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第198回 ・京都祭コインcomoって何?~お金のフリをした何か…その2~

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中: 中田 俊 氏(株式会社 夢びと 代表取締役)
絹: 絹川 雅則(公成建設株式会社)
         (右:中田 俊 氏  左:絹川)
◼︎概要
京都の地域通貨「祭コイン(COMO)」の進捗状況と展開について議論。半年間で参画企業が約40社に倍増。地域限定で3ヶ月で失効する特徴を持ち、伝統産業支援や若者支援に活用。特に市営住宅の空き室活用と組み合わせた新しい地域活性化の取り組みが進行中である。◼︎要点一覧
・祭コインの特徴:地域限定で3ヶ月で失効する地域通貨。伝統産業支援や若者支援に活用可能
・参画企業の状況:半年前の20社から約40社に倍増
・市営住宅活用プラン:祭コイン相場での若者向け住居提供を検討中◼︎ネクストアクション
・高校生・大学生による祭コイン関連の取材・イベント企画の受け入れ対応:参画企業

◼︎決定事項
・市営住宅の空き室を活用し、祭コイン相場での若者向け住居提供を検討開始
・ふるさと納税の返礼品として祭コインでの体験プログラムを提供可能とする

◼︎質問と回答
Q. 祭コイン(COMO)とは何か
A. 京都の地域限定の地域通貨で、3ヶ月で期限切れとなり、応援したい店舗への支援に使える。普通の通貨とは異なる特徴を持つ

Q. 祭コインに参加している企業数はどのくらいか
A. 半年前の20社から現在は約2倍に増加している

Q. 祭コインの具体的な使用例は何か
A. 藍染職人の伝統工芸支援や、学生の地域活動支援など、地域の伝統や若者のチャレンジを応援する取り組みに使用されている

Q. 洛西ニュータウンでの祭コインの活用計画とは
A. 市営住宅の空き室を活用し、町づくりに関わる若者向けに通常より安価な祭コイン相場での住居提供を検討している

Q. ゴミ堆肥の取り組みはどのような活動なのか
A. 生ごみを集めて堆肥化し、京都の農家や大宮交通公園の緑化に活用。市営住宅での回収も行い、住民が堆肥を使って植物を育てることができる

Q. この活動の名称は何か
A. ごみカフェ京都という名称で活動している

Q. 祭コインの最近の特徴的な動きは何か
A. 高校生や大学生が取材やイベント企画に参加するケースが増加している

◼︎トピックス
1.番組概要
・ゲストは株式会社 夢びと 代表取締役の中田俊氏。税理士でありながら、京都経済センター対面のビルに「学び場 とびら」という開放的な空間を運営。

2.祭コインの概要と進展
・京都限定の地域通貨で、3ヶ月で失効する期限付き。地域の応援したい店舗への支援ツールとして機能。
・参加企業が半年で約2倍に増加。様々な業種の企業が参画し、新しい経済の仕組みづくりに共感。
・伝統工芸(藍染め)や学生の活動支援など、従来の経済システムでは支援が難しい分野での活用事例が増加。

3.今後の展開
・洛西ニュータウンでの活用事例として、市営住宅の空き室を祭コイン相場で若者向けに提供する構想を検討中。
・地域限定の経済圏を作り、若者の起業支援や地域活性化に活用する方向性を模索。

4.祭コイン(COMO)の概要と展望
・COMOは「コモン(共有)ルーム」の略称。クラウドファンディング形式で地域活性化の取り組みを支援している。
・将来的には祭コインを通じて、自発的なチャレンジに対する資金調達の仕組みを作ることを目指している。

5.コレクティブハウジングの取り組み
・公営住宅の空き室を活用した分散型コレクティブハウジングモデル実験を計画。異年齢間の交流と助け合いを促進する住まい方を目指す。
・西野山、洛西東竹の里、男山団地(6000室超)など、複数の地域で同様の取り組みが始まっている。

6.地域活性化の具体例
・「ごみカフェ京都」による生ごみ堆肥化の取り組み。市営住宅での回収活動が好評で、高齢者の参加も多い。
・これらの活動により、市営住宅での制限緩和の動きが出てきている。

投稿日:2024/09/24

第197回 ・洛西まちづくりで考えた事~洛西”SAIKO”prj.のkeypersonとしての「らくさいっこ」って何?

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渡: 渡邊 優希 氏(京都府立大学)
絹: 絹川 雅則(公成建設株式会社)
        (左:絹川  右:渡邊 優希 氏)
◼︎概要
京都府立大学4回生の渡邊 優希さんを含む大学生3人組「らくさいっこ」が、洛西ニュータウンで高齢化・人口減少に対応するまちづくり活動を展開している。市営住宅の空き室をコミュニティスペース化する計画を進め、クラウドファンディングで124万円を集めることに成功。住民との交流の場としてカフェ活動を実施し、「やりたい」と「助けて」を結びつける活動を展開している。◼︎要点一覧
・洛西ニュータウンの現状:人口が1990年の3万6000人から2020年には2万1700人に減少。高齢化率は43.0%で市全体平均28.2%を大きく上回る
・「らくさいっこ」の活動理念:住民の「やりたい」と「助けて」を結びつけ、相互支援的なコミュニティを形成する
・活動の特徴:3人の異なる大学生が連携し、行政・企業・地域との協力体制を構築している◼︎ネクストアクション
・市営住宅の空き室をコミュニティスペースとして改修する:らくさいっこ
・住民参加型ワークショップによる改修計画の実施:らくさいっこ◼︎決定事項
・クラウドファンディングで124万円の資金調達に成功
・集会所でのカフェ活動を定期的に実施

