| ◼︎概要
inote+P(あいのてぷらすぴー)の代表・服部 加奈子 氏が、循環型地域共生社会の実現に向けた活動について語った。自分のできることが誰かの役に立ち、感謝が返ってくる役割と感謝の循環を目指し、子ども新聞による地域取材活動と向島アクアベースでの洗濯物畳み体験を通じて、世代を超えた人間関係の構築と地域活性化を推進している。
◼︎要点一覧
・循環型地域共生の定義:自分のできることが誰かの役に立って、それが自分の楽しみとして返ってくる役割と感謝の循環のことである。存在するだけでも社会に貢献できる価値観を持つ社会の実現を目指している。
・子ども新聞活動の意義:子どもたちの柔軟な視点で地域や企業を取材し新聞化することで、大人が凝り固まった頭を柔らかくし、幼心を思い出させる循環を生み出している。
・向島アクアベースの社会実験:洗濯物を畳む手仕事を通じて、金銭的報酬ではなく、おしゃべりや手仕事ができる場を提供することで、参加者の役割感と繋がりを生み出す仕組みである。
・向島ニュータウンの現状課題:伏見区南部の市営住宅で、少子高齢化により空き家が増加し、人口減少と子どもの減少が進行している地域である。
・循環型地域共生の背景:代表の20年間の高齢者介護経験から、年を重ねるにつれ社会との繋がりが減少し役割を見失う現実を目の当たりにしたことが、年を重ねることがわくわくする社会を目指す原点となっている。
・目指す未来社会の形:世代や立場を超えて、人々が自分の役割を生かし合い、働く・学ぶ・支え合う・楽しむを循環させながら、地域全体で共に暮らしをデザインしていく社会である。
◼︎ネクストアクション
・建設現場の取材企画を検討する。「鳥人間コンテスト」人力飛行機プラットフォーム施工の40年以上の実績を持つ公成建設の現場への子ども新聞取材を実現する。
・向島アクアベースを月1回の定例化に向けて準備を進める。春からのスタートを目指して調整中である。
・ケアと町づくりをテーマにした5つのプログラムを1月24日から2月28日の期間で実施する。第1回目は1月24日土曜日16時から、医療・福祉事業とコミュニティ事業を展開する会社を運営する理学療法士で「境界線を曖昧にする〜ケアとコミュニティの関係を耕す」著者・糟谷 明範 氏を招いて開催する。
◼︎決定事項
・向島アクアベースの社会実験を月1回の定例化に決定した。参加者からの継続開催要望を受けて、春からのスタートを予定している。
・inote+Pと堀川商店街内の交流拠点「knocks! Horikawa」のコラボレーションにより、ケアと町づくりをテーマにした5つのプログラムを1月24日から2月28日の期間で実施することに決定した。
◼︎質問と回答
Q. 循環型地域共生とは何か
A. 自分のできることが誰かの役に立って、それが自分の楽しみとして返ってくる役割と感謝の循環のこと。そこに存在しているだけでも役に立つことがあり、ありがとうという感謝が生まれるような社会
Q. inote+Pの主軸となっている活動は何か
A. 子どもたちが新聞記者になって地域や企業を取材する『こども新聞』という活動。見出しや文章はほとんど子どもたちが作成している
Q. こども新聞の活動を通じてどのような循環が生まれるのか
A. 子どもたちの柔らかい視点で街や企業を見て、それを新聞という形で地域に発行することで、大人たちが幼心を思い出したり、子どもの目線を再確認したりする新たな視点が生まれる循環
Q. こども新聞の取材先はどのように決定されるのか
A. 大人編集長である代表が、できるだけ子どもたちのリクエストを受けて取材先を探している。ただしリクエストを聞いたからといって必ずしも実現するわけではない
Q. 子どもたちから出ている取材先のリクエストにはどのようなものがあるか
A. 和菓子屋さん、図書館、建設現場などのリクエストが参加している子どもたちから出ている
Q. 建設現場への取材ではどのような反応が子どもたちから出たのか
A. 工事休みの日の建設現場で家の土台を見せてもらった際、赤いホースと青いホースの水道パイプが通っているのを見て、血液の静脈と動脈のような配管が通っている理由について不思議に思う子どもたちがいた
Q. 向島アクアベースとはどのような取り組みか
A. 洗濯物を畳むという手仕事を通じて、その対価でコーヒーを飲める集いの場。株式会社アグティとinote+Pが協働で実施している社会実験
Q. 向島アクアベースに参加した方からはどのような声が出ているのか
A. 金銭的な報酬ではなく、手仕事をしながら皆と喋れて美味しいコーヒーが飲める場が、今後も継続してあるといいなという声が出ている
Q. 向島アクアベースの今後の予定は何か
A. 月1回の定例化を目指しており、春からスタートできそうな状況にある
Q. 向島ニュータウンはどのような場所か
A. 伏見区の南の方にある向島地域の中にある市営住宅。13階建てで、1つの街区に6棟から8棟の建物が建っており、11の街区がある。現在は空き家が多く、少子高齢化により人口が減少し、子どもが大幅に減少している
Q. 向島アクアベースの活動場所はどこか
A. 「むかちゅうひろば」というコミュニティースペース。廃校になった向島中学校の跡地に建てられた住宅の敷地の一角にあり、元々住んでいた地域の人と新しく住まわれた地域の人が一緒にそのスペースを盛り上げていく場所
Q. 服部 加奈子 氏が循環型地域共生という考え方を生み出した背景は何か
A. 約20年間高齢者介護の仕事をしてきた経験の中で、年を重ねることで社会とのつながりが減っていき、自分の役割を見失いがちになる現実を目の当たりにしたこと。年を重ねていくことがわくわくするような社会になってほしいという想いから
Q. 服部 加奈子 氏が介護の仕事を通じて気付いたことは何か
A. 介護の仕事はただお世話することではなく、その方と対話を楽しみ、日々の暮らしの中での言葉から本当の意味を見つけていくこと。その方達の役割ややりたいことを社会に繋げていくような仕組み作りがしたいと気付いた
Q. 今後目指している社会の形はどのようなものか
A. 世代や立場を超えて人々が自分の役割を生かし合って、働く、学ぶ、支え合う、楽しむを循環させながら地域全体で共に暮らしをデザインしていく社会
Q. 循環型地域共生の実現に向けた具体的な取り組みは何か
A. 向島アクアベースという社会実験として、子ども新聞や洗濯物をみんなで畳むなどの活動を実施しており、これまで2回実現し、今後は月に1回の実施を予定している
Q. ケアと町づくりをテーマにしたプログラムの実施期間はいつか
A. 1月24日から2月28日の間に実施される
Q. プログラムの第1回目はいつ開催されるのか
A. 1月24日土曜日16時から開催される
Q. 第1回目のプログラムのテーマは何か
A. 境界線を曖昧にするケアとコミュニティーの関係を耕すというテーマで、考える、語る、味わうをコンセプトに企画されている
◼︎トピックス
1.循環型地域共生の定義
・自分のできることが誰かの役に立ち、それが自分の楽しみとして返ってくる役割と感謝の循環。
・そこに存在しているだけでも感謝される社会。人間がいるだけで空気の色が変わり、役割と感謝の循環が生まれる。
2.子ども新聞事業
・子どもたちが新聞記者になり、地域や企業を取材する活動。2025年8月号など複数号を発行。
・見出しと文章はほぼ子どもたちが作成。A3両面カラー印刷で第10号まで発行。
・子どもの柔らかい視点で地域や企業を見て、大人に新たな視点を提供する循環を創出。
・大人編集長が子どもたちのリクエストを受けて取材先を探す。和菓子屋、図書館、建設現場など多様な取材先。
・建設現場での取材では、子どもたちが家の土台の赤青パイプ配管に興味を示し、不思議さを感じる。
3.向島アクアベース事業
・株式会社アグティと協働。伏見区向島で洗濯物を畳み、その対価としてコーヒーが飲める社会実験。
・2回の社会実験を実施。参加者は金銭報酬より、手仕事、会話、コーヒーという場の価値を評価。
・参加者から継続開催の要望があり、今後月1回の定例化を検討。春からのスタートが見込まれる。
・洛西ニュータウンでも同様の実験を実施。学生と高齢者が交流し、お茶やお菓子を共有する場が形成。
4.向島ニュータウンの現状
・伏見区南部の市営住宅。13階建て、11工区に分かれ、1工区に6~8棟の建物。
・かつて人口9000人規模だったが、現在は空き家が多く、少子高齢化で人口減少。子どもの数が大幅に減少。
・向島中学校が廃校となり、その跡地に新築住宅が建設。敷地の一角にコミュニティスペース「むかちゅうひろば」が設置。
・「むかちゅうひろば」は元住民と新住民が協働で盛り上げるコミュニティスペース。
5.高齢者介護の経験と社会への問題意識
・20年間の高齢者介護経験から、年を重ねるにつれ社会との繋がりが減少し役割を見失う現実を目撃。
・年を重ねることが悲しいのではなく、繋がりや知識が増えていくわくわくする社会を目指したい。
・介護はお世話ではなく、対話を通じて本当の意味を見つけ、役割を社会に繋げる仕組み作りが重要。
6.循環型地域共生の概念
・年を重ねるほど社会との繋がりが薄れるのではなく、逆に分厚くなる生き方を作ることが目標。
・傾聴ボランティア活動を通じて、認知症の方の話を聞く中で、同じ話でも表情や文脈が異なることを発見。
・何度も訪問することで、その方の本当の想いや辛さが見えてくる経験をしている。
7.目指す未来の形
・世代や立場を超えて、人々が役割を生かし合い、働く・学ぶ・支え合う・楽しむを循環させる社会。
・地域全体で共に暮らしをデザインしていく社会の実現を目指している。
・4つのキーワード:働く、学ぶ、支え合う、楽しむ
8.具体的な社会実験と取り組み
・こども新聞や洗濯物を畳むなどの向島アクアベース社会実験を2回実施。
・渦中広場を月に1回開催し、町の縁側・サードプレイスとして定着させる計画。
9.来年のイベント告知
・inote+Pと堀川商店街内の交流拠点「knocks! Horikawa」がコラボし、ケアと町づくりをテーマにプログラムを実施。
・期間は1月24日から2月28日、5つのテーマの企画を予定。
・第1回は1月24日土曜日16時から、医療・福祉事業とコミュニティ事業を展開する会社を運営する理学療法士で「境界線を曖昧にする〜ケアとコミュニティの関係を耕す」著者・糟谷 明範 氏を招き、ケアとコミュニティーの関係について考える。 |