第169回 ・京都市初の「市民緑地」整備ってなに?~にぎわい・いこいの空間で何が起きるのだろう?
ラジオを開く
朝: | 朝山 勝人 氏(京都市建設局 みどり政策推進室 事業推進担当部長) |
岩: | 岩村 謙次 氏(京都市建設局 みどり政策推進室 緑化推進課長) |
水: | 水江 勝 氏(京都市建設局 みどり政策推進室 担当係長) |
絹: | 絹川 雅則(公成建設株式会社) |
(左から朝山氏、水江氏、岩村氏) |
絹: | 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。 この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。 さて、本日のゲストはお二方お呼びしております。正確にはお三方で、コロナの状況下でスタジオ入りできるのはゲストの方お二方までなのですが、外にもお一方。ご近所さんです。ここは三条寺町ですけど、京都市役所から来ていただいています。 ご紹介いたします。京都市建設局みどり政策推進室緑化推進課長であられる岩村謙次さんです。よろしくお願いいたします。 |
岩: | よろしくお願いいたします。 |
絹: | そしてもうお一方。担当の係長さんです。水江勝さんです。 |
水: | よろしくお願いします。 |
絹: | それから部屋の外におられる朝山部長~! |
朝: | はーい。よろしくお願いします。 |
絹: | まずは今日のタイトルです。「京都市初の“市民緑地”整備ってなに?~にぎわい・いこいの空間で何が起きるのだろう?」と題してお送りします。さあ、どんなお話になりますか。岩村さんと水江さんに徐々に紐解いていただきます。 それでは先ほどご紹介しました岩村謙次さんと水江勝さん、この番組のヘビーリスナーの方なら絹川が時々手を抜くというのを知っておられます。いつもの他己紹介でまいります。 岩村謙次さん、水江勝さんの人となりを短く述べよ(笑)と、無茶ぶりをさせていただきます。 |
岩: | 打ち合わせになかったですよね(笑)。水江係長は東本願寺前の市民緑地の事業を担当しておりまして、係員も一名、二名でこの事業を担っていただいています。大変しんどい仕事だと思うんですけど…。 |
絹: | ほんまですねえ。二名でこんなでかい事をやらはるとは、ちょっとびっくり! |
水: | そうなんです。私もびっくりしてます(笑)。 |
絹: | ほう、よって立つ法律の建付けが違うと。そこでは何かえらい違いがあるんですか? |
岩: | 法律自体が、もとからある緑を保全しましょうという目的の市民緑地整備であるので、本願寺さんの敷地にあります大きな銀杏とか欅を保全しつつ、緑地として道路も含めて整備していこうということです。 |
絹: | ということは、市民緑地ができるからと言って、「賑わい景観できるから、銀杏や欅がじゃまになるし、一本切ってもいい?」となると、「こらー!」という話になるんですか?(笑) |
岩: | でも数本は切ることになるんですけどね(笑)。ちょうど本願寺さんの緑地の真ん中に噴水がありまして、これが調べてみますと、武田五一という有名な建築家が(デザインは別の方ですけれども)設計をされたと。そこを一回り広げて、噴水広場の中でもイベントができるようなにぎわいの創出をしていきたいなと考えています。 |
絹: | 武田五一先生と言えば、私みたいにあまり勉強したことない者でも、ちょっと建築をかじった人は「はああ」と思いますよね。 |
岩: | 京都市の本庁舎も武田五一の設計です。 |
●東本願寺と京都市が協働してつくる緑地空間として |
|
絹: | そもそも市民緑地がよって立つ法律が違うと。緑を大事にしましょうという足がかりで整備していくことが起こりそうです。リスナーの皆さんに念のため、手元資料を一部だけ読ませていただきます。 『東本願寺前は緑豊かな空間のもと、「下京・京都駅前サマーフェスタ」など、地域の方々と共に京都市東本願寺を始めとした関係者が協働して、地域の活性化に向けた取組や活用が展開されています。そのようななか、京都駅周辺の活性化に取り組む京都市と地域に開かれた門前を目指す本願寺さんの想いが一致して、京都市道と東本願寺所有の緑地を一体的な緑として活用できる整備を行うことで、市民緑地として整備することになりました。』 と書いてあります。リスナーの皆さん、東本願寺さんの前に道が二本走っている部分、あそこです。武田五一先生の噴水があって、緑は東本願寺さんの所有、市道は京都市の所有で、それを一体化してどんな風になるのでしょうねえ。今度は二人だけでこれを料理しようとしている水江さん、もうちょっと補足いただけますか? |