◼︎質問と回答
Q. 「らくさいっこ」とは何か
A. 洛西ニュータウンでまちづくり活動をしている大学生3人組のチーム名

Q. 「らくさいっこ」の主な活動は何か
A. 市営住宅の空き室を活用したコミュニティスペース作りと、集会所でのカフェ運営を通じた住民交流の場づくり

Q. 「らくさいっこ」のメンバー構成は
A. 渡邊 優希さん、浦井 ひなたさん、大竹 莉瑚さんの3人で、それぞれ異なる大学に通う同学年の学生

Q. 洛西ニュータウンの現状はどうか
A. 1990年の約3万6000人から2020年には2万1700人に人口が減少し、高齢化率は43.0%に達している

Q. 「らくさいっこ」の活動理念は何か
A. 「やりたい」と「助けて」が出会う場を作り、住民同士の関係性を構築することで、互いが暮らしやすく幸せに暮らせる環境を目指している

Q. クラウドファンディングでは、どれくらいの金額が集まったのか
A. 目標を上回る124万円のプラスアルファの寄付が寄せられた

Q. 今後の活動計画はどのようなものか
A. 住民の人達も参加できるワークショップ方式の計画書を用いて、お部屋を実際に改修していく

Q. 活動の特徴として京都のどのような良さを感じているか
A. 活動を応援してくれる人の存在が大きく、自分がやりたいことを応援してくれたり、一緒に挑戦したり連携してくれる人が多い点

Q. 活動の情報はどこで見ることができるか
A. InstagramとFacebookで活動の様子を発信している

◼︎トピックス
1. 「らくさいっこ」の紹介
・京都府立大学4回生の渡邊 優希さんを含む、異なる大学の3人組による学生チーム。公共政策を学ぶメンバーで構成されている。
・中田俊氏(株式会社 夢びと 代表取締役)の紹介で3人が出会い、洛西ニュータウンでのカフェ活動を開始。
・市営住宅の空き部屋を活用したコミュニティスペース作りに取り組み、クラウドファンディングで目標額を超える支援を集めた。

2.活動内容と目的
・集会所でカフェを開催し、住民同士の交流の場を提供。インスタントコーヒーやお菓子を提供しながら、コミュニケーションの機会を創出している。
・「やりたい」と「助けて」を結びつける場作りを目指し、住民の困りごとを解決しながら関係性を構築している。

3.地域の現状
・洛西ニュータウンの人口は1990年の約36,000人から2020年には21,700人に減少。高齢化率は43.0%で、京都市全体(28.2%)を大きく上回る。

4.3人の連携について
・3人それぞれの役割があり、課題解決には一緒に考え、知恵を出し合うことで解決できることが多いと実感している。
・メンバーの特徴:浦井 ひなたさんはデザインが得意、大竹 莉瑚さんは会話と熟考が得意、渡邊 優希さんは聞き役と中立的な立場を取る。役割は固定化されていない。

5.外部との連携
・地域企業、京都市などの行政との連携がある。京都ならではの環境で、活動への応援や協力者が多いことが特徴。
・大学での学びと実際の活動が連携しており、社会課題解決への理解が深まっている。

6.プロジェクトの進捗
・クラウドファンディングで目標を上回る124万円の寄付が集まった。
・今後は住民参加型のワークショップ方式で部屋の改修を進める予定。

投稿日:2024/06/19

第196回 ・図書館のふりをした何か ~ インクルーシブまちづくり図書館って何?

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新: 新山 隆司 氏(株式会社くらしの伴奏者 代表取締役社長/伴奏者)
絹: 絹川 雅則(公成建設株式会社)
       (左:新山 隆司 氏  右:絹川)
絹: 皆様こんにちは、そしてこんばんはかもしれません。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット                  推進室 絹川がお送りいたします。さて、本日のゲスト紹介です。ちょっと不思議な出会いという感じなんです。株式会社くらしの伴走者 代表取締役社長兼伴走者というお名刺を頂戴いたしました。新山隆司さんです。

新:よろしくお願いいたします。

絹:新山さんとの出会いは初めてだと思い込んでいたら違いまして、ひょっとしたら数年前かもしれません。

新:もう2~3年くらい前になるかと思います。

絹:その時は上京区役所の社会福祉協議会の職員でおられたところに、僕が何か相談を持ち込んでおりました。コレクティブハウジングだとか、コーポラティブについての相談を持ち掛けたようです。それを僕は忘れていまして、リスナーの皆さん、北野商店街って、土地勘はありますか?昔の子ども文化会館へ行く千本通から入っていく斜めの道を車で走っていましたら、“きたのま:インクルーシブ図書館”この頃書き込みの多かったのはこれか?みたいな感じで、車を停めてふらふらっと「こんにちは、見せて頂いていいですか?」と入った小さな場所、おそらくは商店街の空き店舗を活用された不思議な図書館と言うよりも、図書室ですね。その名も「きたのま:インクルーシブまちづくり図書館」をおつくりになった方が、くらしの伴走者の新山社長兼伴走者さんです。

 

■エピソード1 そもそもインクルーシブまちづくり図書館って何?

  • もっと地域に近い場所でまちづくりを

それでは新山さんに、そもインクルーシブ図書館って何?というあたりから入っていただきます。

新:私は20年ほど福祉の仕事をやってまいりまして、その中でもっと地域に近い場所で、まちづくりのご相談に乗りたい、お困りごとを一緒に考えたい、そういう思いがちょうどコロナ禍の時に芽生えました。そこで昨年の3月末で京都市の社会福祉協議会を退職して、同じ年の7月に株式会社くらしの伴走者というインクルーシブまちづくりの伴走支援をする社会課題の解決をする会社を立ち上げました。

絹:インクルーシブまちづくりというのが、私にとっても初めての用語で、ネットで調べてみたら「困りごとのある人を真ん中にして、取り残さないまちづくり」と書いてありました。まさに福祉系の方々が使われる用語なんですね。

  • 「商福連携」ということ

新:うちで勝手にこしらえた言葉ではあるのですが(笑)、株式会社ゆめ工房さんというお子さん向けの補装具をつくっていらっしゃる会社が、元々北野商店街にございまして、その方々のご支援をいただきながら、グループ企業の1つとして立ち上げました。そのゆめ工房さんの社長の益川さんがおっしゃっていた言葉として、「インクルーシブ商店街」とか、「商福連携」、よく最近は農業と福祉の連携で「農福連携」と言ったりするのですが、商業と福祉も連携していいのではないかと。

絹:「商い」と「福祉」の連携ですね。

新:こういうことを考えていらっしゃる方がおられて、その方の支援を受けて会社を立ち上げて、その中で「インクルーシブまちづくり」という言葉をつくらせていただきました。

絹:ゆめ工房の益川社長さんが、キーマンのお1人だったわけですね。

新:そうです。キーマンのお1人です。

絹:私も「商福連携」ならぬ、障がい者雇用など、法的に企業を運営しておりますと、「あなたのところの社員数なら何人そういう人を雇うべきだ」という指導を受けるんです。受けられればそれでよし、受けられなければペナルティが少し来ると。ですから積極的に障がい者雇用ということではなくて、行政の指導の下にルールがあるからしているというような段階にとどまっているのですが、ゆめ工房の益川さんや新山さんは「商福連携」ですから、それよりももう少し先を行っておられる感じですね。

新:先を行っていると言っていいのかどうかわかりませんが、私どもが普段やっている事としては、普段やっておられるお商売やお仕事に、プラス福祉の視点をプラスアルファすることで、色んな人が暮らしやすくなる、誰一人取り残さなくなる、そういうまちづくりができるのではないかというふうに思って「商福連携」とか「インクルーシブまちづくり」という言葉を使っております。

絹:実は今のお話を聞いて刺激を受けて、湧いてきた思いがございます。このコミュニティFM京都三条ラジオカフェさんで20年ほどやっております、うちの番組のタイトルが「まちづくりチョビット推進室」と申します。深く考えてつけたネーミングではないのですが、私の本職は建設業ですので、建設業において、ただただ構造物や建物やインフラをつくりこむのは当たり前、きっちり工期内に仕上げてお納めする、それだけでいいのかという思いが、何十年か仕事をしておりますと少し湧いてくる部分があります。新山さんのお言葉を借りると、「地域課題伴走型企業」「地域課題解決伴走型建設業」みたいなものに、少し形態を一歩なのか、0.5歩なのか、踏み出すべき時期が来ているのではないかみたいなことを悩み始めていた時期に、「きたのま:インクルーシブ図書館」に迷い込んだと。そんな段階みたいですね、私は。

新:ほんとですか、ありがたいです。

  • 「きたのま:インクルーシブまちづくり図書館」が目指していること

絹:「商福連携」を常日頃から苦心されている、ゆめ工房の益川社長の支援を受けて、くらしの伴走者を去年の7月に創業されました。くらしの伴走者が目指していらっしゃること、あるいは「きたのま:インクルーシブ図書館」が目指していらっしゃること、実際になさっていることをご紹介いただけますか。

新:うちの会社としましては、1つが個人の伴走支援というところで、お困りごとを抱えていらっしゃる方の相談相手にというのが、1つ事業の柱としてあります。2つ目に企業さんや団体さんの伴走支援。例えば「商福連携」のように、企業さんや商店さんで福祉やまちづくりの取組をやってみたい、本業を社会課題の解決に活かしたいというご相談があった時に、伴走支援をさせていただくというのが、2つ目の柱でございます。

絹:何か私今、無茶苦茶ツボにはまっていまして、自分の建設業としての当たり前にこなしている仕事プラス少し地域課題に伴走するように変化をしてみたいという妄想を抱きかけております。何か相談すべき方に出会っているかのような気がいたします。

新:ありがとうございます。そう言っていただけるとうれしいです(笑)。

絹:それこそが企業・団体への伴走支援ですし、元々新山さんは社会福祉士であられて、介護福祉士でもあられるし、福祉系大学をご卒業の後、高齢者施設の介護を4年、子どもさんの児童相談所のケースワーカーを1年、足掛け2年やられて、あと社協を4年あまり。そういうところで人様の困りごとにはよく相談に乗って来られた方ですよね。不思議やなあ。

新:そういった中で、色んな方のご相談の入り口になるようにというところで、「きたのま:インクルーシブまちづくり図書館」というのを北野商店街で、会社を立ち上げた7月同時期にスタートさせていただいております。

  • 「きたのま:インクルーシブまちづくり図書館」の仕組み

絹:そのインクルーシブ図書館、普通の図書館ではないんですよ。僕は1回しか行っていませんので、えらそうなことは言えませんが、会員制の本棚があって、本棚のひと区画を例えば私がお借りするとしましょう。そのための月会費2200円をお支払いすると、その区画に自分の好きな本を置いていいと。ご近所さんや高齢者、子どもさん、仕事帰りの方などが、年500円の会費で1回3冊、2週間まで好きに借りて行っていいよとわけです。入りやすい!それぞれの区画が30~40㎝四方くらいでしょうか。棚に15~20冊並んでいて、自分の蔵書の中から「この作家を読んで!」みたいなのを、会員さんが持ってくるわけですよね。ですから入り口として、そういう図書館機能があるけれども、なぜか「困りごとがある人は、毎週水曜日の16時になったら、福祉とまちづくりの相談会をやっているので、よかったら」というのも、さりげなくその辺に表示が置いてあると。

新:はい、アナウンスさせていただいています。

絹:うーん、不思議。でも本当に1200冊以上、もう本が集まっているって教えていただきましたよね。ぎょうさん集まりましたね。

:本棚のオーナーさんは、うちで言うと10名くらいで、そんなに多くはないのですが、それ以外の本棚に私の蔵書と、あと地域の方が結構寄贈をしてくださいますので、その中からうちの図書館のカラーに合う本をセレクトして置かせていただいています。

絹:リスナーの皆さんも一回、北野商店街を覗いてみて下さい。面白いですよ。本を借りるだけでも、新山さんが図書館司書みたいな顔をして、ちんと座っておられるわけですよ。座っておられるのは新山さんだけですか?他の人もおられるのですか?

  • 若者向け社会課題解決型のNPO法人さんとも連携を始めました

新:今のところ私だけですが、最近は社会課題解決型のNPO法人さんとも連携をしておりまして、今後はそういう方々の店番の日であるとか、相談会の日であるとか、そういうのも設ける予定です。

絹:それはなんという団体さんですか?

新:1つがNPOフラットさんという団体さんで、活動内容としては、「若者向けの保健室・ユース保健室」という活動をされていらっしゃる方々になります。

絹:これも面白そうですね。

新:どうしても若い方、恋愛の悩みであったり、性の悩みであったり、そういうお困りごとを抱えていらっしゃる方がいますので、若い方より少し年齢が上の20代から30代の方がNPO法人を回していらっしゃいまして、そういう方々が相談に乗って下さるという活動です。

絹:存じ上げませんでしたけど、地道な事をやっている人はいるんですね。

新:すごく大切な活動をやっていただいています。そういった若者向けの活動場所を探していらっしゃるような団体さんに、うちの「きたのま」という場所を提供するというのも、1つの使命かなと思ってやっております。

絹:ある意味、図書館の顔をしたポータルなのかもしれませんね、「きたのま」って。何か玄関口、ドラえもんのどこでもドア、だたし困りごとを抱えていて、そこの扉をトントンとして入ったら、何か話を聞いてもらえて、相談に乗ってもらえるかもしれない。ただ、「1人で抱えて悶々としているくらいなら、本を読みがてらおいでよ」という感じですかね。ひょっとしてコーヒーメーカーなんか、置いてあります?

新:まだ置いてないんですが、ケトルとかはありまして、何か活用方法はないかなと話しているところです。

絹:いやあ、コーヒー飲めたらいいなと、今一瞬思いました(笑)。

新:ですよね(笑)。考えてみます。

絹:時々そういうのを見付けて、ご自宅にあまっているのを持って来て下さったりする方がいるみたいなので。このラジオ、どれだけお聞きになっているか未知数ですが、リスナーの方、「余ってるでえ」なんてこともあるかもしれません(笑)。

新:よろしくお願いします(笑)。

 

■エピソード2 インクルーシブまちづくり図書館で起きつつある様々なこと

  • まずはイメージボードでご提案します―例えばシェアキッチン…

絹:さあ、リスナーの皆さん、ここまでで「くらしの伴走者」、「きたのま:インクルーシブまちづくり図書館」がどういうものを目指して、去年の7月に産声をあげられたか、少しご理解が進んだでしょうか。ここからは実際に今、「きたのま:インクルーシブまちづくり図書館」で起こっている、明かしてもいいようなエピソードがございましたら、イメージしやすいように教えていただけますでしょうか。

新:ありがとうございます。1つはやはり仕事のご相談に来て下さる方がたくさんいらっしゃいます。まちづくりの伴走支援の部分について、企業さんとか、商店さんからご相談いただくということです。私はそういうご相談を受けた時に、まずイメージボードで「こういう案はどうでしょうか、こういう案はどうでしょうか」と。

絹:これ、隆司と書いてあるから、自分で書かれたんですね?

新:そうです。こういうイラストをつくりまして、まちづくりのたたき台にしていただく、イメージを持っていただくということです。

絹:「誰かと作る飯はうまいね」とありますが、これ何か子ども食堂っぽいのですが。

新:この絵がシェアキッチンのアイデアを出した時のものです。空き家の利活用をどうしていったらいいだろうというお話になった時に、大きなキッチンとして使える土間があったので、「例えばシェアキッチンにしてはどうでしょう」というお話をした時のものでございます。

絹:高齢者の一人住まいが増えているようですし、最近の新聞報道では何年か先には一世帯の構成人数が2.0を割っていくというような報道がありましたよね。

新:ありましたね。2050年くらいとのことでした。

絹:そうすると個食、コンビニで何かお惣菜を買って、1人で食べるみたいなのが増えていくと、わびしすぎますよね。

新:ですから色んな方がご自身のできる範囲で、お家を地域に開く、住み開きと言ったりしますけれども、そういうことがうまくできれば、そういった寂しい気持ち、孤独な気持ちというのも解消に向かっていくのではないでしょうか。

  • 「きたのま」を開かれた場所にしたい

絹:新山さんはここ、京都三条ラジオカフェに御出演は今回初めてではないそうです。以前「置きベン(ベンチ)」をなさる小畑さん、自分の敷地の中にビール瓶のケースを2つひっくり返して、上に板を渡してベンチを置こうということを、非常に地道に上京区、ブライトンホテルの前の事務所から始めて、知らないうちに何かどんどん広がっているらしい。「ベンチにうっかり座って色んな人とおしゃべりしてもいいんじゃないの?」みたいなことをなさっている番組に、ゲストで出演されたのが、新山さんの最初だったと。

新:そうですね、最初でした。

絹:小畑さんもこの番組のゲストだった方なんです。お二方は一脈も二脈も通じるところがありますね。すごい地道で、何かうっかり起こる、人と人との声掛けや、ここでもシェアキッチンのアイデアを出されたり、「一緒に食べることがあってもいいんじゃない?」とか、「住み開き」という言葉をお使いになったり、できる範囲で自分のおうちに境界線があって、塀があってというのと、少しそれが縁側のように緩くなって、自分の家族ではない人も少し出入りしていてもかまわない、そういうグレーゾーンと言うか、開かれた場所なんだよみたいなことをすごく大切にする人が、小畑さんみたいな方なんですけど、新山さんもそうですよね。

新:そうですね。まさに「きたのま」がそういう場所になればというところで。

絹:たぶん私にはそういうことの嗅覚がどこかにあって、よく考えずにすーと引き寄せられて、「こんにちは」と、やってしまった。たぶん私自身もそういうものを必要としていたり、求めていたりするんだと思われます。リスナーの皆さん、どんどんこういう場所・空間を求める人が、私は増えているように思いますので、「きたのま」のような場所はこれからも多くの方が訪れられるのではないでしょうか。

  • 例えば「インクルーシブ防災」

これは「避難訓練にしておくと安心だね」というイラストですね。

新:そうです。インクルーシブ防災のアイデアを出した時のイラストで、この車いすに乗っていらっしゃる方やリヤカーに乗っていらっしゃる方が、高齢の方や障がいがある方です。この方たちと地域の自主防災会の方であったり、役員さんであったり、そういう方が一緒に避難の計画をつくって、実際にその計画に基づいて訓練をしてみる。そこには当事者さんのケアマネージャーさん等の福祉担当者さんも立ち会います。要はみんなで計画をつくって、みんなで訓練してみる。それを普段からやってみることで安心だよねという、そういう取組のアイデアのイラストになります。

絹:シェアキッチンとみんなで避難訓練のイラストを見て思いついたのですが、公営住宅・市営住宅の一階に「きたのま」みたいなのがあるのが当たり前の世の中になったら、公営住宅の中でこんなのが起こったらめちゃくちゃ安心じゃないですか。新山さんが去年の7月から北野商店街でスタートされたようなことに、「私にもできますやろか」と言って相談に来るような人が現れて、きたのま2号、きたのま3号、なんとか市営住宅支店みたいな形が生まれたら、そのエリアって、めちゃくちゃ治安が良くなるような気がしませんか。

新:そうかもしれません。要は皆さん、顔が見える関係になると安心できますし、その人らしく生きることができるのかなと思うので。

  • 是非一度、「きたのま:インクルーシブまちづくり図書館」にお越しください

絹:そろそろ時間になりましたので、力技でもまとめに入らなければならないのですが、今日はまとめるというよりも新たな展望と言いますか、「きたのま:インクルーシブまちづくり図書館」というのが生まれて、僕は一回しか行ってないですけど、その居心地の良さ、こういう新山さんがなさっているようなことに賛同する人が増えたら、そのエリアは居心地がよくなって、治安が良くなって、ひょっとしたら色んな課題が消えてしまうかもしれないみたいな、そんな妄想が湧いてしまいました。新山さん、何か言い残したことはないですか?

新:是非皆さん、「きたのま」に一度お越しいただけると嬉しいなと思います。「きたのま」は本を借りて帰れる会員さんは今、95名になりました。会員さんにならなくても、その場で本を読んでいただくことはできます。特に若い方、学生さんなどはそうやって帰られる方もいっぱいいらっしゃいます。是非一度覗いていただいて、インクルーシブまちづくりを一緒に考えていただけるとうれしいなと思います。

絹:リスナーの皆さん、北野商店街の「きたのま」です。覚えてくださいね。

この番組は心を建てる公成建設の協力と我らが京都市景観まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。

 

投稿日:2024/04/26

第195回 ・カードゲームをラジオで解説?そもそもムリ難題です~Kyoto Dig Home Projectって何?

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戸: 戸倉 理恵 氏(京都市都市計画局住宅室住宅政策課担当係長)
堀: 渡邊 春菜 氏(京都市都市計画局住宅室住宅政策課)
絹: 絹川 雅則(公成建設株式会社)
       (左:戸倉 理恵 氏  右:渡邊 春菜 氏)
◼︎概要
京都市の空き家対策プロジェクト「京都ディグホームプロジェクト」について議論された。空き家の現状、プロジェクトの取り組み、ウェブサイトの作成、カードゲームの開発などが紹介された。空き家問題を楽しく学べるカードゲームの詳細や、早期対応の重要性が強調された。◼︎要点一覧
・京都市の空き家の現状:京都市内には10万6000戸の空き家があり、そのうち4万5000戸が流通していない
・京都ディグホームプロジェクトの目的:若者や子育て世帯の市外流出を防ぎ、空き家の利活用を促進する
・プロジェクトの取り組み:リサーチ、イベント開催、ウェブサイト作成、カードゲーム開発など多岐にわたる
・空き家対策カードゲームの特徴:空き家所有の課題を楽しく学べる、40~60分で終わるゲーム設計

◼︎ネクストアクション
・新しい空き家のウェブサイトを作成
・空き家対策カードゲームの開発と改良

◼︎決定事項
・京都市内の空き家数は10万6000戸、うち流通していない空き家は4万5000戸
・プロジェクト名を「京都ディグホームプロジェクト」とする
・空き家対策カードゲームの所要時間を40分から60分に設定

◼︎質問と回答
Q. 京都市内の空き家の数はどれくらいか
A. 直近の調査では10万6000戸で、8軒に1軒が空き家である

Q. 流通市場に出ていない空き家の数はどれくらいか
A. 約4万5000戸が売却や賃貸などの流通市場に出ていない空き家である

Q. 京都ディグホームプロジェクトとは何か
A. 若者や子育て世帯の市外流出を防ぎ、空き家の利活用を促進するための新しいプロジェクト。空き家をポジティブに捉え、掘り出し物として価値を見出すことを目指している

Q. 京都ディグホームプロジェクトの取り組みにはどのようなものがあるか
A. 空き家の可能性について議論するイベントの開催、新しい空き家のウェブサイトの作成、地域での勉強会の実施、相続に関する解説動画の作成、カードゲームの制作などを行っている

Q. なぜ空き家対策にカードゲームを作ることにしたのか
A. 世代を超えて楽しく空き家問題への気づきや学びにアプローチできる方法として、ゲームが適していると考えたため

Q. ゲームの所要時間はどれくらいか
A. 1ゲーム40分から60分程度で終わるように設計されている

Q. ゲームにはどのような種類のカードがあるか
A. 主に3種類あり、建物の破損カード(水回り設備の使用不可、外壁の崩れなど)、不備カード(ハチの巣など)、書類の不備カード(権利書の紛失など)がある

Q. ゲームの目的は何か
A. 3500万円で手に入れた一戸建てをどのように売却するかがメインの目的

Q. 京都市の空き家相談員制度について
A. 京都市内に空き家相談員制度があり、町の不動産屋さんが市の研修を受けて、現在約250人が登録している

Q. 空き家に関する名言は何か
A. 「空き家になった時点でステージ3です」という言葉があり、早めの対策が重要

◼︎トピックス
1.京都ディグホームプロジェクトの概要
・京都市の空き家問題と若者・子育て世帯の市外流出への対策として立ち上げられたプロジェクト
・京都市内の空き家数は10万6000戸、うち流通していない空き家が約4万5000戸
・「価値はユーザーが選ぶ」をコンセプトに、空き家をポジティブな選択肢として捉え直す取り組み

2.プロジェクトの取り組み内容
・民間企業と協働し、月に数回のミーティングを実施
・リサーチ活動:他都市の事例調査、専門家へのヒアリング、約20か所の先進事例調査
・イベント開催:11月に空き家の可能性について議論する半日イベントを実施
・ウェブサイト作成:12月に新しい空き家対策のウェブサイトを公開
・地域との連携:山科地域での勉強会開催、司法書士と相続に関する解説動画作成
・カードゲームの開発:空き家問題を理解するためのツールとして作成中

3.カードゲーム開発の目的
・空き家相談に来る所有者が高齢化し、次世代との共同相談が増加している現状に対応

4.ゲーム開発の経緯
・空き家所有者や将来の所有者に、空き家の問題をカジュアルに知ってもらうためにゲーム形式を採用。タンサン株式会社と協力。
・ゲームのメカニクスの重要性や、世代を超えて楽しめるゲーム設計の必要性を学ぶ。
・何度も試作とテストプレーを繰り返して完成させた。

5.ゲームの内容と特徴
・3500万円で入手した物件の売却がメインターゲット。親族との話し合いなど、現実的なハードルを組み込んでいる。
・建物の破損、不備、書類の問題など、実際の空き家問題を反映したカードを使用。
・早期対応の重要性や、専門家への相談の必要性をゲームを通じて学べる設計。
・実際の空き家相談員が監修に参加し、リアリティを高めている。
・1ゲーム40分から60分で終わるよう設計されている。

6.ゲームの目的と効果
・空き家問題を自分事として捉え、シミュレーションを通じて学ぶことができる。
・相談時にゲームを通じて問題を理解し、より具体的な相談につながることを期待。
・「空き家になった時点でステージ3」という認識を持ち、早期対応の重要性を伝える。

投稿日:2024/04/09

第194回 ・住まう 働く まざる~団地を中心とした共生のまちづくりって何?

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池: 池田 英郎 氏(社会福祉法人 京都福祉サービス協会 児童福祉部 / 地域共生社会推進センター事務局長)
絹: 絹川 雅則(公成建設株式会社)
         (左:池田 英郎 氏  右:絹川)

 

絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日のゲスト紹介です。最近の出会いなのですが、お迎えしておりますのは、社会福祉法人 京都福祉サービス協会からお越しいただきました。池田英郎さんです。
池: よろしくお願いいたします。
絹: 池田英郎さんは、地域共生社会推進センター事務局長という二つ目の顔もお持ちで、どちらにしても長くてカタいのでおいおい説明していただくことにしまして、私と出会ったのは、たぶん西野山市営団地が初めてでしたか。
京都市には市営団地がたくさんあります。西野山市営団地は土地勘のない方もおられるかもしれませんが、住所は山科区勧修寺堂田というところです。そこで時々面白い、変わった現象が起きていることを、この絹川くんのあまり利かない鼻が嗅ぎつけまして、ちょくちょくお邪魔していたところに、この赤いタコの被り物をしておられた人が池田さんでした(笑)。そこで「この人だ!」とばかり無理やりゲストに来ていただいたわけです。
さて、本日の大事な番組タイトルを申し上げねばなりません。先ほど池田さんと打ち合わせをして決めました。本日のタイトル、「住まう 働く まざる~団地を中心とした共生のまちづくりって何?」と題してお送りいたします。
さあ、池田さん、このタイトルを時系列に沿って読み解いていただきます。よろしくお願いします。
池: なんのこっちゃわからないですよね、この流れは(笑)。なるべく分かりやすく経緯を説明したいと思います。
絹: リスナーの皆さん、是非ご期待ください!本当に不思議なというか、おもろいというか、すごい挑戦が山科の西野山で起こりつつあります。あるいはもう既に起こっています。どうぞ!
 

■エピソード1 地域共生社会推進センターの立ち上げ、そもそもの思い

●京都福祉サービス協会は、京都市内で事業を展開する社会福祉法人です
池: カタい肩書ばかりなので、まずは社会福祉法人 京都福祉サービス協会を説明しないといけないですね。
絹: 私は門外漢ではありますが、理解しているところだけ申し上げますと、もともと京都市の外郭団体であった歴史が長い福祉法人さんだと聞いています。市内に27拠点、事業所という呼び方が正確なのか、特別養護老人ホームを始め、比較的大型の施設を展開されておられまして、元々はホームヘルプ、訪問介護からスタートされています。私も個人的にですが、小川にある施設と言えばいいのでしょうか…。
池: そうですね。特別養護老人ホーム小川がありますし、そこから居宅のサービスも行っています。
絹: そこから私の齢90歳のお袋様も、訪問介護のお世話にずっとなっております。ありがとうございます。
池: ありがとうございます。
絹: というので、その福祉サービス協会さんの何たるかは、ざっとした紹介になりますけれども、あと詳しいご紹介を池田さんからお願いします。
池: 社会福祉法人京都福祉サービス協会は、大きな社会福祉法人で、京都市内で事業を展開しております。その中でもう1つ、地域共生社会推進センターというのを立ち上げたというところです。法人そのものは特養とか訪問介護などの事業所で、児童館も4つ運営していまして、私自身は児童館の職員として二十数年間働いていました。
 

●児童館って、どんなところ?

池: そういう意味では私自身、高齢福祉専門ではもちろんなく、児童福祉の専門ではあるかもしれませんが、流れの中で児童館で働いていたという経緯があります。
児童館というのは、まちの中に子どもなら誰でも来れるという場所ですので…。
絹: うちの近所でしたら、上京ですので、室町小学校の所に児童館がありますけど、あれも…。
池: そうですね。児童館ですと市内に130か所あって、色んな法人が運営しているのですが、対象が0~18歳と幅広くて、赤ちゃんから高校生、高校中退の子なども来れるという場所なんです。
絹: 私個人的に言うと、児童館というのは入った事がないので、自分の子どもが小さい時もお世話になってなかったので、どういうところなのか実はよく知らない、そういう人も結構おられますか?
池: その辺がすごく課題で、子育て中のお母さんたちも気軽に来られるよう、もっとピーアールしないといけないと思っています。放課後児童クラブという学童クラブは誰が聞いてもわかるような、子どもを預かっている場所というイメージがあると思うのですが、児童館はそうではなくて、まちの中にあって、第三の居場所のように、誰でも来れる。その児童館の要素ももっと出したいなと思いながら、ずっと仕事をしてきていました。
 

●児童館とサードプレイス

絹: 今、さらっと第三の居場所というキーワードをお使いになりましたけれども、それに僕は激しく反応するタイプでして、私自身京都にあるサードプレイスを訪ね歩いていた時期がありました。
池: すごい、何でも興味があるんですね!
絹: “まちの縁側”という言葉を、日本でごく早い時期に使われて、名古屋と京都にご自宅を住み開いて“まちの縁側クニハウス”“まちの学び舎ハルハウス”という二つを展開していらっしゃる80超えのおばあちゃん、佛教大学の退官教授の丹羽國子先生です。私の師匠筋と言いますか、このラジオの番組にも数回、ゲストでお呼びしております。
私はそのサードプレイス、誰でも来れる場所、居場所というのが、今ものすごく必要だなと思っている者の1人でして、とにかくあの居心地の良さが大好きなんです(笑)。
池: そうなんですよね。何をしてもいいし、何もしなくてもいいみたいな。これを伝えるのが難しかったりするし、色んな人が本当に集えるためには、どんな工夫がいるかなということを考えていかないと、そういう場所になりえないし、ただ単に管理する場所になってしまう可能性もあるわけです。
絹: もともと長く勤めておられた児童館は、「本来そういう場所なんですよ」とおっしゃったわけですよね。でも僕らはあまり知らない…。
 

●まち全体で子どもを育てるまちづくり

池: そこがすごく課題で、児童館をやりはじめたと言いますか、勤めはじめたのも、そういう経緯でした。児童福祉がやりたいとかでは実はなくて、子どもが好きでとかでもなくて、どちらかというとまちづくりと言うか、人が出会う環境に興味があったのかなと思っています。
絹: 今日、ゲスト出演されている番組の名前が、まちづくりチョビット推進室で(笑)。
池: たぶん元々関心のある領域なんです。児童福祉の専門家のみが子どもに関わって、子育てを支えるのではなくて、本来、まちの色んな人たちが関わりながら、子どもが育つという、そういう意味では児童館だけではなく、児童館が拠点となって、まち全体で子どもが遊んだり、育ったりする。そんな発信をする野望も持ちながら、法人内でやってきました。
 

