっているところか、教えていただけますでしょうか。
大: 名前が長いので、いつもは、特に利用されている青少年の方は『やませい』とおっしゃるのですが、私どもの施設は、京都市が施設を建てまして、今は13歳、つまり中学生年代から30歳までの方を主な対象とした青少年の余暇施設としてあります。それ以外にも一般の方がお使いになったり、色んな事をされますが…。
絹: 13歳から30歳と、限られているでしょ。だから堅苦しくて、閑古鳥が鳴いていて、ひょっとしたら施設としてはあくびをしている所かなという、私の勝手な思い込みがあったんですけど、この間おじゃましたら、ぎょうさん人がいたはりましたね。
大: そうですね。延べ数で言いますと、年間で6万人くらいの方がご利用になりますね。こういう風な活動センターは、京都市内に7か所あるのですが、山科は特にご利用の方の9割くらいが、山科醍醐地域の方というかなり特徴的な施設でもあります。
絹: 地域性が強いと。しかも外環状線、地下鉄東野駅から歩いて5分くらいですか。
大: 10分弱ですね。西友のちょっと西の方になるというふうに見ていただいた方がわかりやすいかもしれません。
絹: 渋谷街道よりもちょっと南ですね。そこで色んな方が6万人も集われる『やませい』、『山科青少年活動センター』ですけれども、『子ども食堂』をなにやら、作戦を立てて動かしていらっしゃるという噂を聞きつけて、私は取材に参りました。
『やませい』で起こっております『子ども食堂』について、リスナーの方に教えていただけないでしょうか。

●子ども食堂のそもそも
大: 『子ども食堂』というのは、2年くらい前から全国に広がり始めていますが、もともと東京で始められました。その名付け親の方は、「子どもが一人でも来られる食堂」、つまり子どものための食堂というわけではなくて、そこには色んな世代の方がいらっしゃるなかで、お子さんがいらっしゃってもいいけれども、という形で始まっているのが『子ども食堂』なんです。
一方で、私たちの施設では、もともと中学生、高校生、大学生年代の若い方たちが結構ご利用になります。そういう皆さんと色々お話をしていると、食事など、色んなところで結構困った事を抱えていらっしゃるお子さんがいっぱいいらっしゃって、何か応援できることがないかなと考えていたところでした。特に食というのは大事な事なので、それをできるようにということで、中でカフェみたいな形で、晩御飯にはならないけれども、ちょっとおなかの足しにはなるようなことをやりましょうかということでやってきた経過があります。
絹: 『やませい』は良い設備をお持ちですね。イメージしていただきやすいのは、昔、小学校や中学校で家庭科の授業をやった調理実習室、あんな感じの良いのをお持ちなんですね。
大: もともとは勤労青少年のための余暇施設という形で始まっていたので、その時に講習会として、料理教室を結構頻繁にやっていた関係で、あの施設が残っていました。そのままだとちょっと広すぎるということもあって、その一部をカフェのカウンターに改装して、カフェとしても使えるようにさせていただいています。
絹: 本当に興味をひかれた方は、ぜひ一度覗きに行っていただければと思います。居心地のいい場所、そして活気のある空気、テニスコートでは若い人たちがテニスに興じ、勉強会なども提供されているという空間です。そして最近私の周りでも『子ども食堂』というキーワードを時々聞きます。
例えばうちの会社は山科に独身寮があるんですけど、そこに最近着任してくれた寮監さんが面白い方で、服部さんと言いますが、なんでも大場所長のところにちょくちょく出入りしているそうですね。

●寮監さんと子ども食堂
大: はい。まちの中に一枚貼ったポスターをご覧になって、「ぜひ私も何かやってみたい」と飛び込んで来られて、初めは本当にびっくりしたんです。そこで何か自分で開きたいという方はよく来られるのですが、「こういう場所があるので、一緒に何かできないか」というお声を掛けていただいて、それがとてもびっくりしましたね。
絹: その一枚貼ってあったポスターというのは、どんなポスターですか?
大: 「山科で子ども食堂をやりますが、一緒に何かやりませんか」というお声掛けのポスターでした。
絹: 「作戦会議に行きませんか」のあのポスターですか?
大: そうです。
絹: うちの独身寮の寮監さんは、そういう非常に頭の柔らかい人で、「独身寮だから社員の若い子しか使っちゃいけないという常識を少し緩めてみませんか」と思っているようです。もちろん料理もうまいんですね。
実はここに『やませい』さんのホームページからダウンロードしてきたんですけど、
子ども食堂に関心のあるみなさんと作る食堂
ひとあし早いクリスマス食堂
12月19日月曜日、夜の6時から8時まで
料金は300円。
『やませい』でやります!来ませんかというものですが、これもちょっとお話しいただけませんか。
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大: 実はこのメニューは服部さんのご提案で、実際にチキンをうまく料理していただきました。その時、色んな方がお手伝いに来られるんですけど、レシピを公開されて、たぶんその方たちもおうちに帰ってクリスマスのチキンを作られたんじゃないかと思うんですけど(笑)。
今回はセンターをご利用になっている中高生の子達ががっつりと食べられるようにしたいということで、チキンをメインのプレートにして、それ以外にスープなど、色んなものも入れながら提供させてもらっているという形です。

●子ども食堂に寄せる思い
絹: リスナーの皆さん、『子ども食堂』って、何か堅苦しいイメージを持たれている方がいらっしゃるかもしれません。子どもの貧困という、ある種重たい話題、課題、キーワードではありますけれども、大場所長はそういう事を感じさせずに、どうやら『子ども食堂』へのハードルを下げようとしていらっしゃるようにも思えてまいりました。
大: 子どもの貧困という問題と一緒に『子ども食堂』が語られていて、そういう事に特化しながらやっておられる所もあるんですが、そういう所は無料で食事が提供される所が多いんです。でも私たちの所に来ているお子さんたちを見ていて感じるのですが、「タダで食べ物をあげるからおいで」と言われて、そこに行くのって、結構自分の中で躊躇があるだろうな、恥ずかしかったり、イヤだろうなと思えるところがある。それだったら色んな事をやりながら、ひょっとしたら安い料金だとか、何かその中でお手伝いをして、一緒に入れる方がいいのかなと思ったわけです。できれば簡単にいろんな人が入れる仕組みの中に、困った子もいてもいいなという感じの広がり方が、実は一番うれしいなと思っています。

●子ども食堂ネットワークをつくりたい
絹: 『子ども食堂』だけじゃなくていいよと。
それと『やませい』の大場所長の構想の中には、山科子ども食堂ネットワークというか、まず10か所つくれればいいなと。もう実例がいくつか生まれているそうですね。
大: どこか一か所が頑張って子どものために10日間食堂を開こうとすると、ものすごく大変なんです。それよりはちょっとそういう気持ちをお持ちの方同士が集まって、月に一回だけ、とにかく無理のない範囲でやりましょうという場所が、もし区内に10か所増えたら、それで「月に10回、子ども食堂がありますね」という形になる。そうなった方が、色んな人が関われるし、入りやすいし、皆さんの負担も少なくて、色んな人が関われる、そんな場所が広がった方がいいかなと思っています。そういうやってみたい方に私どもの方に来ていただいて、ちょっと経験を積んでいただいて、実験もしてもらって、輪を広げていただくみたいなことを、今願っています。
絹: その中の一人が、うちの独身寮の寮監さんの服部さんだったと。で、実は大場所長にアポを取ってもらうのに、服部さんに電話してもらったんですよね。
大: そうなんです(笑)。

●今まで会えなかった色んな人がやってくる!
絹: さあ、ではタイトルに戻ります。「子ども食堂はマジックワード~出会いを生み出す子ども食堂」。大場さんはこのように語られました。
『子ども食堂』ということを標榜すると、今まで会えなかった色んな人が『やませい』に寄って来られるんですと。
大: 本当にびっくりするんですけど、たぶんこれまであまり出会えないような方、それこそ服部さんもある意味ではそういう方ですけれども、「施設を提供しますよ」などと言ってこられる方はほどんど今まで出会ったことがないですし。
絹: 建設会社の独身寮って、昼間空いているので、食堂はあるし、厨房は当然ありますよと。食材もなんとかちょっとぐらいは余っている物がありますし。と言うのは、うちの会社の職員で家庭菜園をやっているやつもいるし、実家の宮津に帰れば、農薬のかかってない大根などの野菜や、「チヌ釣ってきました」と寮へ持って帰って来る人もいるし。ということを、服部さんはどうも思っていたみたいですね。
大: 実際に、山科の中で、例えば家庭菜園をされていて、今まで配っていた食材が余っているからというので、「使いませんか」とお声を掛けていただいたり、この前は肉屋さんが来られたり、つい最近は趣味で釣りをしている人が「魚がいっぱい釣れるから、それを使わへんか」と相談に来られたり、本当にいろんな方がどんどんお越しになる。
絹: そしたら魚の捌き、三枚おろし教室なんてのも出来るかもしれませんね。
大: そうすると「なくて困るな」と言うと、「私、知ってるよ。そういう人。」とか、「うちの誰かに頼むわ」と言って飛んできてくれたりと、色んな事がどんどんどんどん広がっていく。ちょっとこの広がり方は本当に不思議だなと思うくらいで。たぶん子どもというのと、食堂というのがくっついているというのは、すごいネーミングだなと、私は思います。
絹: だから大場さんはマジックワードだとおっしゃるんですね。
大: はい。この1年、半年くらいで、本当にたくさんの方とお出会いさせていただいたし、それだけではなく「自分も開きたい」とお声を掛けていただいたり、材料を提供したいということとか、色んな方がどんどんお見えになります。

●子ども食堂と地域の居場所
絹: 私が『子ども食堂』というキーワードに出会う前は、『まちの縁側』あるいは『地域の居場所』、『サードプレイス』という言葉を追いかけていた時期がありまして、コミュニティカフェだとか、コミュニティ食堂など、人には家庭と職場と、男でしたら飲み屋以外に羽を休める場所とか草鞋を脱ぐ場所が必要だという思いがあったんです。実は探してみたら、日本にはいっぱいそういう場所をつくっていらっしゃる方が『住み開き』と称して、それこそ週に1日だけは自分の居間を地域に開けましょうとやってらっしゃる。
「お茶とお漬物くらいしかないけれども、よければどなたさまも」とやってらっしゃるご婦人がおられたり、コミュニティガーデンとして、「庭をいい具合にできたから、見に来て!興が乗ったら、そこでバーベキューでもしようか」というようなおじいさんがおられたり…。そういう人たちの存在って、すごくありがたいなあと思って、訪ね歩いていた時期があります。
今回、大場所長の山科エリアでの子ども食堂のネットワーク構想、それはもう確実に居場所ですね。
大: そうですね。もともと青少年活動センターというのは、2000年くらいから若者の居場所を標榜し、どこにも所属しにくい、人との関わりが難しい困っている方たちの助けになればとやってきたところがあるので、どこかそこに繋がっているところはあるのかなと思いますね。

■第二章 地域通貨『べる』のこと
●誰かの役に立って、得る通貨
 絹: さあ、その大場構想、子ども食堂ネットワークの中に、他とは違うちょっとユニークなものを見つけました。山科地域だけで通用する地域通貨『べる』というものについて、ちょっとご説明をお願いします。
大: これは「食べる」とか「遊べる」とかの「べる」でして、『るるぶ』に近いのかもしれませんが(笑)、そんな形で前のスタッフがつけたんです。
元々はセンターの中で若い人たちが誰かの役に立ってお礼としてもらうもの、そのクーポンを『べる』という形にしていて、そのクーポンをできれば地域の中で色んな場所で使えるようになるといいなという思いで始めているものです。
絹: 地域通貨というものを、ご存知のない方のために、念のために申し上げますと、『子ども銀行券』をイメージしてもらうと(誤解を生むかもしれませんが)、わかりやすいかもしれません。『肩たたき券』や『お手伝い券』のようなもので、『やませい』に出入りする元気な中高生が地域のお手伝いをする。例えば「蛍光灯を替えた」とか「庭の草引きをやった」としたら、例えば50べる、100べるとかいうのを、「ありがとう。これ、お金じゃないけどお礼だよ」と裏書きして、地域の高齢者とか大人からその子がもらう。それを持って『やませい』に帰って来ると、「それでカレーでも食うか」、あるいは「子ども食堂でご飯食べる?」あるいは「エスプレッソコーヒー飲んでいけよ」という仕組みなんですよね。
 大:  はい。ですから先ほど『子ども食堂』の話をした時にしていましたが、タダの所へ行くというのは、結構敷居が高いと思います。自分が誰かの役に立って、喜んでもらって、そこで得たもので自分で行くということがある方が、『子ども食堂』としても楽しいし、その子にとっても自信になるかな。それがうまくくっつくと、結構これは面白いんじゃないかなというふうに、今思っているんですけどね。

●困りごとを抱えた子が相談できる地域にしたい
 絹:  これはすごくユニークで、大事な事を思いつかれたな、すごい発想だなと感心して聞いたんですけど、ちょっと重たい話になりますが、やはり青少年を多くそばで見ていらっしゃった大場さんですから、色んな困りごとを抱えた子たちもいるよと。
この間お会いした時に、「ぎりぎり大変な状態にならないとSOSを出さない子たちがいる。だから周りの大人に困ったことがあったら相談できるような、そういう地域であるにはどうしたらいいか、その発想から『べる』に行きついた」とおっしゃっていましたね。
 大:  たぶんそれが子ども食堂ともつながっているんですが、どうしてもそういうしんどいお子さんたちは、周りに助けてくれる大人がいないという、しんどい面があるんです。人との関係がやはり薄い。そういう意味では、「親も含めて色んな大人が信じられない」と思っていることがいっぱいあって、そういう傷ついた体験をいっぱい持っているので、そうじゃない大人や先輩がいるよという体験をしてもらうには、出会ってもらう必要があるんです。
それには子ども食堂もいいですし、『べる』で何かやって、「ありがとう」と言ってもらって、何かを得る。それを持っていったら「ご苦労さんやね」と言ってもらえるような経験、つまり「自分を助けてくれる大人がいるんや」という経験を小さい時に積んでおいてもらったら、ちょっと小さなことで困った時に、「ちょっと困っているんやけど、相談に乗ってくれる」と行けるのではないか。それがたくさん重なっていくと、本当にとことん困る前に、早目に行って誰かに相談して、全部は解決しないけれども、少しは和らいだり、改善の道が見つかるみたいなことになるといいなと思っているんです。

●地域の中に、もっと人間浴できる場所をつくりましょう
 絹:  まさに精神的な耐性と言いますか、「柳に雪折れなし」みたいな腰の強い心根を、若いうちに育てられないか思ってらっしゃる。この仕組みを使って、子どもたちを地域の大人たちが見守る仕組みがつくれないかということを、発想されたようです。
これは『やませい』ワード、大場さんの造語だと思いますが、すごい言葉をこの間教えていただきましたね。
 大:  これは元々近くで一緒に活動されている人からお聞きした言葉なんです。「地域の中に、もっと人間浴できる場所をつくりましょう」というものです。森林浴よりも、今必要なのは人間浴かもしれないと。本当にいろんな関係の中に、その人がいるということが、どれだけ大切で幸せなことかということを、今ほど必要だと思うことはないので。
 絹:  海水浴ならぬ、森林浴ならぬ、人間を浴びると書いて、人間浴。いいですねえ。直接いきなり深い話はしないけれども、なんか顔を見て、「あのおっちゃんは料理得意や」と。「あのおっちゃんは釣りが得意や」と。「あのおばちゃんは家庭菜園やったはる」、「あのお姉さんは保母さんOB?」とかって、色んなタレントが周りにいて、それぞれが何かあったら、「おう、声を掛けろや」という、こっちを向いてくれている人が『やませい』の近所に…。「あれ、山科エリアでうろちょろしてたら、また会ったね」と道で挨拶できる。それだけでも違いますね。
 大:  本当にそういう人たちをたくさん知っていること、それこそお互いの名前を知っているとか、名前で呼ばれるという関係の中に、もうちょっといた方がいいかなと、今すごく思うところです。

●サポートする側も支えながら、支えられ…
絹: 大学生の話も教えていただきましたけれども、結構今の大学生、学生ローンを抱えちゃっているよと。
大: 「奨学金という名の学生ローン」と言われていますが…。
絹: 例えば立命館大学が100円食堂をやったりしていますが、そういう子たちと学生さんたちとは、全く通奏低音は一緒だなと。『やませい』のサポートスタッフ側で、大学生がいてくれたりとか、地域の方たちの手となったり足となったり、動いてくれたらすごく素敵ですよね。
大: たぶんそうやってサービスをする側でもあるし、子どもたちに対応しながら、子どもたちと遊びながら遊んでもらえるというか、そのこと自身もその人自身の役立ち感を持てるし、自信にもつながると思うので、本当にお互いさまでお互いを支える部分が結構あるなと思っています。

●コミュニティカフェで、大学で、注目される子ども食堂
絹: 大場さんに教えていただいた、今既に動き出している『子ども食堂』の例、例えば『おむすびの会』、それから『笑人(わろうど)カフェどんげね?』というのが、実際に動いていらっしゃったりして、徐々にこの大場構想は現実味を帯びてきております。
そしてこのチョビット推進室のゲストにも出てくださった『京都市未来まちづくり100人委員会』という、勝手連みたいな、「京都のためにほっといても汗をかくぜぇ」みたいな、変な人たちの集まりだったんですが、そういうOBたちが『山科GOGOカフェ』だとか、『左京朝カフェ』だとか、そういう区役所をキーステーションにして、色んな交流をしている場があります。そんな所にも大場さんは顔を出しているとおっしゃっていましたね。
大: ええ、そこで時々「子ども食堂、子ども食堂」と言っているので(笑)、結構そこで知って頂いて、後でご連絡いただく方もいらっしゃいます。
絹: 橘大学の准教授の小辻さんという方が理事長を務めておられるNPO法人があるのですが、そのNPO法人の主たる研究テーマは、京都にある居場所を調べ上げて、マッピングデータをつくるというもので、小辻さんはそれぞれインタビューして、行きたい人が行けるような、そういう活動をしてらっしゃる方です。実はその小辻准教授の結婚披露宴で、彼の上司にあたる教授たちが、僕の隣のテーブルに座られたんです。そこで「絹川さん、こんなん知ってる?」とゴソゴソと出してこられたフライヤーが、オレンジ色の子ども食堂の作戦会議みたいなやつだったんです。それをうちの寮監さんである服部さんに渡して、それがきっかけですので、橘大学も色々頑張っているみたいですね。
大: 本当に近い所でもあるので、今でも色んな形で、大学生の方も含めて関わりを持たせていただいているので、是非ともこれからも色んな形でお願いしたいですし、もうちょっとあの人たちが加わってやれるところがありそうな気がします。

●ネットワークをもっともっと広げたい
絹: はい、では年初の抱負と言いますか、平成29年は『やませい』の大場所長は『子ども食堂』がどんなふうになったらいいと思っておられますか?
大: 本当に山科の中に『子ども食堂』が色んな形でできること、そのために「私、やってみたい」とか、「手伝いたい」という方がいらしたら、一度お声を掛けていただけると有難いと思います。
絹: はい、『やませい』あるいは『子ども食堂』・山科という検索ワードで、必ず引っかかります。愛称『やませい』、京都市山科青少年活動センター所長の大場さんをお招きして、今日の特集「子ども食堂はマジックワード」と題してお送りいたしました。皆さま、ぜひ覗いていただけませんか。あるいはサポーターで何か差し入れていただけたらうれしいです。
大: ありがとうございます。お待ちしております。
絹: それではそろそろ終わりです。
この番組は、心を建てる公成建設の協力と、京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りしました。今日は大場さん、ありがとうございました。
大: ありがとうございました。
投稿日:2017/02/15
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