●石畳風舗装って、覚えておられますか? |
|
水: | 今回の整備は、緑地部分と京都市の市道部分を一体とした市民緑地という形でさせていただきます。その中でも今回、緑地の部分については、今も現状木はあるのですが、新たに桜等を植えさせていただいて、四季折々の緑が見られるという空間をつくり、市道部分の所は石畳風舗装と言いまして、石畳のような舗装のしつらえにさせていただき、そこではイベントなどもできるようにさせていただく予定です。 |
(京都市ホームページ 広報資料より) | |
絹: | 石畳風舗装って、リスナーの皆さん、覚えておられますか?ここで特集番組(第85回放送:平成24年7月24日)をやらせていただいたこと、あるんですよね。平安神宮の前の整備も確か石畳風舗装ですし、裏千家さんの今日庵さんの前の小川通も石畳風舗装、それから天神さんの東側もだいぶんと拡がっていましたよね。 身びいきの発言かもしれませんが、「ええ感じやな」と思っております。実は同業者と言いますが、私もそこのメンバーですけれども、京都道路建設業協会という舗装屋さんたちの集まりと京都市の建設局さんが共同研究で新しい工法を実験しながら編み出したものです。広く使ってくださいという工法なんです。 本当の石を使うと高いですけれども、本当の石ではないけれども、色々工夫をして、ショット・ブラストをかけたり、カッターで目地を入れて、石に見えるようにしたり、さらには保水性を高めるようにしたりと…。お水を撒いたら、夏の暑い日、ゆっくり蒸発するような工夫です。例えばパンパースの中身のような、水をためるような材質を中に混ぜるわけですが、その比率があんまり高いと舗装が弱くなるし、みたいな実験をかつて繰り返した覚えがあります。そんな地元の建設屋の目から見ても、この工法が取り入れられるとうれしいなと思えるような工夫が組みこまれているようです。 |
■エピソード2 市民緑地の将来像を考える |
|
絹: | お二方はこの市民緑地で何が起こってくるとうれしい、どんな風になったらいいのになと思っていらっしゃいますか? |
岩: | 先ほど絹川さんもちょっと触れられた岡崎ですね。神宮道。あそこも市道を廃道にして、公園と一体整備して、今はコロナでちょっとダメですけど、コロナ禍の前はあそこでイベントをして、色んな食べ物屋さんが来て、賑わいがすごくあったわけです。 今回のここの場所は、京都駅から歩いてすぐ5分以内で来られますので、すごく便利がいいんです。ここがイベント会場になれば岡崎以上の賑わいの創出ができるのではないかという、そういうポテンシャルはすごく高いと思っています。 |
絹: | リスナーの皆さん、神宮道、平安神宮の鳥居の辺り、今、岩村さんは行政マンらしく廃道という漢字を使われましたが、要は車が入れなくしたわけです。そして公園と一体化した。「あれ、前は鳥居の所まで車で走れたのに、右左にハンドルを切らなあかん」と思われていると思いますけど、あそこ僕も何回か行ったんですけど、ええ雰囲気でしてね。 ちょっと誤解を恐れずに言いますと、中学高校の文化祭みたいなのを、ええ大人がずっとやったはるみたいな感じで。例えば手作りの小物やお菓子を売っておられたり、骨董だのなんだの、おまけにあっちこっちでおしゃべりが起こっているんですよね。本当に大学祭や学園祭の市民版みたいなことが起きていて、小さい子も、バギーに乗った赤ちゃんを連れたお母さん方も、家族連れでいい雰囲気でした。ああいうことを考えていらっしゃるんですね。 |
岩: | はい。 |
●イベントではキッチンカーやテントが並んだりして… |
|
絹: | それがまた、京都駅に近いとなると、あれのパワーアップ版にならへんかと思っておられるわけですね。ひょっとして、この石畳風の所、本願寺さんの前、市民緑地やから、例えばキッチンカーの列がダーッと並んだりするのは許されへんのですか?許されると思います? |
水: | イベントについては、そういうキッチンカーを並べていただくとか、あとはテントですね。テントで飲食店を出していくというところも、今後ルールとして考えて行こうと思っているところです。 |