●福祉全般同じ発想でと、地域共生社会推進センターを立ち上げました

池: そういう発想って、福祉全般に言えることだと思うんです。高齢福祉の中でも特養に入居されたら見えない世界なのかというと、全然そんなことはない。元々まちで暮らしていた人が施設で暮らしているわけです。そこは地域の関りと言うか、地域の方が関わって当たり前だし、施設も地域と関わるのが当たり前だし、そういった活動をもっともっと拡げようよというコンセプトで、地域共生社会推進センターを立ちあげました。ちょっと大きな法人の中で皆、私も児童館をやりながら兼職でやり、代表は河本代表が特養の施設長を兼任しながら、副代表も特養の施設長の森副代表で、事務局も訪問介護をやっている兼任職になります。センターと言っても建物があるわけではなく、私たちが一部署を兼職しながら、そういうチームを作られたという感じです。
絹: その河本歩美代表兼紫野施設長さんもユニークな方で、本当にお話が通じるというか、私みたいな素人が議論をふっかけに行っても、ちゃんと聞いてくださって、池田さんとか宮路理事長に繋いでくださった、本当に珍しいタイプの方です。NPOなんかもなさっていて、「認知症とともに生きるまち大賞」を受賞されました。本業から少しかすっているかな、かすってないかな。お年寄りがまな板を磨くお仕事をされて、そのまな板を無目的カフェで販売されて、その活動がすごく評価されたという経歴の持ち主が、地域共生社会推進センターの代表であられる。
 

●「働く」というキーワード

池: たぶん代表のお話は、それはそれで1つ番組ができてしまうんですが…。児童館をやっている私から見て、「一緒やな」と思ったのは、単にご利用者さんのためにサービスをやる場所ではなくて、来ているお年寄り自身も役割を持つというか、誰かのために働くということ。そのまな板を磨くのもそうですし、男性の方は洗車をしていると、最近おっしゃっていましたが、とにかく何かをしてもらうだけの対象ではないということです。福祉って、上からしてあげるという支援ではなくて、利用者の持っている力をちゃんと引き出しながら、その人の主体性を大事にしながらやっていく。これは児童館の支援も一緒だなと思いました。子どもも何かをしてもらうだけの存在ではなくて、しっかり意見を言ったり、子どもたちのやりたいこと、例えばお店屋さんを自分たちでつくったり、祭りの参加者で行くのも楽しいけど、祭りを一緒につくっている実行員会の中の方が、もっと楽しいみたいな、そういう実践を私もやっていたので、「お年寄りでもそこは一緒やん」という思いはありました。そういう意味で「働く」というキーワードも出てきているので…。
絹: 「住まう、働く、まざる」ですね。社会実験的な要素も見え隠れするのですが、西野山市営団地で本当に何かすごいことを、素人の目から見るとすごい挑戦が起こっているように見えるのですが、その辺り紐解いていただけますか。
 

■エピソード2 西野山市営団地での挑戦―実践の場として

●地域ともっと関われる事業をやっていきたい
池: 地域共生社会推進センターは、児童館も含め、特養や訪問介護など色んなサービスを展開しているなか、福祉、ケアの仕事に携わるたくさんの従業員が、地域と関わりながら、地域の人たちと利用者も含めて一緒に楽しく価値をつくっていける後押しをする事業を、ずっと展開してきました。具体的には法人内の職員が集っておしゃべりできるカフェとか、ちょっと勉強できる、横糸を繋ぐカフェ、外に発信するフォーラムや、色んな人を繋ぐファシリテーションの技術を学ぶ研修など、いわば法人内の働きかけをセンターとしてずっと行ってきたのですが、もう少しわかりやすい地域との関わりの事業をやった方がいいのではないかという話になりました。
ただ地域と言っても京都市中となると広すぎるので、市営住宅を拠点としてグループホームをやったり、その地域の課題に入ってそこで実践できる可能性があるのではないかと、法人の中で話をするようになりました。そこで京都市の住宅管理課に、市営住宅で空き部屋を使いながらまちづくり実践ができるような所はないだろうかと相談したところ、西野山市営団地を紹介してもらったのがスタートでした。
絹: 不思議な偶然ですね。なぜか私も時期を同じくして、都市計画局住宅室住宅管理の(今は異動されましたけど)菱崎課長の耳元でぶつぶつ呟いておりました。「空いてるでしょう、公営住宅」と。
池: 私たちも事業拠点を共生推進センターとして持っているわけでもないので、拠点が欲しかったわけでもないのですが、課題は絶対あるだろうし、そこに福祉をやっている我々がまず入っていくと面白いんじゃないかと
 

●公営住宅にケアワーカーが「住む」ということ“まちソリデール”

絹: 私は菱崎さんにふっかけていた議論は、「財政非常事態宣言だと、市長さんが青い顔したはるのに、空き室がいっぱいあるのを、なんで放っているのですか」と。「例えば保母さん、高齢者介護施設の職員さん、看護師さん、安くで入れなはれ」とずっとふっかけてました。
池: それ、考えてます!
絹: そしたらそれを聞く耳を持つ人が出てきまして、今、動きつつあります。そこへ池田さんが「空いてるでしょ?使わして」と言ってこられたのと、たぶんタイミング的にピタッと合っているはずです(笑)。
池: そうなんです。京都で卒業した若いワーカーが安く住めて、その近所にお年寄りもいたりすると…。
絹: 「いわゆるケアワーカー、エッセンシャルワーカーと目される方々が“住まう”というところでサポートされるのであれば、地域に残ってもらえるでしょう」と。「元々ケアマインドが高い方なのだから、そういう人が高齢化率68%という西野山市営団地で活動されたら、きっと何か起こりまっせ」と、菱崎さんとかにガンガンふっかけていました(笑)。
池: でも本当に空想ではないですけど、団地を拠点にしたらどんなことができるだろうみたいなことを言いながら、たまたま紹介いただいたのが西野山市営団地だったんです。本当に職員が住むというのも面白いんじゃないかと。
“ソリデール”のように、学生とおじいちゃんおばあちゃんが一緒に住むなら、一軒家でなくても、まち中でそれをやればいい、“まちソリデール”でいいんじゃないかと言っていました。そんなことをワーワー言いながら、まずは団地の現状がどんなことになっているのか私たちも知らなかったので、菱崎さんにご紹介いただいたわけです。
たぶん会長さんの強い思いも感じたので、ここをご紹介いただいたのだと思うのですが…。
 

●まずはタウンミーティングをやろう!

絹: 松尾自治連合会長ですね。熱心な会長さんですよね。
池: 団地に行ってお話をお聞きすると、本当に篤い思いで語っていただいて、「このままでは大変だ。京都市にいっぱい要望しているけど、難しい。ただ、ここに住んでいるお年寄りに温かい物を食べさせてあげたいんや」とおっしゃっていたんですね。温かい物というのは、単純にあついご飯だけでなく、人の温もりもあるんじゃないかと、勝手に私たちも思いながら…。
絹: ひょっとしてその思いが“たこ焼きタウンミーティング”に繋がるのでしょうか。
池: そうなんです。そんな思いの会長さんもいらっしゃるので、ここで何かできるんじゃないかなと感じました。ですから僕らがこの場所を使ってグループホームにというような事業だけじゃない、何か住民さんの気持ちを聞きながら、まちづくりにつなげる活動ができたらと考えました。そこでまずは住民さんの意見を聴くためのタウンミーティングをやろうということになりました。
タウンミーティングとは言うものの、ただ単に最初は焼き芋をみんなで焼いて、食べて、住民さんの困りごとを聞き取るというのをやったんですね。
絹: 本当に地道な活動ですね。
池: そうなんです。焼き芋の芋はうちの職員の「畑の芋をあげるよ」と言ってもらったので、みんなで掘りに行ってみたいなことで(笑)。今もちょいちょい掘らしてもらってるんですけど。
 

●移動販売車が来るようになりました

池: 焼き芋で話をしていると、先ほど団地の高齢者率68%ということでしたが、調べると68.8%だったんですね。市内でも23%とかですので、非常に高いわけです。本当にお年寄りが多いというところで、買い物なども近所にあるにはあるけれども、やはり重たい物を買いに行くのが困るという話だったので、移動販売車を呼ぼうということになって、これに社協さんとか、京都市さんにももちろん協力をいただいて、イオンの移動販売車が週二回来るような手配が整ったという感じです。
絹: イオンの店長さんとも話をしました。いやあ、篤い人でしたね。
池: そうなんです。そういう連合体で関わる人がどんどん増えて行って、包括支援センターなどもそうですけど、移動販売車を呼んで毎週来てもらえるようになりました。
 

●団地カフェもはじめました

池: 見に行くと、おばあちゃんたちがブロックとかに腰かけて来るのを待っておられたりしたので、集会所があるので、そこでお茶を飲むようにしましょうかと。僕らは火曜日なら行けるかなと、火曜と金曜、移動販売車が来ているのですが、火曜日行って、一緒にお茶を飲もうよと。
絹: ああ、それが団地カフェになったんですか。
池: そうです。で、お茶でいいかなと思っていたら、「コーヒー、飲みたい」と。「ほんなら淹れましょか」と言って、何の気なしにコーヒーを淹れだしたら、それがやがて毎週のカフェに(笑)。そしたら会長も何か温かい物を作りだしたりして、今は週一回、団地の集会所でカフェをやりながら移動販売して、“タウンミーティング”をやっています。
 

●夏祭りは、周辺の子どもたちも来られるイベントにしています

池: 夏は夏祭りっぽくして、近所の児童館とか保育園にも協力いただいて、子どもたちはほとんど住んでいないのですが、周辺の子どもたちも来られるようなイベントにしていきました。
絹: “たこ焼きタウンミーティング”略して“TTM”。そこでたこ焼きだからタコの被り物をしておられた池田さんと初めて出くわしたのが、絹川くんでしたと。
池: はい。そういう流れなんです。
絹: いやあ、僕、京都市さんが中心になって引っ張っていかれたのかと思ったら、実は池田さんたちが京都市に議論をふっかけてはったわけですね。
池: 連携してという感じですね。やりだすともちろん京都市の動きがないと一緒にできないですけど、本当に色んな団体と大学とかも連携していって…。これ、おさまらないですね(笑)。
 

●京都芸大の学生さんも住んでくれるようになって

池: また会長が、「芸大が京都駅の近くに移転するけれども、バスで20分ほどで来られるんや」と。「住んでくれへんか」と。
絹: 稲荷山トンネルをバスで通ると20分で芸大まで来れるやんかと。
池: 京都市も一緒に動いて、目的外使用で芸大の学生に安く住んでいただける。今6名住んでいただけるようになって、急に進んでいったんです。
絹: リスナーの皆さん、去年の10月28日の6人の学生さんを迎えるイベント、私も出席したんです。無茶苦茶感激しました。
池: 住んでくれないと思っていたんですけどね。
絹: 「よう来てくれた!」と大拍手でみんなが迎えてね。
池: 50年くらい経っている団地なので、なかなか見た目は古さを感じてしまうところですけど、学生は楽しく住んでいただいているようで。
絹: 京都市も本当に太っ腹というか、安い月額を設定したみたいですね。
池: そうですね。それに声楽科の人が集会所を使って歌の練習をさせてもらっているとか。
絹: 「全然かまへんでえ」と、地元の人たちが。
 

●空き部屋をお借りして新たな拠点、サードプレイスをつくります!

池: そんな感じで発展していって、今、ボランティアで関わる学生もいますし、今度は空き部屋をお借りして新しい拠点をつくろうと考えています。最初におっしゃっていた“サードプレイス”で(笑)。
絹: その計画の京都女子大学の是永研究室の人たちが図面をひいてデザインした模型、その画像は貼り付けておきますので、是非リスナーの皆さん、また見て頂けたらと思います。
池: 盛りだくさんでしたが、新しい拠点もまたつくっていくので、どうなっていくかはわからなくて、色んな人が色んな意見を出しながら、一緒にまちをつくっていくみたいな実験になりつつあるかなと思っています。
絹: リスナーの皆さん、是非西野山市営団地の“たこ焼きタウンミーティング”から拠点づくり、福祉サービス協会の皆さんの挑戦をご記憶ください。これが標準装備されると、京都市の色んな問題が1つずつ消えていく可能性があります。期待を込めてフォローしていきたいと思います。
この番組は心を建てる公成建設の協力でお送りいたしました。池田さん、ありがとうございました。
池: ありがとうございました。
投稿日:2024/02/28
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