絹: | そぞろ歩きしながら、休みの日にアテを仕入れてビールでも噴水の前に腰かけてと。多分座れるベンチ的なものも今後考えていかれるんでしょうねえ。 エピソード2で私がお聞きしたかったのは、京都市と東本願寺さんの想いが一致した、握手しはったというのは、どのあたりですかというのを聞きたかったんです。それと毎年サマーフェスタとか前夜祭とかもやっておられて、今でも結構ええ感じの場所なんですよねというのも、併せて一緒にお聞きします。どうですか? |
(京都市ホームページ 広報資料より) |
絹: | ということで、朝山部長にもちょっとだけ飛び入り参加していただきたいんですけど、頼んでもらえませんか。ふるさと納税とか、寄付とかについて、部長と喋れそうですか? 今、岩村課長と朝山部長が今交代されます。ご紹介いたします。建設局みどり政策推進室事業推進担当部長であられます朝山勝人さんです。残りの時間で、ふるさと納税、それから寄付のお知らせについて少し語っていただけると嬉しいのですが。 |
朝: | はい。今回の京都市の東本願寺前の市民緑地なのですが、本来でしたら当然行政の方が費用を負担して整備をしていくということなのですが、皆さんご存知のように、京都市の財政状況も非常に厳しいなかで、なおかつここの部分が9800平米ほどの広さのオープンスペースができることになります。また東本願寺さんが観光客の緊急避難場所という形になっていまして…。 |
絹: | これ、大事なポイントです! |
●防災の機能も併せ持つ市民緑地として |
|
朝: | そことこの市民緑地とを一体的に活用することにより、災害時などの緊急避難場所の支援ができるという防災の機能にも非常に役立つ公園、市民緑地になります。そういう整備を進めて行くということで、できましたらふるさと納税として、企業さんや個人さんから募集を募っています。10万円以上寄付をいただく場合は、市民緑地の芳名板にお名前や企業名を記載させていただきますので、是非ともご協力をお願いしたいということです。よろしくお願いいたします。 |
●但し書きにかえてーご寄付について |
|
絹: | リスナーの皆さん、「名前なんか出さんといて、お金だけ出すし」も大歓迎でございます(笑)。ただし、私のような地元京都に本社がある企業が法人寄付をしても、税金は安くなりません。できれば京都市外の、例えば滋賀県の企業が寄付してくださるとなると、減税措置があります。 減税になる、ならない。それから個人の皆さんでご寄付いただいても、京都市は「そんな返礼品で釣ろうなんて…。仕事の結果で見てください」というスタンスを取っておられますので、京都市民に対しては返礼品は用意されておりません。ただ、市外の人たちには「京都市はたしなみとして返礼品をお送りします」というスタンスを取っていらっしゃいますので、一言申し添えます。 ということで、必要な情報は行きましたでしょうか。 |
朝: | ありがとうございます。 |
絹: | 水江さん、言い残したこと、ない? |
●工事が間もなく始まりますが、ご協力をよろしくお願いいたします。 |
水: | 市民緑地の整備の工事を間もなく始めさせていただく予定ですので、その時には近隣の方はじめ、その前を通られる方に非常にご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、ご協力をよろしくお願いいたします。 |
絹: | 「こんな所で埃をたてやがって」とか、「車を止めやがって」とかって、怒らないでくださいね。私の本職知っておられますよね、建設屋です。できてくるものを期待して、「不便やけど、頑張れや」と言っていただいたら、建設屋はもう本当に舞い上がりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 皆様、いかがでしたでしょうか。東本願寺さんの前に京都市初の市民緑地が整備されてまいります。是非ご期待ください。 この番組は心を建てる公成建設の協力と、我らが景観まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。朝山さん、外に出ていただいた岩村さん、それから水江さん、ありがとうございました。 |
投稿日:2021/10/07
カテゴリー: